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ジェダイのようじゃなく、ジェダイになるんだよ

◆トップページ◆ブログ「対多人数遊撃戦八卦掌という護衛護身法を求めて」トップページ◆カテゴリー「いじめに苦しむ君へ贈る、勇気が出るメッセージ集」トップページ>◇ジェダイのようじゃなく、ジェダイになるんだよ

少年との会話です。少年は言っていました。

「将来、何になりたいの?」

「ジェダイの騎士になりたい」

「あれは映画の中の話だよ。でも、剣道とか習ったら、ジェダイのような動きができるかもね。」

「フォースの練習をしているが、なかなかものが動かないんだ。スプーンも曲がらないよ」

「なかなか行動してるね。もっと現実的に、素振りでもしたら。なんなら、竹刀でも買ってあげるよ。雰囲気は味わえるかも」

「雰囲気とかどうでもいいよ。それよりフォースのやり方教えてくれる本ないかな?」

「フォースにこだわるね、でもこれは創作だからね・・・ないかもよ」

「どうしようかな・・・ベーダ―卿も、オビワンも、みんなフォース使ってるのに・・・自分だけできないと、ジェダイになれないよ」

「とりあえず、剣術・・いや、剣道でも練習したら?ジェダイになることできなくても、その努力とか・・・無駄にならないよ、もっとリアルにならなきゃ。ジェダイみたいになれればいいんじゃない?」

「俺がなりたいのはジェダイだけ。ジェダイみたいな、じゃなくて、ジェダイになりたい。」

その少年、もうすぐ50歳になるけど、未だジェダイになるべく練習中。長い年月の中で、ジェダイの中で最も好きな戦闘スタイルを見つけ出し、練習はより具体的に。ダース・モールのような動きがいいと、思ったのです。

周囲の大人は、創作と現実のはざまの中で、現実を見ることを強いるが、少年はあくまで、己の思い描いた夢をリアルに考え、何が今できるかを考え、実行に移し、そして継続している。

ジェダイのような仕事がこの世にあらわれたら、もっともその仕事に近い位置に立つことができるのは、その少年だ。

ジェダイになるうえで、己の夢を信じ準備を重ねてきた少年は、誰よりもジェダイになりやすい位置にいる。

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八卦螺旋功解説3「翻身旋掌」:人・大切な人を守るための第一歩。護衛護身武術「八卦掌」基本講座

◆トップページ◆ブログ「対多人数遊撃戦八卦掌という護衛護身法を求めて」トップページ◆カテゴリー「八卦掌水式門の「強くなる動画」速報」トップページ>◇八卦螺旋功解説3「翻身旋掌」:人・大切な人を守るための第一歩。護衛護身武術

翻身旋掌・概説

翻身旋掌は、後方・側面敵からの攻撃を、螺旋の意識の通った強い腕で払う意味などを含んだ螺旋功です。
胸前で手のひらを上にして、脇下から後方へ伸ばし、伸ばしきった所から大きな円を描いて胸前まで回し戻す、という動作で構成されます。

身を翻すと同時に、螺旋の意識の通った腕を後方へ伸ばして後方敵の攻撃を不意に弾き、意表を突かれた相手が反応する前に穿掌の連打を打ち込みます。

翻身旋掌・片手練習

最初は片手のみで動作を身につけます。そのあと螺旋の感覚を強く意識していきます。

胸前で手のひらを上にした状態で指先を自分の身体の方へ向け、脇下を刺すようにして後方へと伸ばし、伸ばしきったところでねじれている腕ごとねじりを解消して手のひらを上に向け、そこから大きな円を描いて胸前まで回し戻す、の動作を繰り返します。

胸前における「手のひらを上にした状態で指先を自分の身体の方へ向ける」動作と、「その状態のまま後方へと伸ばす」動作をしっかり行うと、敵の攻撃を不意に弾き得る力強い螺旋の腕を作ることができます。

後ろから前に戻す動作は、後方敵への防御後、眼の前の敵に再度攻撃をしてけん制する意味もあるため、戻す動作も意識を通してしっかりと行います。

翻身旋掌・両手練習

両手練習では、後方敵への攻撃を防ぐ動作を行いながら眼の前の敵へのけん制攻撃をするという対多人数遊撃戦動作を、腰の回転によってより速く、より滑らかに行うつもりで練習していきます。

