緒戦の過ごし方~襲撃者の言うことは全部無視しろ

緒戦の過ごし方は、技術を習うのと同じくらい重要である。

緒戦の過ごし方は、実際に戦った者から聞くのが一番である。実際の戦いを経験した者として、緒戦行動で真っ先に伝えたいことを示す。それは「襲撃者の言うことは全部無視しろ」ということだ。

絡まれたり、因縁をつけられると、襲撃者はいろんなことを言ってくる。しかし皆、無視しろ。例外はない。雑音であり、聞いても何の得もないのだ。

我々は転掌を習得しようとするものである。その戦い方を信じよう。じっと敵を見つめ、一定の距離を保つ。言葉は常に無視しろ。答える必要なんてない。とにかく、動きに注目せよ。

そして少しでも近づいたら、声のトーンがあがったらなど、の変化が生じたら、すぐさま斜め後方へ移動せよ。その後は、練習してきたことを実行すればいい。かわし続けよ。けん制攻撃をして、敵の足を止めよ。何回もかわし続けよ。ひたすら追いかけてきても、焦るな、きっと足は止まる。

けん制攻撃が当たっても、遠慮するな。過剰防衛にはならない。ケガの責任は、絡んできた相手が負う必要があるからだ。

あなたは窮地におちいることはない。転掌護身術は、そのすべてを考慮している。襲撃者にけがを負わしても、それは後方への移動による「致し方ない」防御行動の中で起きたものだ。

襲撃者の言うことに、少しも正当性はない。全部無視。あなたは、日頃練習してきた対敵法で、襲撃者をやり過ごし、離脱することだけに集中せよ。それだけで、あなたの護身成功の可能性は、ぐっと高まるのだ。

私が警備員の時の経験を話そう。夜間の閉鎖時間を過ぎた公園に、車が停まっていた。私は退出をお願いしたが、それが気に入らなかったらしく、なにやら大きな声を上げ、警備員は犬だ、とか騒ぎながら追いかけてきた。

私はその言動を一切無視して、警察に通報した。警察に通報する間、ずっと追いかけられていた。走りながら、110番通報をしたのである。追いかけられている間、ずっと罵声を浴びられていたが、全部無視して、通報と回避行動に集中した。

通報が終わるくらいで、敵(そのおじさん)の足は止まり、息を切らせながら、またこちらに大声で騒ぐ。私はずっと無視をしながら、おじさんの動きに集中する。近づいてきたら離れる、それを警察が来る15分の間、繰り返した。

ここでおじさんの話に答えたりしたら、私の動きは鈍り、かつ通報もできなかったであろう。転掌の距離をとる戦法がうまくいったのである。

けっかてきにそのおじさんは、飲酒していたため、その駐車場から動けなかったようだ。施設管理者たる警備員を追いかけまわしたため、警察署に連行されたが、ケガなどは双方していないため、大事に刃ならなかった。最もうまくことが済んだ、事例であろう。

敵・襲撃者・不審者の言動は無視して、動きに集中することだ。少しでもこちらに近づいてきたら、斜め後方スライド転身技術で距離を創る。追いつかれそうになったら、手を出して足を止める。それでいい。実戦の中でそれを行えば、それだけでも震えるくらい緊張するはずである。

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