月別アーカイブ: 2024年1月

女性護身術科の失敗~3年間最大の成功は、3年間失敗し続けたこと

2024年1月27日の女性護身術科の開講に向けて、試行錯誤を繰り返し、誰でも真に護身ができるように、試してきた。

しかし応募は一切なく、これを読んだ人間なら、女性護身術科は「失敗」ととらえるだろう。そうだろうか?

多くのものが残った。開講に向けて、女性門弟たる子供らと試行錯誤を重ね、真の女性護身術をまとめ上げた。女性護身術科を開講しなければ、ここまで完成度の高い護身術はできなかったであろう。

まだ改良の余地はある。それは実感する。しかし、現時点でちまたの女性護身術の次元を超えたと自信がある。全く問い合わせがなかったのは、あまりに弊門の女性護身術が、ちまたの女性護身術よりもリアル・実用的で先を行きすぎていて、理解できなかったからだ。

年初からの「失敗(経験値が上がった出来事)」で、顧みる機会があった。八卦掌水式門を本格的に始動させ、サラリーマン武術家でなく、職業武術家として歩み始めてから、間もなく3年が立とうとしている。

人生最大の悲しみを経験した3年前から歩んできて、世間一般の物差しで測るなら、「失敗だらけ」だった。

振り返ってみて、この3年間、上手くいったことって、なんだっけ?とふと思ったので考えてみた。

意外とすぐに頭に浮かんだ。

それは、職業武術家として後戻りできない環境の中で、3年間、失敗し続けたこと。これってすごいことだ。

手放し失った数多くの物、背負った負債、崩した体調、去っていった人間、自ら絶ち切った人間関係・・・持っていたもの・ことを失ったのがあまりにも膨大で、それだけを見たら、私は完全な敗北者となろう

しかし、ここまでしても職業武術家としてこの場にとどまり、誇りと技術を磨き上げ、そのおまけに、納得できる情報発信の場まで、創り上げた。

私が目指していた理想の技術を一層磨き上げ、堂々と自信を持って発信できるまでに至った。

これらは失敗する中で、得たものだ。そして、「失敗」ごときであきらめなかったから得たのだ。「やっぱだめだわ」といって諦めたら、これらの最大副産物を、一つも得ることはなかっただろう。

2年半前くらいに、一度、追い詰められた者として、追い詰められている君へ、メッセージを送ったことがある。見てくれただろうか。あの最高傑作の動画を。

あの時、動画の中で、あきらめない、決してあきらめない、と誓った。それ以後、罵倒をうけたり、笑われたり、見下されたりもした。辛いこともあり、泣いたこともあった。

でも誓い通り、私は今でも、この場に踏みとどまっているぞ。約束は守った。君に宣言した約束は守った。

そしてこれからも、この誓いは変わらない。私の最大の武器は、「鉄の意志」だ。なんたって私は、八卦掌の達人であると同時に、「意志の強さの達人」なのだから。

失敗してもやり続けたおかげで、上手くいかなくても動じないマインドを手に入れた。

追い詰められても、職業武術家として、プロとして、練習だけは全力でやりぬいてきたため、そこから揺るぎないプロ意識がつちかわれた。私が自分の技術を、無料で垂れ流さないのはそのためだ。こび売って安売りしないのはそのためだ。

私の技術を学ぶ際に、常識的設定の水式門の月謝代金すらも出し惜しむ人間がいたが、文句なく去らせたのは、揺るぎない誇りがあったからだ。ケチるくらいなら、さっさとどこか行ってしまえ。

君も失敗しているだろうか?

何度つまずいてもいい。練習した技術を自信にして立ち向かい、倒されてしまうかもしれないが、それも構わない。

やり続けてみることだ。

もし怖いなら、私と一緒に、失敗していこう。私はこれからも挑み続ける。死ぬまできっと挑み続けるから、失敗は避けられまい。私と一緒なら、怖くないだろう?

