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対多人数戦で護衛護身の可能性を生む八卦掌の遊撃戦3大身法

(このページは、2022年1月14日に更新しました。)

八卦掌は、遊撃戦で複数人の敵と戦うことを想定した拳法です(師伝)。そのため、敵と接し対応する際の身法は、他の拳法流派と異なった独特のものとなっています。

敵と接する場面ではいくつかの身法が考えられますが、分類してみると3つのパターンに収まります。この3つを無意識に自在に扱うことで、敵の攻撃を避け、移動し、反撃をし、離脱したりするのです。

その3つの身法は、「斜進翻身法(しゃしんほんしんぽう)」・「外転翻身(がいてんほんしんぽう)」・「内転翻身(ないてんほんしんぽう)」となります。この3つ以外の細かい身法の開拓は、各人の工夫によって確立されるものです。このページでは、初学者の出発点として、これら3つの身法を解説していきましょう。

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対多人数遊撃戦時の身法は3つ

遊撃戦時の身法は、大きく分けて3つです。

  • 斜進翻身法(しゃしんほんしんぽう)
  • 外転翻身法(がいてんほんしんぽう).
  • 内転翻身法(ないてんほんしんぽう)

この3つの身法を用いて、敵中を移動し、敵の側面を横切り、敵の攻撃をいなし、敵に反撃し、敵から離脱します。

遊撃戦時の3身法は、八卦掌の基本歩法と基本発力に密接に結びついています。

斜進翻身法(しゃしんほんしんぽう)

主な使用歩法

遊歩(ゆうほ)・滑歩(かっぽ)

主な使用発力法

遊歩発力(ゆうほはつりょく)

外転翻身法(がいてんほんしんぽう)

主な使用歩法

扣歩(こうほ)・擺歩(はいほ)・点歩(てんほ)・跟歩(こんぽ)

主な使用発力法

扣擺発力(こうはいはつりょく)

内転翻身法(ないてんほんしんぽう)

主な使用歩法

扣歩(こうほ)・擺歩(はいほ)・点歩(てんほ)・滑歩(かっぽ)・遊歩(ゆうほ)

主な使用発力法

翻身発力(ほんしんはつりょく)

斜進翻身法(しゃしんほんしんぽう)

※この動画には音声が入ります。

典型身法の一つ、「斜進翻身法」は、敵の側面を通り過ぎながら攻撃する際に用いる身法です。

(1)滑歩もしくは遊歩で、敵の居ないところに向かって移動します

(2)敵が移動する我に向かって近づいてきます。射程距離に入るまで、自分から近づいたりせず、そのまま進みます。

(3)近づき、攻撃を仕掛けてくるので、少し進行方向を変えながら敵の攻撃をさばきます(四十八法における「半圏手法」の半歩斜め移動動作)。我の攻撃が何とか届く程度の距離を維持することで、敵の攻撃をうまくさばけなくとも痛撃を避けることができます。

(4)さばくのが終わったら間髪を入れず、遊歩で敵の側面を移動しながら、進む方向の手による攻撃、そして反対側の手で攻撃、の連続攻撃をしつつ、敵の居ないところに進んでいきます。

「半斜」とは、敵が近づいてきて攻撃してくると同時に、遠い間合いを保ちながら半歩移動でわずかに向きを変えつつさばく動作のことです。

練習では、この横方向へのスライド移動は、できる限り大きく行います。大きく行うことの大きな目的は、敵との遠い間合いを維持すること。遠い間合いを維持することは、防御動作に他なりません。維持しながらさばき、向きを変えていきます。

斜めから迫ってきた敵が攻撃してくると同時に斜め前の横方向へ突如移動することで、敵が我に定めている攻撃するうえでの照準を、わずかながらずらすことができます。

このわずかのずれは、身体流の生じている遊撃戦渦中では大変大きく、畳みかけるような連続攻撃による押し込み攻撃を避けることができるのです。敵はその場で連続して手を出してくるでしょうが、遠い間合いであるため、例えその攻撃をさばくことができなくても、当たることはなく、問題なく去っていくことができます。

