胴着を機て打ち合うだけが実戦経験じゃない

とは満点の無いものである。そしていつも、後になって「ああすればよかった」と思うものである。

私も、私の子らも、多くの実戦経験を積んだ。それは人間相手で会ったり、獣相手であったり。

離していて分かることは、後になって誰もが、「もっとああすればよかった」と思っていることだ。

実戦経験は、突然やってくる。なんの前触れもなくやって来る。私は、なんの前ぶれもなくやってくる突然の極限を、弟子らにも少しだけ味わってもらいたいと思っている。

そのために、練習中に、突然、緊張する場面を用意する。今回の講習会では、複数人がいたため、突然、多人数戦を経験してもらった。

きっと、それなりに緊張したはずである。私自身、多人数組手をする予定であったが、いつ披露するかは全く決めないで臨む。公園内の人の流れ、周りに人が居なくなったタイミングなど、いつ行うかきめられないこともあるからだ。

そして自分が襲われる側となると、近くに人が寄ってきたことが分かりにくくなる。完全に周りに人がいなくなった状況でないと、できないのだ。そしてベストのタイミングが来たときに、突然、多人数戦を行う。それは、模範を示す立場にとっては大変なことなのである。模範を示す以上、いつでも、模範の動きを見せなければならない。いつ多人数戦の模擬を行うことができるか、分からない。そして、タイミングが来たら、どのような状況であっても、ベストの状態で多人数戦の模範を示す必要がある。

それを実現させるためにはどうしたらいいのか。先ず第一に、いつでも動くことができるよう、毎日練習することである。そして、体重をふやさないなどの身体管理をすることである。そして究極的に、どのような状況であっても、敵の急襲に際し、敵の力の反対側へ移動し、郷里を創出することができるように、基礎練習を繰り返すことである。

この私の教えに、最も忠実に取り組んだのが、弊館一番弟子である。その準備が危機を引き寄せてしまうのだろうか?彼女は何度も、時に命に、時に関わる対応を経験している。

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