失敗を乗り越えた先の景色は、辛いことも多いが、心地いいぞ。乗り越えた先でも、失敗や悲しみのマイナス要素はある。しかしそのたびごとに、君の顔つきは変わってくる。私のように。

その境地、そこの景色、その心地よさを、味わってみたくないか?

味わってみたいなら、この瞬間から、水野と一緒に歩き出そう。

恥ずかしい話、私も昨日、お金やら事業の未来やらいなくなった人への寂しさやらで不安になり、一人布団の中で泣いていた。でも立ち上がって、とりあえず何か前に進もうと思い、「遠隔地生科・護身術通信講座科」の解説ページをまとめ、立ち上げた。

この行動が己を上に引き上げるための 最重要行動となるのだ。そしてまた一つ、可能性が生まれた。八卦掌水式門が、全国にその技術を伝えるための、新たな可能性を生んだのだ。

女性護身術科。私が最も経験を積んできた、女性護身術の分野。多くの女性門弟を掌継人に導き、そのうちの一人は、水式門最強の筆頭門弟となった。護身術拳法・清朝末式八卦掌を、愛知の女性は学ぶ絶好に機会であったのに、失ったのだ。なんとももったいないではないか。

悔しさもあるが、やり切った実感はある。一連の女性護身術科最後の仕事だ、本日10時30分、刈谷総合運動公園バス停横芝生啓がに立とう。そこで、職業武術家としての誇りを、再確認しよう。

失敗し、また一つやり切った誇りを積み上げ、また何のためらいもなく次の手段を打ち出し、可能性をつなげる。それを繰り返す水式門の目標が、叶わないはずがない。

きみも、今回の私の「失敗」という名の経験を、参考にしてもらいたい。上掲の動画の気持ちはまったく変わっていない。

あきらめるはずがない。前に進むだけだ。君も、取り返す予定なら、一緒に前に進もうではないか。迷わず、水式門の公開する技術を練習せよ、きっと未来は明るいぞ。

八卦掌水式門富山本科イメージ

己を貫け。批判も、貫いた者だけの証~万葉の地・富山高岡で

富山県高岡市は、万葉集ゆかりの街である。

市内には、「万葉線」が走り、有名観光地の雨晴海岸(あまはらしかいがん)は、かの有名な万葉歌人・大伴家持(おおとものやかもち)ゆかりの地である。

今年の歌会始では、敬宮愛子内親王様の御歌が大評判であられた。力強くストレートな内容でありながら、千年の時の流れをも感じさせる壮大な歌。歌風敵には、ますらおぶりの、男性的な壮大な歌。まさに万葉風である。

万葉歌人といえば、やはり大伴家持。家持の生きた時代は和歌が盛んになり始めた頃の時代。歌の名手ひしめく奈良時代に、敬宮様の御歌は、どう庶民に響くだろうか?

その内容。「難き時代」・・・で、能登地震の被災者のお気持ちにも寄り添う、感動的な御歌であられた。

そんな中で、秋篠宮佳子内親王様のお歌につき、敬宮様との比較にて、批判をするコメントを見て、とても悲しく思った。

私は・・・以前も触れたが、眞子様のご結婚問題で、いじめにも近い集中砲火的な中傷が横行した際、お姉さまのために身体をはってお味方になられた佳子様に、深いお優しさを感じた。

いっしょに暮らす親族が批判にさらされ、心を痛め、その人のために力となる。当たり前のことではないか。相手がどうとか、過去がどうとか、そういう問題ではなく、今現在、結婚したいと思う両者がいて、それが親族で、いじめに等しい批判を受けている。

なんとかしなきゃ、いや、なんとかする、私が味方になる、当たり前のことではないか。

私もきっとそうする。私もそうした。突き動かされるがままに動いた。そこで立ち上がれば、自身もどうなるか想像はついた。

佳子様も、きっと想像がついたであろう。心無い、辛辣な批判に、自身もさらされることなど、容易に想像つく中、お姉さまのために寄り添われた。想像すればするほど、怖いこと。