翻身旋掌では、腰の回転は「回す」というより「腰をたたみながら回す」つもりで行います。後方へ腕を伸ばす軌道が小さくなり、素早く伸ばすことができるからです。

後方へ腕を伸ばしきったと同時に、胸前にあるもう片方の腕の手の指先を自分に向け、脇下にさしはじめ、後方の腕を胸前まで回し戻す、という動作を腰とともに行い、繰り返します。

両手練習では、後方へさす動作も前に戻す動作も、腰の回転と一緒に行う意識を強く持ちましょう。

敵の横での変化攻撃をする際、身体の固まりを防ぎ、かつ足が動きやすくなり、加えて腕を出す威力も高まるからです。

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明日開講。水式門通信講座『人・自分を守るための第一歩。護衛護身武術「八卦掌」基本講座』

◆トップページ◆ブログ「対多人数遊撃戦八卦掌という護衛護身法を求めて」トップページ◆カテゴリー「八卦掌水式門からのお知らせ」トップページ>◇明日開講。水式門通信講座『人・自分を守るための第一歩。護衛護身武術「八卦掌」基本講座』

◇開講にあたっての御挨拶

明日8月20日、かねてより告知してきた『人・自分を守るための第一歩。護衛護身武術「八卦掌」基本講座』を開講します。

年初に開講予定であったですが、指導内容に関わる変更を余儀なくされる事態が発生し、再度動画の撮影からスタートし、音声や指導方針も変更しました。

現在第6教程までが完成しております。

全25教程の総合講座であるため完全完成まで時間もかかりますが、動画の撮影はほぼ終了しているため、現時点でのリリースを決断しました。

幾度か内容を変更し、その都度見直しを重ねてきましたが、ここで再度講座の指導内容を告知をしたいと思います。

◇講座の指導内容

◆第1教程:八卦掌基本歩法(扣歩・擺歩・扣歩擺歩の連動練習)

◆第2教程:中盤走圏で学ぶ基本姿勢と走圏の足の運び方

◆第3教程:回肩功・伸肩功と併せて学ぶ穿掌の打ち方の基本

◆第4教程:上盤等速走圏・上盤八の字走圏で養う八卦掌体

◆第5教程:八卦掌代表手法・穿掌の実戦練習「三穿掌」

◆第6教程:螺旋功(龍玉遊掌・左右分掌・分開旋掌・翻身旋掌)で螺旋の意識を練る

◆第7教程:「推磨式基本功」によるけん制翻身攻撃の基本

◆第8教程:仆腿功とバランス功

◆第9教程:連歩連動・跟歩と単繰手「進歩穿掌」・回身老僧托鉢式による転身発力(発勁)

◆第10教程:退歩連動と単繰手「風輪劈掌」

◆第11教程:八卦掌敵前変化身法の基本(半斜翻身・外転翻身・内転翻身)

◆第12教程:「下搨掌」・「仙人観棋掌」で定式八掌の基礎を学ぶ

◆第13教程:「推磨掌」・「托天掌」で学ぶ定式八掌・力を伝える意識

◆第14教程:様々な姿勢の定式八掌(1)(叉子掌・指天画地掌)

◆第15教程:様々な姿勢の定式八掌(2)(陰陽魚掌・白猿献果掌)

◆第16教程:開門式・閉門式と老八掌「単換掌(たんかんしょう)」動作解説

◆第17教程:老八掌「双換掌(そうかんしょう)」動作解説

◆第18教程:老八掌「順勢掌(じゅんせいしょう)」動作解説

◆第19教程:老八掌「劈手掌(へきしゅしょう)」動作解説

◆第20教程:老八掌「下搨掌(かとうしょう)」動作解説

◆第21教程:老八掌「背身掌(はいしんしょう)」動作解説

◆第22教程:老八掌「順歩掌(じゅんぽしょう)」動作解説

◆第23教程:老八掌「三穿掌(さんせんしょう)」動作解説

◆第24教程:対多人数遊撃戦の身法によって用いる遊撃八卦刀・基本

◆第25教程:移動遊撃戦の渦中で繰り出す遊撃八卦腿法

 

