逃げ続け「捕まえてみろ!」と一喝し戦う自分をイメージせよ

いじめ連中との戦いでは、キレイに鮮やかに「勝つ」必要なんて一切ない。そんな無駄なことは目指す必要が全くないことをここで確認しておく。

逃げ打ち、転身し、とにかく逃げること、つまり、撤退戦を正規の攻防手法とする武術・八卦掌を練習するならば、逃げ続けていじめ連中をほんろうしている自分をしっかりとイメージするんだ。

逃げ続けて逃げ続けて、「コイツ!捕まらねぇ!」と言って肩で息をして、こっちを見ているだけのいじめ連中の情けない姿をリアルに想像するんだ。そのイメージをもって練習することで、本当にそうなっていく。

「逃げ続けるだけでいじめが収まるのか?」と思うかもしれない。確信して言える。きっと収まる。

私は、いじめとの戦いで、あの時、膨大な時間と情熱を注いだ。大経験者の私が言うのだから間違いない。

逃げ続けることでいじめを打ち砕くには、周りの人間の力が必要だ。でも大丈夫だよ、そいつらに助けを求めるわけじゃない。求めても助けてなんてくれないから。そんな不確かなものにゆだねるのではなく、逃げ続けていじめ連中のみっともない姿をさらし、見て見ぬふりを決めこむ同級生の心の中に君のすごさを見せつけるんだ。

もっと分かりやすく言おう。君が逃げ続けることで、いじめ連中の「ふがいなさ」を皆に見せつけてやるんだ。いじめ連中の権威の失墜作戦である。

どういうこと?つまり、こういうことだ。日頃偉そうなことを言って命令したりパシリにしておきながら、こいつらは集団でかかっても捕まえることもできない。なんとも口ばかりで、よってたかっても大したことのない連中・・・・と思わせるんだ。

逃げ続けて、君の身体のエンジンと気持ちの高ぶりが最高潮に達したら、連中に大きい声で、堂々と、言ってやるといい。

「ほら、どうした、捕まえてみろ!」

その言葉にキレて、連中は猛然と突っ込んでくるかもしれない。しかし、猛然と突っ込んだって、私が指導した身法をマスターしているなら、恐れることはない。さっきまで通りに、移動距離を長く取りながら、逃げ続けよ。大丈夫。捕まることはない。

小回りの利く身体移動法は、下の動画で解説している。

実はこの動画中における移動方法は、多くの、小回りを要するスポーツにおいて、トップ選手が自然と行っている動きに酷似しているんだ。ハンドボールの知人が同じような動きをしていて、私に教えてくれたことがある。門弟の指摘で、サッカー選手も似たような動きをしていることを知った。

八卦掌では、この歩き方(移動方法)を、「ショウ泥歩(しょうでいほ)」と呼んでいる。

この移動方法によって、小刻みに、君の望む移動ラインをトレースでき、路面がぬれていても滑りにくくなり、かつ、敵に力を伝えやすくなる。砂浜などの足場の平面じゃない場所でも、ほぼ動きを制限されることなく動くことができるようになるんだ。

そして、逃げ続けるために必要な、スピードを落とさないで防御しながら駆け回るには、後退スライドによる撤退戦戦法をとる必要がある。この撤退戦戦法は、いじめ護身部では2つを教えよう。

八卦掌では、この方法に多くの手技技法が存在する。しかし君の戦いは、学校内であり、ナイフなども一般的に使用されない戦いを前提しているため、ふたつをマスターすれば、逃げ続けることができる。

そこでまず出てくるのが、敵に背をむけないで撤退戦をする方法。

動画では、初心者に最もやりやすい撤退戦法(推磨掌転掌式・すいましょうてんしょうしき)を指導している。

自分の子供が、突如迫ってきて手をつかもうとした中年男性から身を守った、実績のある技だ。

先ほども言ったが、後方や側面から襲ってくる敵を、自分の移動速度を落とさないでかわす方法が、八卦掌には8つある。その中で、もっとも初心者がやりやすく、八卦掌の拳理からも外れず、効果のあるやり方を選んだ。

私自身も、弟子とのやり取りの中で自然と使っている。

コツは、手を出す動きなどすべての動きを、足を止めず、歩くことを止めず、動きながら行うことだ。そうすると流れるようにうまくスライドできるし、かつ、八卦掌では、動きながら(歩きながら)行うことを義務付けられている。

「止まる=死」とすら八卦掌の中では言われるくらい、重要なポイントである。

「ただ動き回っているだけ」と、自身の拳法の常識を盾に批判するトンチンカンな馬鹿タレがいるが、八卦掌のことを何も知らない人間のたわごとである。

動き回ること、移動しまくることを正規の戦法とする八卦掌。自信をもって移動しまくってほしい。移動し続けることが、弱者に与えらえた最大の対抗手段なのだ。

次は、敵に一瞬背を向けて撤退戦をする方法。これは撤退戦、と言うよりも、身をひるがえして敵を振り切り、振り向きざまに前方にいる敵に電撃奇襲攻撃をする技である。

遊歩連捶の動画を見てほしい。振りかぶったあとの電撃戦は、この「敵に一瞬背を向ける」方法から来ている。私が最も得意とする技であり、もっとも信頼している技だ。

平面上できりもみ旋回しながら敵に手を出すことで、少なくとも君は手痛い攻撃を受けることはなく、敵の足を止めることができる。

・・・・・移動方法と、この二つの撤退戦方法を、徹底的にやり込んで、逃げ続けよ。

君が強くなるために、君は多くの時間を取ることはできないはずだ。今すぐにでも、いじめの暴力から逃げなければならない。

であるならば、多くの技など練習している暇はない。今すぐ、この動画3本を見て、練習し始めよう。

最後に再度言っておこう。

倒さなくていい。逃げまくって逃げまくって、連中に「捕まえてみろ!」と一喝するだけでいい。

それができただけで、君が取り返すための戦いは、大きな局面を迎えるだろう。

狭い教室で戦えない?だったら、連中が向かってきたら、広い廊下に出ればいい。なぜ、誰も助けてくれる奴もいない教室内にこだわるのか?どんどん広いところに行こう。先生が怒鳴っても関係ない。君は自分の身を守ることを最優先にせよ

君は今、人間として、生物として、生存をはかるための最も自然な行動をしようとしている。人の意見など、すぐに消えてしまう無責任なものだ。今すぐ、自分の身と尊厳、そして自由な意思を守るために、広い場所に突破し、逃げまくって「捕まえてみろ!」と叫ぶんだ。

「広さ」は、周りのモノは、そして移動できるその身体は、君の大きな味方だ。壁も、椅子も、机も、移動身法と後退スライド撤退戦を身につけた君ならば、すべてが味方になってくれる。

さあ、移動しよう。一緒にやっていこう。君の戦いの局面は、大きく動く。

八卦掌水式門富山本科イメージ

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