そしてその危惧は、現実のものとなった。今佳子様に寄せられる批判的コメントは、貫いた人間こそを受ける、貫いた証である。

目に見えない、匿名という安全(彼らは安全だと思っているが安全でない場所)なところで、多数派の流れに乗って、思いやりの気持ちを忘れ、配慮なく辛辣な言葉を並べる連中と、佳子様のように貫いたがゆえに言われない言葉を浴びせられる人間のふたつがあるならば、私は後者の方に文句なしの敬意を感じる。

後者でありたい。今までも、そうあり続けようと心掛けてきた。先も触れたが、実行してきた。

佳子様のお歌につき、自身の結婚をにおわすものだとか、己のことのみだ、とかいう意見もある。何をやっても文句を言われるのだ。私はこのお歌を、素直で素敵だと思う。

昔の和歌を見ても、恋の歌ってとても多い。それでも名歌として選ばれ、後世にしっかりと残っているではないか。

もし、自身の結婚や恋について歌っているにしても、己の気持ちに正直で、いい意味で衝動的で、素敵だと思う。心に沿って歌ったのだろうと、感嘆してしまう。

私も、内親王様のように、まっすぐに進みたい。そして、今日も進んでいる。このブログを打つのだって、そうだ。今トレンドのキーワードで記事を書くのではなく、己が打ち立てた誓いに近づくために、記事の内容を選び、心をこめて書く。

文もイラスト(※イラストは助けてもらっている)も、皆オリジナルだ。己の今の気持ちに沿ったものを挙げている。

そしてその気持ちは、いじめで守ることができなかったあの時から、変わっていない。貫いている。

貫ききった証が、清朝末式八卦掌なのだ。多くの人に笑われ、ダメ出しをされたが、何の問題もない。笑う連中は、私をとらえることができないため、倒すことができない。

倒してみろ!簡単に、倒されないぞ!私の後ろにいる人に、手を出してみろ!どんなことがあっても、倒されないぞ!

そう念じて、貫いてきた。倒す、攻撃して打ちのめす。そうではなく、勝算があっても、カラスを流すタカのごとく、悠然と引き回し、頃合いをみて突き放す。

そのようにぶれずに進んで来たら、八卦掌の原型に気づいたのだ。貫いた者に与えられた、紛れもない証である。

貫いて欲しい。失うことだらけだったが、誓いと信念を曲げない意志だけは失わなった。それゆえに、少数であるが、本当に私のことを理解してくれる人・技術だけが残った。

君も貫いたら、多くを失うだろう。しかし、貫くことで生み出されるものもある。それはほんの少しかもしれないけど、それが支えだったと、実感できる時が、近い未来にやってくる。安心してほしい。

きっと大丈夫、大丈夫。

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2024年3月3日(日)清朝末式八卦掌原点「単換掌・単換刀」講習会

2024年3月3日(日)愛知県刈谷市総合運動公園にて、『清朝末式八卦掌原点「単換掌・単換刀」講習会』を開催します。

この場を借りて、当講習会の詳しい内容を説明していきたいと思います。

八卦掌は太平天国の乱時の、戦場刀術の影響を受けた拳法だと考えられます。

当時の軍の最前衛歩兵は、片手に藤製の盾(牌・はい)を、もう片手に90センチ超えのやや重い刀を持って戦う「藤牌兵」でした。相対的に体格の小さいものが藤牌兵・相対的に背の高い者が、藤牌兵に後ろに備える長槍兵だったと考えられます。

※明末はこの編成であったが、大清帝国時代の軍装には、銃や大砲が加えられたため、多少の違いはある。

八卦掌の定式八掌では、藤を持っていた名残のある型も存在しています(例:叉子掌・さししょう)。その戦場刀術から生まれたのが、八卦掌のエッセンス型である「単換掌」へと橋渡しをする「単換刀」です。

