トップページいじめが辛い君に暴力と戦う力を~中国拳法・八卦掌web塾>教程3:いじめの暴力を跳ね返す「防御→反撃」の型を学ぶ

教程3:いじめの暴力を跳ね返す「防御→反撃」の型を学ぶ

八卦掌・秘宗拳などの機動戦拳法は、巧みな歩法をもって相手の意表をつき、時に攻撃をかわし、時に痛撃を避け、時に歩法を用いて防御が薄くなっている場所を攻撃する。

教程1では歩法を教授したが、当然それだけではいじめ側の攻撃(特に複数人の攻撃)をかわし続けることはできない。歩法で移動しながら手を出して相手の攻撃をさえぎり、機を見て相手を跳ね飛ばすことが必要である。そのために「防御→攻撃」の定番スタイルを学ぶことは必須課程となる。

その定番スタイルは、各武術に伝わる「型」のようなものだ。ここで教授する「型」は、即戦力を重視するために、種類は少なく、かつ型中の技も少なくシンプルである。

この「型」には、主に八卦掌・合気道・意拳の要素が組み込まれている。じっくりと練習してほしい。この「型」に習熟したら、自然と君に合った技の出し方が生み出されるだろう。それは変化である。「守・破・離」の段階でいうならば「破」の段階である。その段階になると、君の技術は大きく上達していることだろう。

はじめに:「防御→反撃」の型を練習するうえでのポイント

 まずは動画のように、各動作を確実にこなしていく。流れるような動作で・・・という注意点は、各動作を丁寧にゆっくりと練習していく過程でできるようになるため、最初はあまり意識しなくてもよい。

 ゆっくりといっても、太極拳のようにゆっくりと動くわけではない。太極拳は、技を決めるまでの途中の動作にも相手に勝つために重要な意味を持っているため(途中の動作をないがしろにしたら技が決まらない)、あのようにじっくりとゆっくりと動きながら、意識・動作を練るのである。

 いじめ対策の「防御→反撃」の型は、途中の動作をそこまで精密に磨くことはない。そのようなことをしていたら、多大な時間がかかるからだ。そのため、動画の演者も、メリハリをつけて大きく演じている。実戦の場でもこの動きでよい。

第1式:抱式 抱式胸前の構え~内払い~トウシュ~連続推掌

第1式:抱式・一人練習型

 こぶしではなく指をのばした掌(しょう・てのひら)の状態で戦う拳法で多用される「トウシュ」を利用した防御反撃の型である。

 「トウシュ」とは、攻撃をしてきた相手の腕を、攻撃を受けた手からフリーとなっている手で持ち替える動作である。かまきりを模した拳法である「蟷螂拳」の技である。トウシュに熟練してくると、持ち替える際に開いている掌で相手の腕を強くつかんで引き倒したりすることもできる。掴んだ瞬間に相手の腕を強く引く動作は「タイシュ」と呼ばれ、相手の重心の安定を効果的に奪うこともできる。

第1式:抱式・目標物を使った実戦模擬練習

 一人練習を繰り返し、型の動作の順序を覚えたら、一人練習と並行して、目標物に向かって技を繰り出す実戦形式の練習を積んでいく。

 一人練習ではどうしてもイメージがつきにくく苦手、という君にも取り組んでもらいやすい練習である。動画のように、目標物に手を模したものを取り付けると、実際に相手からの攻撃をさばいて打つ、という順序の練習にもなるし、お薦めである。

手のついた目標物の作り方を教える。まずホームセンターでコンクリートブロックの半分の長さのコンクリブロックを2つ、竹3本を買ってくる。次に100円ショップのセリアで、プールスティック3本を買ってくる。最後に、プールスティック1本を、半分に切り、それを各々のブロックに差し込む。プールスティックが入れられたブロックを縦に立てる。

抱式(胸前・腹前)で構えて敵に備える

抱式の分解写真1
抱式胸前の構え

 まず両手を胸の前に掲げる。実際に手を交えるまで構えないと書いたが、ここでは構えた状態から型を練習していく。

 ちなみに写真の構えは、意拳(大成拳)でいうところの「ショウ抱椿」と同じ姿勢である。この構えの名前をどう呼ぶかは人によっては重要かもしれないが、このページの目的としては重要ではないため、ここでは抱式と呼ぶ。まずはじめは、手を置く場所は胸の前とする(左写真)。

 何度も練習して慣れたら、手を下げた状態からはじめるパターンも練習する。手を下げて自然体で立っている状態を武術では「無極式」などと呼んでいるが、ここでの姿勢は少しだけ違う。下げてはいるが、下げ切っていない。両手は腹の前あたりで意識を保ちながら置く。

 抱式の胸前の姿勢からの方が、相手の攻撃に対して素早く反応できそうであるが、実際にはそれほど変わらない。むしろ、腹前式からの方が、あらゆる攻撃に柔軟に対応できることが判明してきた。抱式胸前の姿勢は顔への攻撃に対応しやすく、その安心感から抱式胸前の姿勢で固まってしまうことがあり、下部(足や膝・腹部)への攻撃に遅れをとることがある。

