無料体験ではなく、有料仮入門で技術を学び判断すること

八卦掌水式門では、無料体験制度を設けてない。

無料体験制度を設けると、無断キャンセル者が大量発生するからである。

無料でしか来ないからといって、その中にも将来有望な者が・・・・だから修行の機会を、という意見もあった。

だが、無料体験を設定することによって生じる、圧倒的多数の非常識人間に時間をとられる方のが大問題である。

真面目に修行に取り組む者に力を注ぎたい。課題や超えるべき壁を越えるべく向き合う者に情熱を注ぎたい。

無料でしか来ない。体験もないのかよ、と文句を言う。仮入門期間中に払う5,000円程度の金額を出し惜しみ、極力お金を使わないようにする姿勢を見せつける。この手の人間は、人に何かを教わる姿勢がそもそもない。お金を払うのだから、教えて当然、と考えている。

師弟関係によって脈々と受け継ぐ武術の伝承形態をまったく理解してない。命がかかる殺傷技法である。指導した人間がならず者であれば、教えた先生や、学んだ者の周りの人間、その他関係に無い人を、ならず者の弟子が傷つける可能性がある。

シリアスで人の命に関わる技法の伝承だから、これほどまでに教える人間を選ぶのだ。出し惜しんでいるのではない。誰それ構わず教えることによる弊害に、伝統門指導者は責任もって向き合う必要がある。

水式門では、最低限に護身ができるまでの技法を、サイト上や弊門Youtube動画にて公表し、独学ですら可能なくらいまで公開指導している。流麗華麗な技を、足さばきなどの肝心な部分を見せずに実は道場の宣伝目的で挙げている動画と、一線を画す。

その中で、技法の内容や、私自身の動きの質・身体の体軸レベルなどは事前に分かるはずである。自分の技術レベルはそこでおおよそ推しはかることはできるであろう。

それでも「5,000円の月謝を払う価値があるかわからない」と映るなら、その人にとっては、私の伝える技法は、5,000円の価値すらも無いのである。価値を見いだすことができない者に、修行の継続は難しい。

膨大な時間を、修行に費やしてきた。会社に正規雇用で籍を置き、皆が楽しむことを一通りしながら、そのついでに空いた時間で練習を・・・ではない。仕事も最小限に抑え経営と練習ができる環境を、何年もかけて準備しそして時機到来後実行した。家族をかえりみること以外はその時間のほぼすべてを、八卦掌の修行と水式門の運営・指導に費やしたのである。

八卦掌に向き合った時間は「誰よりも」かは不明である。しかし、自分の中では最大限に、出来る限り、いや、経済的に追い詰められる状況があっても、向き合ってきた。「誰にも負けない」と胸をはって言える。

なんとなく八卦掌がよさそう、とか、始めたばかりで他の武術と天秤にかけ、どちらもつかずでスマートにこなす(本人はそう思っている)愛好家の人間に、出し惜しみをされることは極めて心外である。そのような人間に教える技法は、ここにはない。数千円程度の金額が惜しいなら、無料体験制ある教室に行き、想いを遂げればよい。

水式門では、有料仮入門期間中も、それが八卦掌である以上、使えないシロモノを伝えない。家に持ち帰って真摯に練習すれば、その身を守るための基礎となるものを真剣に指導する。

一度でも弊門を訪問したことがある人間なら、指導内容がシリアスなものばかりなのが分かるはずだ。ブラックボックス化し、よくわからない例えでお茶を濁す指導はしない。具体的な術理と、拳法成立背景の説明により、「八卦掌の目的」から導かれる理由で明快に指導する。

仮入門生にも、真摯に向き合う。本門生と同じように接し、指導する。命を賭けた技法なのである。当然である。

ここまで真剣なのである。時にわが命を守り、時に大切な人を守る護衛護身の技術だから当然である。そのような技法を、無料でライトにポップに指導などしない。

怒鳴ったり、殴ったり・・・そのような指導は、中国拳法界では行われない。許されない。弊門でも決して行わない。しかし、中国拳法界の伝統に従い、不真面目な者にはそれ以後の内容を指導しない。上達しなければ、その先を指導しない。そこは理解してほしい。中国拳法界の厳しいところはしっかりとあるのだ。

日本の道場であれば、不真面目者には先生がその点を指摘し、改善を促してくれる。しかし中国拳法の指導の場では、そんなこと言われない。上達しない者は、いつまでたっても何も教えてもらえない。これは、先生から大目玉を喰らうよりも、はるかに怖いことなのである。

私の八卦掌の先師・馬傳旭先生も、この厳しさがあったと、我が師より何度も聞いたことがある。上達しない者には、いつまでたってもその先を指導しない。わたしだって、何年もたってからは初めて、師に老八掌の単換掌を教えてもらったのだ。

八卦掌水式門における、無料体験制不採用の意味を理解していただけただろうか。

弊門は、職業武術家である私・水野義人が指導する、八卦掌専門の伝統門である。お気軽に、ライトに、楽しく気軽に、と考える愛好家には、不向きな道場である。

しかし、身体能力などがなくとも、真摯に練習するならば、こちらも真摯に指導する。

なぜなら、毎日真摯にコツコツと継続する者こそが、達人になる才能のある者だからである。ちょとばかし飲みこみが良くとも、継続して積み重ねない者は、決して達人になることはない。

八卦掌に向き合い、上達を願う者よ、その熱意と、大切な自分・大切な人を守りたいと願う優しささえあれば、私は大歓迎である。そのような者との出逢いが、とても楽しみである

八卦掌水式門富山本科イメージ

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