水式門では、愛知より遠いが独学にて学びたい方のために、web上にて独習ができるように、「いじめ護身部・取り返すための技術解説」・「最低限で仕上げる清朝末式八卦掌・女性護身術」を公開しています。

清朝末式八卦掌は八卦掌水式門の門外不出の技法です。しかし、上記技法は最小限のものなれど中核技法であり、初学独習者が学習するうえで誤った方向へと進まないために、定期的に講習会を開くことを決定しました。

八卦掌は護身術。命に関わる技法を公開する者として、学習者の学びの場を提供するという、当然の義務を果たしてまいります。

今回は、八卦掌草創期刀術の「単換刀」・清朝末式八卦掌の原点であり中核術理「単換掌の術理」の元となる「単換掌」に絞って特別講習をします

指導は、八卦掌水式門代表・八卦掌第6代掌継人・梁振圃伝八卦掌第5代の水野が担当します。清朝末式八卦掌を真摯に学びたい方は、ぜひご参加ください。

◆開催日・開催時間
2024年3月3日(日):10時00分~16時00分(途中1時間昼休憩あり)

◆講習会のタイムスケジュール

【午前の主な指導内容(午後にかぶる場合があります)】

・基本姿勢走圏と対敵イメージ走圏

・清朝末式八卦掌における「歩き方」

・単換掌を通して学ぶ後退スライド(単換掌の術理)

【午後の主な指導内容】

・単換掌

・単換刀

・単換刀の派生技術(陰陽上斬刀と単換掌)

◆参加人数

12名

◆参加資格

中学生以上の男女で、清朝末式八卦掌を真摯に学びたい方。

◆参加に際しての注意事項

・当練習会に参加するに際しては、募集期間中における事前の申し込みと支払期日までの受講料のお支払いが必要となります。支払期日を過ぎても支払を確認できない場合、例外なくキャンセルとして扱わせていただきます。
・真摯に学ぶ姿勢の参加者を求めます。指導者の指示に従わない者は、それ以後指導せず、退出していただきます。
・一日単位での参加希望者のみの対象講習会となります(午前と午後の内容が密接に結びついているため)。
・参加できなくなりましたら事前にメールにてご連絡ください。連絡無しでキャンセルした方は、今後の水式門の活動への申込みはお断りさせていただきます。
・発熱・体調不良・心身故障中の状態の中での無理な参加は、受講生の安全な受講に配慮する立場からお断りしています。
・一般参加者の学習環境配慮と技法の漏えいを防ぐため、保護者・知人・親族等による見学行為は例外なくお断りしています。
・本講習は、有料の特別指導であるため、見学目的・無料体験目的での参加はお受けしません。
・当講習会内は屋外で開催するため、マスクの着用は義務としません。気になる方は、各自マスク着用での参加をお願いします。

◆開催場所

愛知県刈谷市 刈谷総合運動公園 バス停横芝生広場
※雨天時は、刈谷総合運動公園内の「ウィングアリーナ」前のベンチまでお越し下さい。基本雨天決行です。ウィングアリーナ等が不明の場合は、電話にて遠慮なくお尋ねください。

◆受講代金

一日5,500円円(税込)

当金額を、下記の指定口座に支払期日までにお支払いください。

【受講料 振込先情報】

銀行名  :三菱UFJ銀行
支店名  :知立(ちりゅう)支店 店番号 412
預金種別 :普通口座
口座番号 :1213489
口座名義人:ミズノ ヨシト

【受講料についての注意事項】

※必ず振り込む前に、「キャンセルポリシー」をお読みください。
※下記支払期限までに金額を上記指定口座に受講料としてお振込みください。申込みがありましても、期日までにお支払いが無い場合、申込みのキャンセルがあったということで扱わせていただきます。
※講習会当日や後日における支払いには一切応じておりません。ご了承ください。

◆応募締切日・講習会代金お支払い期限日

申込み・代金支払い期限:2024年2月28日(水)

