緒戦の過ごし方は、技術を習うのと同じくらい重要である。
緒戦の過ごし方は、実際に戦った者から聞くのが一番である。実際の戦いを経験した者として、緒戦行動で真っ先に伝えたいことを示す。それは「襲撃者の言うことは全部無視しろ」ということだ。
絡まれたり、因縁をつけられると、襲撃者はいろんなことを言ってくる。しかし皆、無視しろ。例外はない。雑音であり、聞いても何の得もないのだ。
我々は転掌を習得しようとするものである。その戦い方を信じよう。じっと敵を見つめ、一定の距離を保つ。言葉は常に無視しろ。答える必要なんてない。とにかく、動きに注目せよ。
そして少しでも近づいたら、声のトーンがあがったらなど、の変化が生じたら、すぐさま斜め後方へ移動せよ。その後は、練習してきたことを実行すればいい。かわし続けよ。けん制攻撃をして、敵の足を止めよ。何回もかわし続けよ。ひたすら追いかけてきても、焦るな、きっと足は止まる。
けん制攻撃が当たっても、遠慮するな。過剰防衛にはならない。ケガの責任は、絡んできた相手が負う必要があるからだ。
あなたは窮地におちいることはない。転掌護身術は、そのすべてを考慮している。襲撃者にけがを負わしても、それは後方への移動による「致し方ない」防御行動の中で起きたものだ。
襲撃者の言うことに、少しも正当性はない。全部無視。あなたは、日頃練習してきた対敵法で、襲撃者をやり過ごし、離脱することだけに集中せよ。それだけで、あなたの護身成功の可能性は、ぐっと高まるのだ。