◇受講代金

【一般受講門下生料】

単一教程ごと受講の場合:一教程ごとに2,200円(税込)

全教程(2教程)一括受講の場合:42,240円(税込) ※全教程を単科受講した場合の2割引き

※単一教程ごと受講でも、第1教程から受講してもらいます。

※単一教程ごと受講後、やはり残りの教程を一括して受講したい場合は、残りの教程に一括受講割引を適用します。

(例1)一般の方が、3教程まで受けたが、残りを一括で申しこむ場合:22教程×2,200円×0,8=38,720円

【学生特典:中学生までの学生の受講門下生料金】

単一教程ごと受講の場合:一教程ごとに1,100円(税込)

全教程(25教程)一括受講の場合:19,250円(税込) ※全教程を単科受講した場合の3割引

※学生証の提示が必要となります。申込フォームにその旨を記載し申込後、当門メールアドレス宛にスキャン、もしくは写真などで撮影した画像をお送りください。

※単一教程ごと受講でも、第1教程から受講してもらいます。

※単一教程ごと受講後、やはり残りの教程を一括して受講したい場合は、残りの教程数に一括受講割引を適用します。

(例2)中学生以下の方が、3教程まで受けたが、残りを一括で申しこむ場合:22教程×2,200円×0,7=16,940円

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八卦螺旋功2「分開旋掌」:人・自分を守るための第一歩。護衛護身武術「八卦掌」基本講座

◆トップページ◆ブログ「対多人数遊撃戦八卦掌という護衛護身法を求めて」トップページ◆カテゴリー「八卦掌水式門の「強くなる動画」速報」トップページ>◇<八卦螺旋功2「分開旋掌」:人・自分を守るための第一歩。護衛護身武術「八卦掌」基本講座/p>

分開旋掌とは

分開旋掌は、払う・つかむの意味を含んだ、内から外への螺旋動作で行う螺旋功です。

内から外へ螺旋をかけながらかき分けつつ脇下までもっていき、脇下から手のひら上にした状態の穿掌で突き出し、またかき分ける・・・の動作を繰り返します。

分開旋掌には、敵の攻撃を払って、次の攻撃につなげる意味と、敵の手をつかんで動きを制御し、大きな打撃をくらわす意味が含まれています。

分解旋掌・片手練習

内から外へ、払う・つかむを意識しながら大きく回します。

脇下に手のひらを上にして置き、そこから胸前を横切って斜め前に出し、出し切った場所から、大きくかき分けるようにして後方へ回し、再び脇下まで戻します。

前方よりも後方・側面へ回す際の円の半径の方が大きいくらいであることが分かると思いますが、それは後方・側面からの敵の攻撃にも対応し得る動作であることを示しているのです。

脇下に手を置く際は、しっかりと手のひらを上にして穿掌を作りましょう。螺旋のかかっている感覚を腕に感じやすくなります。

分開旋掌・両手練習

両手同時行う際は、腰の回転で腕を出す意識で行います。

腰の回し方は、翻身旋掌や推磨式基本功における腰の回し方と同じです。ただ単に回すのではなく、「たたみ折りながら回す」意識で行います。

かき分け動作を終えて脇下へ手をひるがえして穿掌を作って戻すと同時に、もう一方の手を脇下から斜め前方へと突き出し、そしてかき分け動作に入っていく・・・を繰り返します。

両手同時の練習では、動作の意味を理解するよりも、たたみ折る腰の回転と、腕の動きの滑らかな連動を目指します。

腰と腕の連動に気を取られ過ぎて、腕に螺旋のテンションをかけることを忘れないようにします。かき分けのあと脇下に戻す際は、しっかりと手のひらを上にした穿掌を作るように心がけましょう。

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八卦掌基本功1「回肩功」:人・自分を守るための第一歩。護衛護身武術「八卦掌」基本講座

◆トップページ◆ブログ「対多人数遊撃戦八卦掌という護衛護身法を求めて」トップページ◆カテゴリー「八卦掌水式門の「強くなる動画」速報」トップページ>◇八卦掌基本功1「回肩功」:人・自分を守るための第一歩。護衛護身武術「八卦掌」

毎日行うことで肩の可動域を開拓し射程距離の伸長につなげる

「回肩功」は、八卦掌独特の基本功ではありません。腕を激しく伸ばしたり振ったりするような拳法流派で、よく見られる基本練習です。その名称は、各拳法流派によって異なっています。