※事前連絡参加者がいない場合は、講習会は開催しません。参加希望者は必ず事前にご連絡ください。
※お申込みがありましても、2月4日講習会は2月28日24時時点で、上記指定口座において申込者様からの講習会代金振込が確認できない場合は、理由のいかんを問わずキャンセルされたものとして扱わしていただきます。
※お申し込み後、代金お支払い期限までに振込みがなく、かつキャンセルメールをいただけなかった無断辞退の申込者様は、次回以降の参加はお断りさせていただきます。

◆泥酔者・不行跡者への対応

泥酔者や、他の参加者に迷惑行為を行う者、手合わせ目的等学習目的以外の参加者に対しては、他の参加者の安全・学習環境配慮のため、参加を直ちに禁止し退場していただきます。
当措置に従わず迷惑行為を続ける者には、警察への通報などの厳格な対応をいたします。

※不行跡行為等が原因で退場していただいた方のお振込み代金につきましては、当日キャンセル扱いとさせていただき、消費税分も含め一切返金いたしませんのでご了承ください。

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カラスの猛追を流すタカの姿で悟った「清朝末式」八卦掌

昨年からずっと、肌寒くなりタカが練習場所に来始めると、ビデオカメラをすぐに撮影できる場所において、撮影していた。

撮りたかったのは、タカとカラスの空中戦である。なわばりを侵されたカラスが、タカを追いかけまわす動画である。

何十本と撮り、何度も何度も失敗して、やっと撮ることができた。私が大きな悟り(開き直り)を得た野生のやり取りを、、当ブログを読む方に紹介するためである。

見てもらいたいと思ったのは、清朝末式の八卦掌の戦い方に似ていて、かつ、命を賭けた真剣なやり取り(戦い)として、この両者の戦いこそが最も分かりやすくふさわしいと思ったから。少し小さく、かつ、対象物の動きが速いため見にくいと思うが、是非参考にして欲しい。

※動画には、BGM(ロッシーニ歌劇・ウィリアムテル序曲)があります。

動画中のタカは、身体も大きく、追跡しているカラスと戦っても、フィジカル面が原因の敗北などしないだろう。私が今までこの場所で見てきた幾多の空中戦においても、カラスに体格で劣るケースは少なかった。

このように、追われるケースというのは、タカがカラスの縄張り付近でエサを探して飛び回るから起こるケースが多い。タカは自分がカラスの縄張りに入っていることを認識しているかもしれない。

ここからは想像も加わっての解説となる。その点、ご了承いただきたい。

眼の前のカラスと戦ってもいいが、なわばりにいる他のカラスも戦いに加わってくる可能性もあるため、無駄に争わず、離脱第一で対処していると思われれる。

タカとタカが互いに戦う場合は、どちらかが傷つくまで戦う。しかしここで体格に勝るタカがカラスと敢えて戦わず早々に離脱するのは、そういった理由からであると推測される。

理由はさておき、タカの対敵行動に注目をしてもらいたい。

タカは常にカラスを後ろに置き、追わせている。向かってくるカラスに、正面切って戦ってないことがわかる。敵の力のベクトル方向に向かうようなことは一切していない。力に抗しない戦いを貫いている。

そして、移動向きを変える時に、後方カラスに、一瞬けん制攻撃をしているのもわかる。もしくは、移動の進行方向を変え、カラスをその都度ごと引き離しにかかる。

カラスにあえて背を見せ自分自身を追わせ、追いつかれそうになったら、さっと身をひるがえし、進行方向を変えて、カラスの逆をつくのだ。カラスはタカの一連の対敵行動のため、なんとかタカの身体に触れることができたとしても、致命傷を与えることなどはできない。

追わせ、引きつけ、カラスが速度を上げて追いつく瞬間に向きを変え引き離し、また追わせ・・・を繰り返す。

人間に例えよう。追跡者が速度を上げて追いつこうとすると、その瞬間に動きを高めるため、一気に息が上がる。インターバルトレーニングのようなものである。インターバルトレーニングは、息の上げ下げを意図的に行って心肺に負荷をかけ、心肺機能を高める。

