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紛争地・辺境地にも転掌が広がっていく通信講座戦略

私の中には、明確なイメージがある。そしてそれは、常に思い描かれているものであるため、どんどんリアルになっていく。

舗装されてない、山の斜面の少しの平地っぽいところ・・・ここはアフリカだろうか。そこで、黒人の先生が、そこにいる少年たちに、転掌の転掌式を教えている。そこの村は、紛争の緩衝地帯だから、命を守るための技術を学ぶ時間は、当然のこと。

少年たちが、少女たちが、はだしで広っぱをかけめぐる。笑いながら、叫びながら、時に、そこらに転がっている折れた木の枝をもって、刀代わりにして。ああ、あの技は単換刀だ。少し打ち方が小さいな、もっとするんだ、って、先生が教えている。その先生も、あまりうまくなくて、自分が乗り出して、教えたくなる。「刀を敵との間に入れろ、そして引き斬りをするんだ!」って。

こんな紛争地の片隅にも、転掌が広がっているのか。ここまで広がったか。もっともっと、広めないといけない。

彼らは言う。「ハケショー」っていったり、あちらの国の辺境では「テンショー」って言ったり。なぜなら、私に習った元弟子の先生が、自分の好きな名前で教えているからだ。よく見ると、世界各地にいる先生の技も、細部が違う。

私はその映像をみて、泣けるくらい嬉しくなる。ここまで理解してくれたか、しっかりとマインドは伝わり、自分の好きなようにおしえてくれてるんだなって。

私は、その世界に住んでいる。転掌が世界に広まった世界に、もう生きている。もうすでに、見ている人は、日本人だけではない。リアルに世界に広まり続けている。

こんな責任ある立場になってしまった。ここで引くことなど、もうできない。私の周りの環境の変化によって、この広がりを送らせてはならない。そのために軍師殿と相談して、どこでもどんな状況になっても広げ続けることができる、「通信講座」に 力を入れてきた。しかしその時、「道のりはきっと平たんじゃないよ」と覚悟し合った。

最初は笑われた。何言ってんの?武道は、対人だよ、どうやって人と練習するの?って、笑われた。その言葉に気持ちが弱くなり、心の底からうまくいくことを信じることができなくなった。失敗、失敗、失敗。

現在の通信講座は、当然の自信作である。2月より開講した女性護身術専門の通信講座だ。

最近は、通信講座立ち上げ初期に見られた批判はなくなった。それは批判者が私を認めたからではなく、何度も何度もバージョンを上げ、トライし続けたからである。

何度もトライした私は、武術の通信講座では、先人なのである。私は真剣に考えている、通信講座による普及を。高度な深奥に近い技法は届けられない。しかし初期段階ならばできる。そこに焦点をあて、対象者も絞って、この2月に臨んだ。

なぜここまでやるのか。冒頭のイメージが、頭から離れないからである。少年たちが、衛生面も良くなさそうな環境の中で、身一つで単換掌を練習している少年たちの姿がイメージされるから。つたない技術であっても、転掌の先生として教える青年の笑顔から見える白い歯が、あまりにリアルにあるからである。

通信講座であれば、きっとその知名度は日本全国にとどろく。なぜなら、最大のネック、金沢への訪問が無いからである。

「金沢」というだけで、多くの人間が対象から外す。しかしそれがないから、全国の潜在的転掌ファンが、私の文を読むのだ。皆が迷うようになる。水式館が広告を打っているのは、「知名度」という資産を買っているためである。その資産はどんどん積み重なっている。止まらない。

金沢周辺だけで、こそこそやらない。対面に一切こだわらない。土台を広げ(日本全国対象)、シンプルにして習得の敷居を低くし、そこで再度、広告を打つのだ。教室の生徒募集の広告じゃない。全国に向けて、本と通信講座の宣伝を通して、水式館の気迫を見せるためだ。

伝えるものには、揺るぎない自信がある。先ほどの辺境地での指導では、きっと多くの人間が、その命を守る切り札とするだろう。先進国の路地裏で、多くの女性が、その身を、息を切らしながら守ることだろう。

すべては、ある弱者の少女の涙から始まった。その涙の一滴は、一見平和そうに見えて実は弱者の泣き寝入りで穏やかに見えていた水面に、いつまでも消えない波紋を起こし続けている。

それは今も、この瞬間もだ。その波紋は、その穏やかな水面から、水辺を通り越して津波のように、世界に届き続けている。私はその流れを、決して止めるつもりはない。私の肉体が滅んだ後も、その波紋を起こし続けるための作業の具体的なものが、この通信講座戦略である。

軍師曰く

「それこそレガシーで。それこそ、世界が救われ、先生が救われ、少女がそこにいたことを証するもの」

遺していく。通信講座は、そのための手段に過ぎない。その一手段をきっかけに、各地で伝承者が発生し、その点が海を渡って各国に伝わり・・・・あの山の斜面で、少年たちが、はだしで転掌を練習しているのである。

八卦掌水式門富山本科イメージ