 格闘素人のいじめ側の人間が、顔・胸に連続して上下コンビネーションでパンチを繰り出してくることは考えにくい。怖いのは、顔のガードに気を取られている時に、脚部・腹部へ蹴りが来た時対応できないことだ。空手を少しでもかじった人間ならば、これくらいの蹴り技は当然に繰り出してくる。抱式腹前の構えであれば、どの部位への攻撃にも手を移動させやすい。

 抱式胸前の構えがその真価を発揮するのは、相手と手を合わせた後に距離が極めて縮まった場合である。中国拳法のある流派では「相手の吐息が届くくらいの距離」と表現することがある。それくらいの近距離に陥ると、相手は混乱と興奮から、上半身への攻撃しかしなくなる。その時、抱式胸前の構えのように顔の前に手があることは利点となる。

動作1:内払いで払う

抱式の分解写真2

動作解説

 敵が顔めがけてパンチをしてきたら、我はパンチの軌道に近い腕を外側にねじりながら、ワイパーのように払う。

 払う腕ではない腕も、顔前付近に外側にねじりながらもってくる。

 これらの動作の時、払う腕側の足をコウ歩しながら自分の身体の斜め前にスッと出す。

注意点

 抱式の状態で、左右それぞれ、外側にねじって顔の前まで持ってくる練習をする。何の練習もなしに、外ねじりをしながら腕を顔の前に持ってくることはできない。練習の時は、しっかりと外向きにねじりを入れてワイパーで敵のパンチを払うイメージで練習する。

 腕のねじりでのワイパー動作ができるようになったら、コウ歩で斜め前に出す動作も併せて行い、無意識にできるようになるまで繰り返す。

 ボクシングのパーリングのように、手だけで払わない。手だけで払うことやパーリングも、打ち合いの中ではもちろん効果的な技術であるが、手で払うことしかできないのでは、払うツール(手のひら)の面積が狭いがゆえに払うことに失敗する確率も高く、パンチをもらう可能性が高まる。多少やりにくくても、しっかりと腕をねじってワイパーのように払う。

 つまり、点(手のひら)だけで払うのではなく、ワイパーのような長い線(手のひらから腕まで)で払い、払い損ねる確率を下げるのだ。ボクシングのパーリングは、敵の早いパンチをさばくうえで実に有効な防御手段ではあるが、それを成功させるためには様々な努力(動体視力の強化・反射神経の開発など)を時間をかけて行わなければならない。いじめ暴力を跳ね返すための努力時間には制限があるため、速効性を重視し、最初から腕で払う練習をする。

動作2:手を支え替え、最初で内払いした手で2発目の突きを受ける

抱式の分解写真3

動作解説

 動作1で敵のパンチを受けた腕を、今度はパンチしてきた腕と反対側の腕の付け根(肩部分)に向けて、ワイパーが返っていくかのごとく推しだす。動作1では外側にねじりながら払ったが、ここで推しだす時は内側にねじりながら行う。

 押し出す際に、敵の繰り出した1発目のパンチの腕をしっかりと制圧しておく。

 これらの動作と同時に、まだ動かしてないもう片方の脚を、動作1でコウ歩で動かした足の後ろに移動させ、三尖相照(※)の状態にする。

 ※教程1:遊撃戦で戦うことができるための歩法を学ぶの「コン歩」の説明箇所を参考のこと。

注意点

 反対側の腕の付け根(肩部分)に向けて推しだす時のねじりの動作は、意識して行う。おろそかにしないこと。ねじりのない推しだしでは、単なる手刀になってしまう。

 ねじりを意識していることとは、その腕が君の意識の管理下に入っていることを意味する。ねじりをしっかりと意識しながら推しだす動作を練習していると、いずれその動作も自然と行うことができる。しっかりと意識の通った腕を、ワイパーのごとく無意識に繰り出すことができるようになる。

 ワイパー腕の反対側の腕で支え替える時、支える敵の腕を掴むことができるならば、掴んでしまってもよい。「掴む」動作は、型の反復練習を重ねた後に、是非とも挑戦してみてほしい。掴むことができれば、瞬間的に自分の後方や自分の横方向に腕を引っ張って相手の態勢を崩すこともできる。

 動作1・動作2は、一気に行う(上動画参照)。

後ろ手で推掌

抱式の分解写真4

前手で推掌

抱式の分解写真5

このカテゴリーのページ一覧

免責事項

 弊サイトは、利用者がサイト内に掲載された情報を用いて行う一切の行為について、何ら責任を負うものではありません。

 サイト内における理論解釈等の説明は、管理人が学習過程における研鑽によって得たものからなされるものであり、その内容は他の流派の理論等を否定するものではありません。

 現在国内外において、多くの流派の高名で技術の高い伝承者の先生方が御指導を展開されておられます。あくまで当サイトの内容は、一つの考え方として利用していただけたら幸いです。