トレーニングでこれを行うならいいのだが、実戦でこれを強いられるとスタミナを著しく奪われる。たとえ怒りや欲望を満たすために猛然と襲い掛かっても、息が上がると、とたんに戦う気持ちが失せてくる。

1分足らずの空中戦の中で、カラスは何度も何度も、急速接近攻撃を試みてはタカにかわされている。明らかにカラスの方が、羽ばたいている回数が多い。これは疲れるだろう。タカはカラスのチェイスのたびに、少し向き変え、流している。

清朝末式八卦掌においては、使用者が弱者であることが前提となっているので、最初から敵と距離を置く。

そのためには、敵がいいがかりをつけてきた瞬間から後方へと小走り状態に移動し始め、勢(いきおい)を身体に付ける。敵の急接近がくるまで待っていない。すでに勢がついている状態なら、敵が言いがかり状態から急接近してきた時、すぐさま日頃連取している後退スライドへと移行することができるのだ。

敵の速度に合わせることはない。サッサと、自分の日頃練習している後退スライド時速度へと引き上げて対応すればいい。まさに『先んずれば即ち人を制し、後るれば則ち人の制せらるる所と為る』(司馬遷「史記」項羽本紀)である。

言いがかりをつけてきた段階から後方へと小走りに移動し始めるため、いきなり敵との間に一定の距離(2~3メートルくらい)がを作り出すことができる。敵は我を倒そうとするならば、いきなり開いたこの間合いを詰め、かつ、移動しながら強力な一撃を入れなければならない。移動して離れていく攻撃対象に、強烈な一撃を加えることは男性でも大変難しい。

移動し始めて推進力が身体に加わっているため、攻撃される側は、敵の急速接近に対し、すばやく後退スライド対応ができる。

動画を見ればわかるが、タカは常に前をむいて逃げている。カラスの方向を向きながら逃げているわけでないのだ。八卦掌走圏でいうならば、前を見て進行方向にまっすぐ進み、敵がチェイスをしてきたら、後退スライドで勢を保ちながらけん制し、向きを変え、再び別方向の前方へと移動しなおす。

対一人戦であれば、この動きを繰り返す。

距離を保ち、チェイスをしてきたらその都度転掌式でかわし、けん制し、向き変えてふたたび移動する。自分の息も上がるが、日頃から息が上がった状態で練習して慣れているため、息があがっても、割と冷静に対応できるのだ。

動画の最後に、タカは急上昇し、悠然とその場から離脱を図っている。動画中では分かりにくいが、カラスが突然追跡を止めたのは、タカが縄張りから離れたからではない。カラスの追跡体力が切れたからである。

カラスの脱落を確認したから、タカは悠然とその場(カラスの縄張り上空)を離脱するために上昇している。ただ「逃げる」のではない。カラスが体力がある時に逃げても、すぐに追いつかれることを知っているのだろう。疲れ果てて脱落させてから逃げるのだ。

私も、何度も後退スライドで繰り返し相手の息を上がらせ、敵の足が鈍り少し距離が離れた瞬間に、一気に離脱する。その瞬間、多くの敵は、あきらめる。この戦法は、タカの戦いの終わらせ方から学んだのである。

宝蔵院の胤栄は、池面に浮かぶ月を見て術理の大きなヒントを得た。少林寺の王朗は、蟷螂が獲物を補足する瞬間を見て、蟷螂拳への道をひらいた。

水野義人は、タカがカラスを移動遊撃戦で翻弄し、翻弄のすえに脱落させた後離脱する戦い方を見て、清朝末期頃の成立当時の八卦掌の姿・術理に気づき、そこからの修行やり直しで、清朝末式八卦掌を確立した。