八卦門においても、流派によって言い方が異なりますし、動作に若干の違いも見られます。しかしここで示す方法だと思ってもらって構いません。

回肩功では、肩を回転の元として、おおきくゆったりやや大げさに回します。この単純な動きを、練習を始める最初に行います。

このような、身体の各部位を動かす練習は毎日行うのがベストです。各功とも、多くの時間を割く必要はありません。サッと行うだけでもいいでしょう。

私が毎日練習開始前に行っているのは、以下の基本功(名称は一部オリジナル)です。

  • 回肩功
  • 伸肩功
  • 螺旋功(龍玉遊掌)
  • 仆腿功(仆歩功)
  • 金鶏独立功(バランス功)
  • 推磨式基本功(推磨式五法)

日頃から肩を可動域一杯に回すことで、有事におけるとっさの防御反撃の動作の中で肩が攻撃の動きの速さ・精度を邪魔することがなくなります。

そして何より、肩を柔軟にしておくことで、穿掌を放つ際の射程距離が格段に伸びます。その差五センチも。「なんだ、たったの五センチか?」と思われた方は、間合いの重要性についてもう一度考えてもらいたい。

五センチの差で当たる、当たらないが決まったらどうでしょうか。当たらなければダメージは一切ない(穿掌に対する脅威は感じるかもしれないが)が、当たれば大きなダメージを与えることができる。

それは当たりまえのことではありますが、その違いで倒すことができた相手を倒すことができなかったら、特に対多人数戦で一人でも人を減らしたい場面では、倒すことできなかった相手によって後々大きなマイナスの結果が生まれるかもしれないのです。

ですから、射程距離を大きく取るような武術では、肩の可動域を伸ばす基本功(回肩功や伸肩功など)が発達しているのですね。

「開・合」を意識して目いっぱい大きく行う

動画中では、腕の動きを使って肩を回す動作を助けていますが、肩のみで行う場合もあります。皆さんのやりやすい方で取り組んでください。初学のうちは、腕を使って肩の回転を助ける方法がやりやすいでしょう。

回肩功の目的は、肩の可動域を開拓して、自在な動きを得る、もっと具体的に言えば、肩をフレキシブルにして穿掌の射程距離を少しでも長くする、というものであり、その点からも練習時に「大きく大げさに」は理にかなっています。

回肩功で重要な内的意識は、「開・合」の意識。大きく肩を回している場合、後ろ方向に回しきっている場合を開、そして前方向に回し戻してきた場合を合、というように、肩を回すことによる胸の開きと閉じを意識します。

多くの技は、開と合をもって、動作が始まりそして完結します。よってこの「開」「合」の意識を養うことは大変重要であるのです。

動画中の回肩功では、両手指を肩の起点に置き両肩を同時に同じ方向へ回す方法、両肩を違う方向へ回す方法、左右の肩を互い違いに方向を逆に回す方法、腕を伸ばして行う片腕づつ行う方法、そして両腕互い違いに同時に行う方法を紹介しています(方法はほかにもありますが、これだけでも十分です)が、すべてに開・合の意識を伴わせます。

両腕を互い違いに違う方向へ、同時に回す回肩功では、膝の動きも伴わせると、腕の動きが安定しかつ可動域目いっぱいに回すことができます。

回肩功は、拳法の本格修行者のみならず、健康志向で拳法に取り組みたい方にも大変お薦めする基本功となります。その際は、ゆったり大きく、ゆっくり行うことで、身体に負担をかけず行います。

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八卦掌基本歩法2「扣歩(こうほ)」:人・自分を守るための第一歩。護衛護身武術「八卦掌」基本講座

◆トップページ◆ブログ「対多人数遊撃戦八卦掌という護衛護身法を求めて」トップページ◆カテゴリー「八卦掌水式門の「強くなる動画」速報」トップページ>◇八卦掌基本歩法2「扣歩(こうほ)」:人・自分を守るための第一歩。護衛護身武術「八卦掌」基本講座

