八卦掌水式門の『最低限の時間で仕上げる八卦掌原型「転掌」式弱者専用護身術』では、単招式をとりあげてない。時間がない、そして、当面重要でない、からである。
しかし、いじめ護身部|辛いいじめと戦う護衛武術「八卦掌」護身術では、そうはいかない。必要だから、そこに単招式の指導が加わる。専用の動画まで、作成した。
なぜ必要なのか、それは、狭い教室から抜け出すため。その狭い、誰も助けてくれない、君にとって不利な場所から、その身を離脱させるために、単招式が必要なのである。
ある一つの戦いにおいて、指導している4つの単招式すべてを使う必要があるわけではない。しかし4つとも知っておくと、前方向に現れ、君が自由な地に移動する際に邪魔をする敵を、いかようにもやりすごすことができる。
電撃的におそって、ひるんだすきに、離脱する。実際の戦争・戦いにおいては、「血路をひらく」ともいう。
古来の戦争では、取り囲まれた部隊が、敵の一面に強襲を敢行し、その部分の敵を倒して包囲網に穴をあけ、そこから敵包囲網外へ突破移動することが行われた。
もちろん、いじめの戦いでは、取り囲んだ同級生の命をおびやかすことなど、あってはならないことだ。
しかし君が教室にとどまっていては、狭い空間、ともすれば敵の頭数が増える可能性もあるため不利なのだ。順勢掌の術理である「前敵スライド回避攻撃」を行って、敵を振り切りつつ、攻撃、そして足が止まった瞬間に、距離を拓き、囲みを突破する。
そこには、広い世界が広がっている。味方・助っ人などはいないが、君が練習してきた技術を、いかんなく発揮することができる広い空間が待っているのだ。
先生に怒られたらどうしよう →→ 先生に怒られることのすべてが、正しいわけではない。君は、自分自身に危害が及ぶのをさけるために、やむを得ず電撃突破をしたのだ。合理的な理由がある。
失敗して突破できなかったらどうしよう → 何度も突破を試みよう。狭い空間だ。自由移動がしにくい、その狭い場に居続けたならば、君は高い確率で捕まってしまうことになる。
思いだして欲しい。君の戦いでは、全員を倒す必要なんてない。戦いの流れはこうだ。
理不尽な要求がやってきたら、とにもかくにも、拒否する。嫌だね、お断りする、そんなことはしたくないね、と。
暴力をちらつかせたり、何ら行ってくるかもしれない。しかしすべて無視でよい。いじめに正当性など、一切ないからだ。何を言われても、全く気にすることはない。とにかく、先制攻撃に気を付けよ。距離を無意識に保つのだ。
敵の攻撃。すぐに斜め後方スライドせよ。戦局を見る。その場が広い空間ならば、引き続き移動遊撃戦で攻防し、引き釣りまわすこと。それだけで、君のすごさと、いじめ連中のふがいなさを見せつけることができる。
頃合いをみて、突然一人のてきに猛然突撃せよ。ひるんでも構わず、連続攻撃で集団の外へと移動せよ。そして離脱行動を開始する。戦いの場となった教室を後方へ置き去り、先生も無視すること。
校外へと離脱せよ、ここまで離れるから「離脱」である。当時の連中は、ここまで離脱することをもって「脱走癖」と呼んだ。何を言ってる?助けもしない連中のたわごとである。
古来より、戦いの終盤において、弱者が頃合いをみて戦線離脱することで身を守るのは、正当な手段であった。敵はそれゆえ、思惑を失敗するのである。因縁の都度拒否し、そして手を出して来たら、かわし続け、電撃攻撃し、ひるんだら離脱せよ。
その先に、取り返す君の時間が待っている。