それを複数人に話したことがある。「であるならば、やってみよう」という話になった(友達とか知人である)。相手には武術未経験者もいたが、剣道の有段者や空手の有段者もいた。体格も私より大きかった。誰一人、私に痛烈な一撃を加えることができなかった。私がすごいのではなく、敵の力に抗しない対敵身法を徹底したからあしらうことができたのだ。

この戦い方は、誰でもできる(※膨大な反復練習は、当然必要である。勘違いしないように)。一人でも練習できる(※術理を会得した指導者の最初の導入は必要)。人の協力はさほど必要ではない。圧倒的なくり返しで身体に染み込ませ、息が上がる状態に慣れ、そのスキルをもって敵を翻弄し、間合いを一層広げた後、命を賭けてキロメートル単位で離脱するのだ。

タカはカラスに対し弱者ではない。そんなタカでも、カラスと敢えて抗しないのだ。これぞ護身術のあるべき姿である。

倒す必要なんてない。倒すことは最終目的ではなかった。身を守るための一つの手段であったはずだ。八卦掌が近代格闘スタイルへと変遷したがため、倒すことが大きな目的となり、「八卦掌の勁力は強い」などというフレーズが言われるようになった。

圧倒的な打撃力を求めるのは、弱者使用前提だった清朝末期頃の八卦掌ではない。護身術として八卦掌を考えるならば、そこをしっかりと頭に入れておく必要があろう。

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24年2月4日開催:弱者護身術たらしめる「清朝末式八卦掌」基本身法講座

2024年2月4日(日)愛知県開催『弱者護身術たらしめる「清朝末式八卦掌」基本身法講座』を、愛知県刈谷市の刈谷総合運動公園にて開催します。

指導内容は、「いじめ護身部」「最低限の時間で仕上げる女性護身術」の内容に準じた、最小限のものです。最小限のものなれど、初学者には十分な内容となっています。

また日頃、一般的に普及している八卦掌を何気なく練習している方にも、昔日の命のやり取りが当たり前だったころの弱者護身術が、どのような技術体系であったかを知るうえで、大変興味深いものとなっています。

指導は、八卦掌第6代掌継人、梁振圃伝八卦掌第5代にして、八卦掌水式門の代表・水野が直接行います。

清朝末式八卦掌は、仮入門期間を経て正式に正式門弟になった人間にしか指導しない門外不出の技法です。今回以後、「いじめ護身部」・「最低限の時間で仕上げる女性護身術」において初学護身術希望者向けに公開された内容に限って、指導をすることになりました。

定式八掌転掌式、八卦刀術、八卦双身槍術、遊身八卦大刀術などの中核技法については、技法の冷酷性も相まって指導・公開しませんが、現代人が護身を達成するための基本身法を学ぶ上で、本講習は大変役立つでしょう。

◆開催日・開催時間

2024年2月4日(日):10時00分~16時00分(途中1時間昼休憩あり)

◆講習会のタイムスケジュール

午前の主な指導内容(午後にかぶる場合があります)

・推磨式基本功

・清朝末式八卦掌における「基本姿勢」走圏

・清朝末式八卦掌における「歩き方」

午後の主な指導内容

・「対敵イメージ」走圏~走圏とは何のために行うのか

・斜め後方スライド撤退戦の対敵身法「単換掌の術理」

・推磨掌転掌式で学ぶ、八卦掌中核技法

◆参加人数

先着12名

◆参加資格

中学生以上の男女で、清朝末式八卦掌を真摯に学びたい方

◆参加に際しての注意事項

・当練習会に参加するに際しては、募集期間中における事前の申し込みと支払期日までの受講料のお支払いが必要となります。支払期日を過ぎても支払を確認できない場合、例外なくキャンセルとして扱わせていただきます。