扣歩について

擺步(ハイ歩)とともに八卦掌の遊撃戦性を支える筆頭格の歩法が、「扣歩(こうほ)」となります。

八卦掌水式門では、擺步と扣歩は、歩法という枠を飛び越えて、水式門入門後一番最初に指導する最重要基本です。

その役割は、以下に挙げる通り、多岐に及びます。

  • 敵の脚を引っかける
  • 敵の脚を蹴飛ばす
  • 敵の蹴り技を防ぐ
  • どんな態勢からでも打つ。その時間合いを詰めるための基本歩法として用いる
  • 鋭い転身動作を可能にするための、起動歩法にする

八卦掌水式門の八卦掌は、対多人数戦時において、どのような状況下であっても、一つの場所にとどまらない徹底した移動遊撃戦と敵に対するプレッシャーを保って攻撃させない、が大きな戦闘スタイルとなっています。


そのスタイルを実現するために。

まず、こちらの出す蹴り技は移動を妨げるものであってはなりません。

そして、敵が蹴りを出して応戦してくるのは、こちらの動きを止めるため。よって、動きを止めない防御をしなければなりません。

加えて(これが最も重要)、敵がそもそもこちらに自由に攻撃することができないようにするために、どんな態勢からでも、接近している(わずかな)時間中は、手を出して相手になんらかの防御をさせ、攻撃をやめさせる必要があります。

後ろや側面から迫ってくる、眼前の敵以外の敵に対して、臨機応変に転身動作をしてけん制する必要もあります。

これらの必要事項を前提に、扣歩の役割と用い方を説明していきます。動画の中では、それらの点について触れていますが、ここで当ブログを読んでくださる方に、もっと詳しく説明をしたいと思います。

動作解説

「扣(こう)」には、中国語で(ボタンなどを)かける・留める・はめる、という意味を持っています。その意味の通り、扣歩の第一の用法は、相手の脚を引っかけること。

この用法は、私が説明する前から、八卦掌に興味のある人であれば知っている可能性が高いくらい、有名な扣歩の代表的用法となります。

もしあなたが、八卦掌を遊撃戦武術として捉え、実行したいのであれば、扣歩で相手の脚を引っかけるためにわざわざワンモーション用意するのは止めておきましょう。

相手は、動作の止まった眼前敵からの下腿蹴り(ローキック)など、いくらでも対応できます。足を少し前に出せば、こちらの扣歩蹴りの攻撃軌道などいとも簡単にふさがれてしまいます。

よって、半斜翻身で相手の眼前で急速に逸れたり、鋭く伸びる穿掌などの射程距離の長い突き技で動きつつ、気持ちを下腿周辺からそらして扣歩でひっかけます。

移動による慣性が脚にかかっているため、引っかけることに成功すると、相手は思い切り態勢を崩すか、足を激しく痛めることになります。

この場合、発勁や、螺旋など、難しい意識など考えなくても大丈夫です(移動遊撃戦がある程度できるようになっているころは、八卦掌の勁放出や螺旋意識などは、考えなくてもできるようになっている。そもそもこれらは難しくないから、心配しなくていい)。

実は「扣」には、中国語で、かぶせる・当てはめる・レッテルを貼る・(罪を)かぶせる・拘留する・差し押さえる・(物を物理的に)押さえる、という意味があります。

私が八卦掌で遊撃戦スタイルを確立したのは、この中国語の意味を知ったことが大きかったと思います。それまでは、「ひっかける」という用法しか知りませんでした。

遊撃戦では、敵は我の移動を止めるため、ある程度戦いの時間が押してくると、蹴り技を出してくる。対多人数で不利な状況下では、相手の蹴り技術が未熟であろうとなかろうと、大変な脅威となります。

「扣」の意味を知り、「足で相手による下腿部への蹴りをかぶせて、もしくは押さえてしまえば、移動を止めてブロックせずとも防ぐことできるのでは」と思い付き、実行したら、十分対応できることが分かりました。

相手の蹴り技に対する「かぶせ方・押さえ方」は、扣歩で押さえるだけではありません。半斜して擺步で防ぐ方法もあるし、トウ脚で蹴り返す方法もあります。

しかし、扣歩によるかぶせ防御は、流れを一層妨げない自然の防御として、最も習得しやすいものでした。遊撃戦における蹴り技防御に興味のある方は、是非とも練習してもらいたい。動画中で少し触れています

遊撃戦では、単独で入り身の練習をしている時よりもはるかに激しい移動慣性が働きます。これを当門では「身体流(からだながれ)」と呼んでいます。

遊撃戦スタイルを会得するためには、この身体流を克服しないといけません。しかし身体流が生じることは、悪いことばかりではない。身体流が我に生じるということは、遊撃戦をする我を追いかける敵にも、身体流が生じています。

私たちは、事前に身体流がかかることを知っている。よって平素から、身体流が生じた状態で敵に移動しながら攻撃を当てる練習をしている。相手は身体流に対応できてない以上、こちらが対応する技術を持っているならば、身体流が生じる現実は、逆に有利となります。

身体流が生じていても、敵から大きくそれず、技が届く距離にしっかりとコントロール可能な状態を保って移動し続けるには、よりストレートな内転動作が基本の「扣歩」が大きな力となってくれます。

攻撃や防御で、敵から身体が逸れた際、その位置から攻撃するためには、扣歩で移動を内転方向へ導き、穿掌などで斜打します。この技術は何度も練習する必要がありますが、ある程度マスターできたならば、どんな態勢からでも手を相手に伸ばしてプレッシャーを与えることができ、相手に自由に攻撃させない状態を作り出すことができます。

扣歩の用い方

最後に。扣歩を、転身動作の起動動作に用いることについて。

八卦掌には、「扣歩せずして転身するなかれ」という拳訣があるくらい、扣歩を用いた転身動作の有効性が説かれています。

もちろん、扣歩なしで(例えば擺步のみで)転身することもあるし、その動作を用いた技もあります。しかし八卦掌で力を伝えるためには、この「扣歩→擺步」の動作が最もやりやすい動作であり、練習する機会も多いのです。

例)単換掌・回身老僧托鉢式・翻身拍打・回身斧脚など

また、走圏の功力が得られていない初学時における起動力向上の強い味方である「点歩」も、八卦掌に流用するならば、扣歩の変化型と言っても過言でなくなります。

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八卦掌基本歩法1「擺歩(はいほ)」:人・自分を守るための第一歩。護衛護身武術「八卦掌」基本講座

ハイ歩は、扣歩とともに八卦掌を遊撃戦スタイルせしめる歩法です。

私は八卦掌を中学生の時に始めた(その時は本で独学)のですが、動画というものがなかったあの当時でも、練習することでその有効性というものをかんじていました。

扣歩〜ハイ歩、もしくはハイ歩〜扣歩へとつながる動作は、八卦掌の技の動作をよく見ると、あらゆるところで見られます。

以前動画であげた半斜翻身は、敵の側面に半斜するときは滑らかなハイ歩、そして敵に近づいて一発目の穿掌を打つ際の歩法も、後方から途切れることのないハイ歩で前に出し、最後の2発目の穿掌を打つ際は、扣歩で接近しています。

走圏に取り組むことで得られる効果はなかなか実感できないのに対し、扣歩ハイ歩とその連動練習の成果はすぐに感じられるため、初心のうちにぜひ取り組み、修行の勢いをつけてもらいたいとおもっています。

歩法の一つとして区切ってしまうと、移動手段の一つとなってしまいますが、ハイ歩で特筆すべきは、攻撃と防御能力の高さです。

ハイ歩は扣歩よりも動作が大き目で、大きいということは力を出しやすい動きであるということです。

力が出しやすいということは、防御面では、蹴り技などの破壊力のある攻撃を真向から受け止めることができ、攻撃では、相手の脚を砕き得る斧脚をぶつけることを可能にします(斧脚も足腹部を前に出す動作のため、ハイ歩動作の中で違和感なく放つことができる)。

敵の目前で半斜しつつハイ歩で受ける防御は、考えていたのでは間に合いません。無意識に行うことができるくらい繰り返し、身体に染み込ませることが重要です。

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強くなりたい。でも練習するのすら悲しい時は。

いじめや理不尽な暴力になすすべもなく、どうすることもできないと感じた時。

そのことを考えるだけで、辛くて悲しくて、涙が止まらない時。決して楽ではなく、楽しいことばかりでもなく、成果を感じることが難しい拳法の練習は、そんなとき、とてもじゃないけど、向き合うことができるものではない。

私も、何度も何度も、そんなことを繰り返してきたんだよ。

中学生の頃から、今に至るまで。自分は何をやっているんだろう?こんなことが、何の意味を持つのか?これから先、一度も、今練習していることが意味を持つ瞬間が来ないのではないか?