・真摯に学ぶ姿勢の参加者を求めます。指導者の指示に従わない者は、それ以後指導せず、帰宅させる。

・一日単位での参加希望者のみの対象講習会となります(午前と午後の内容が密接に結びついているため)。

・参加できなくなりましたら事前にメールにてご連絡ください。連絡無しでキャンセルした方は、今後の水式門の活動への申込みはお断りさせていただきます。

・発熱・体調不良・心身故障中の状態の中での無理な参加は、受講生の安全な受講に配慮する立場からお断りしています。

・一般参加者の学習環境配慮と技法のいたずらな漏えいを防ぐため、保護者・知人・親族等による見学行為は例外なくお断りしています。

・本講習は、有料の特別指導であるため、見学目的・無料体験目的での参加はお断りします。

・当講習会内容では、実際に参加者同士が手を交える対人練習が行われますが、屋外で開催するため、マスクの着用は義務としません。気になる方は、各自マスク着用での参加をお願いします。

◆開催場所

八卦掌水式門・大平洋側定期練習場所:愛知県刈谷市 刈谷総合運動公園 バス停横芝生広場

※雨天時は、刈谷総合運動公園内の「ウィングアリーナ」前のベンチまでお越し下さい。基本雨天決行です。ウィングアリーナ等が不明の場合は、電話にて遠慮なくお尋ねください。

◆受講料について

受講代金

一日5,500円円(税込)

当金額を、下記の指定口座に支払期日までにお支払いください。

受講料 振込先情報

銀行名  :三菱UFJ銀行

支店名  :知立(ちりゅう)支店 店番号 412

預金種別 :普通口座

口座番号 :1213489

口座名義人:ミズノ ヨシト

受講料についての注意事項

※必ず振り込む前に、当ページで後述する「キャンセルポリシー」をお読みください。

※下記支払期限までに金額を上記指定口座に受講料としてお振込みください。申込みがありましても、期日までにお支払いが無い場合、申込みのキャンセルがあったということで扱わせていただきます。

講習会当日や後日における支払いには一切応じておりません。ご了承ください。

◆応募締切日・講習会代金お支払い期限日

申込み・代金支払い期限:2024年1月26日(金)

※事前連絡参加者がいない場合は、講習会は開催しません。参加希望者は必ず事前にご連絡ください。

※お申込みがありましても、2月4日講習会は1月26日24時時点で、上記指定口座において申込者様からの講習会代金振込が確認できない場合は、1理由のいかんを問わずキャンセルされたものとして扱わしていただきます。

※お申し込み後、代金お支払い期限までに振込みがなく、かつキャンセルメールをいただけなかった無断辞退の申込者様は、次回以降の参加はお断りさせていただきます。伝える内容は、殺傷技法を伴う制敵技法であるため、常識的対応を持ち合わせない人間に伝えることによる社会的損失を事前に防ぐためです。

八卦掌水式門富山本科イメージ

2024年が明けて。

年初からとても悲しいことが起こってしまい、その対応に追われていた。

今後もしばらく、自分にできることに集中して動く。大原則、「自分の影響力の範囲内で」を守る。

正直、衝動にかられるが、何の技術もない自分が、勇んで駆けつけるようなことは絶対にしない。今行っても、何もできない。必ず、最大限に、家族のために、役立つことができる「その時」が来る・・・と何度も言い聞かせてきた。

「その時」が来るまで、現在状況を見続け、把握し、計画を立てる。今愛知でも、しっかりとできることがある。1日・2日は、気持ちが落ち込んだが、冷静になって分析することはできた。

家内と二人で歩きソフトクリームを食べた番屋街も、一番弟子・二番弟子らと練習し続けた比美乃江の芝生広場周辺も、大きな被害を受けた。私の心の支えとなって存在し続けてくれた氷見の街と人に想いを馳せながら、動き出す。

年初は、抱負を書こうと思ったが、昨年末の最後のブログでそれは書いた。今日は、書く時間を、1月27日の準備に充てることにする。それが今の私にできる最大のことだ。

八卦掌水式門の2大拠点にして、発祥の地、氷見市。ここまで来させてくれてありがとうございました。

こころからお見舞い申し上げます。今は心から復興を願います。「その時」が来たら、必ず駆けつけます。