愕然として周りを見渡せば、こだわったがゆえに人も離れ、誰もいなくて、練習場所ではただ、鳥が飛び、空が青いだけ。

でも、そういう時、ふらふらになりながらも立ち上がって、まずその場で八卦掌の構えをし、自分が最も得意な技を繰り出す。

泣きながらなので、身体は動かず、キレもなく、足はバタバタして定まらない。移動速度も遅い。そのふがいない動きに、ますます悲しくなってやる気をもっともっと失う。

泣けてくる。

これすらダメか、これだけやってきたものでも、このザマか!と一気に涙があふれるでもそんな気持ちになってでも、とにかく立って、続けて得意技を放つ。

どうだ!これでもか!相変わらずふがいないままの得意技。何度もスポンジ支柱を打っているうちに、スッと、いい動きができる時がある。

「こんな時でもできた」と不思議に思って、少しだけ、違う考えが湧き上がる。気が付くと、泣いていた時からずっと、繰り返して練習していた。そこでハッとなる。

いつも練習時間に比べたら、そんな日の練習時間なんてわずかなもの。

でも、そんな日でも、得意技だけだったけど、なんども繰り返し、うまくいった瞬間もあった。これで大丈夫なんです。悲しい時なんて。これでも十分すぎるくらい。

だって拳法の練習は、積み重ねていくものだから。

ある一定の、ベテランやマスターが定めたノルマをこなさなければ技術落ちる、そんなばかげたことは無い。

君は君だよ今日も、悲しくても、技をくりだしたじゃないか。

その回数たった3回?十分だよ。君は3回分前に進んだ。3回分、思い描く我の姿に近づいたんだ。昨日よりも、成長した。

悲しい時は、とりあえずその場にまず立って、心のよりどころとなっているその技だけ、打ってごらん。

そこからすべてが始まる。すぐに止めてしまってもいいから。その日、それだけでも前に進んだのだから。

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八卦螺旋功1龍玉遊掌:人・自分を守るための第一歩。護衛護身武術「八卦掌」基本講座

八卦掌は螺旋の拳法でもあり、老八掌を習うまでの間は、八卦螺旋功のような基本功でもって螺旋の勁力を養っていきます。

龍玉遊掌は螺旋功の代表的な練功法です。八卦掌水式門で指導している八卦螺旋功は、以下の4つです。

  • 龍玉遊掌
  • 分開旋掌
  • 翻身旋掌
  • 左右分掌

 

龍玉遊掌は、後ろに手を回す動作からスタートする「後ろ回し練習法」と、前方向へかき分けるような動作からスタートする「前回し練習法」があります。

最初は片手で螺旋の意識と正しい動作を学び、のちに両手同時に行います。

型通りの用法としては、後ろ回し練習法は、①後方に手を回して防御し、②はたいて打ち、③反動を利用して手刀攻撃や平穿攻撃をする、です。

前回し練習法は、①跳ね上げて防御し、②かぶせて打ち、③かき分けながら攻撃する、です。

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「穿掌」なんかで打ったら、突き指しませんか?

初学者がいきなり穿掌を放つことは無理があります。八卦掌水式門における穿掌は、私より2代前の師である、馬伝旭先生の考えにのっとっています。

つまり、走圏における下搨掌の姿勢で、指を目いっぱい反り返るくらいまで伸ばし、意識と力を指先のみに集中させる練習(くせ)をすることで、強い指先が出来上がるからです。

その状態となって初めて、ちゅうちょなく穿掌を相手に向かって放つことになります。

いくらこの練功法をとっても、木や鉄などの固いものを打つことはできません。試し割りなどは八卦掌では行いません。

あれはデモンストレーションの意味合いが強く、実戦では重要ではないからです。

よって、鉄砂掌や少林鉄観指などの、固いものを打って指の強さを得る練功法もしません。

これらの練功法は、効果も上がるのは高いが、日常生活に大きな影響(マイナスの影響)もあるため、現代社会を生きる私たちには現実的な練習とならないからです。

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