敵(特に蹴り技を得意とするような武術に長けた人間)は、互いに構えて様子をうかがっている時に、ベストな距離をとっているものです(ステップを踏んでいる動作は、確実に距離を測っている証)。そして日頃から練習している間合いに相手が入ったら、攻撃を開始するのです。

こちらは、相手の射程距離に入ったと同時に、半歩踏みだして敵の照準からズレて、相手が一瞬戸惑っているうちに、最低2発程度の穿掌などの突き攻撃を、頭部~頸部にかけて打ち込みます。

打ちこむ際の順序は、進行方向の手で一発目を打ち、進行方向の反対側の手で2発目を打つことが基本となります(単招式「遊歩連穿(ゆうほれんせん)」の動きを参照)。

慣れてないと、スライド移動が短くなり敵の照準から逃れられず、かつ、こちらの攻撃も敵に届かず、手打ちになってダメージを与えられません。ダメージを受けなかった相手の、その後に続く力任せの攻撃の餌食になってしまいます。

インターネット上に上がっている多くの中国拳法大家の敗北動画を見ると、多くのケースで、敵の眼前できれいにさばこうとしてしている所作が見られます。一度や二度のさばきはできるだろうが、さばかれた相手は必ず、力任せの攻撃をしてくるものです。そうなると手わざに頼ったさばきは通用しなくなります。

ですから、こちらも半斜して攻撃をさばき、間髪を入れず遊歩で横移動しながら突き攻撃を打ち込んでいきます。

外転翻身

※この動画には音声が入ります。

もっとも八卦掌らしい動きの元となる身法が、『外転翻身』です。

動画は、前半は足の運びのみの動画となっています。手技・蹴り技(暗腿)をつけると、なにやら訳が分からなくなるため、練習においても最初は歩法のみで練習し始めます。

動画後半では、簡単な手技をつけた練習方法を示しています。簡単といえど、この後半で示した動きは、外転翻身の中核をなすうごきであるため、じっくりと見てほしい。

遊撃戦の典型身法の代表格でもある「外転身法」は、身体流の激しい対多人数戦の最中でも自然の流れで行いやすくスピードも落ちないため、多くの技で採用されている身法です。

老八掌「順勢掌」の動きがまさに外転翻身であり、順勢掌が老八掌の中で「老三掌(諸説あり)」として重要視されている点からも、この身法の有用性を感じることができます。

「外転翻身」の実戦用法を見に行く

内転翻身

※この動画には音声が入ります。

「内転翻身」は、八卦掌修行者が日頃から取り組む「走圏」の要領を試される身法です。

外転翻身に比べて、スピードの出にくい身法ですが、敵と向き合いながら移動するメリットがあります。

動画中は安定した状態で練習していますが、対多人数遊撃戦時においては、もっと移動速度の速い状態において内転するため、激しい遠心力や、身体流れの慣性が加わり、回り込む軌道が乱れます。

よって平素より、内転翻身を練習する際は、膝を開かず摺り寄せるように歩を進めます。八卦掌では「磨脛(まけい)」とも言われています

磨脛を意識していても、身体流れにより軌道にブレが生じ、敵から離れることがあります。意識をしないで内転すると、慣性によって、一・二歩くらいの間でしか、敵の側面にいることはできないでしょう。

慣れてくると、歩を進めるたびに間合いを微妙に変化させたりすることも可能となります。

技というものは、各技法の攻防において程よい「間合い」というものがあるため、これができるようになると内転翻身時に安定した状態で連続攻撃ができるようになります。

弱者生存の護衛護身武術を極めたい方へ~清王朝末期頃の昔日の八卦掌を国内で唯一伝える水野先生の道場「八卦掌水式門」入門方法

1.弱者生存第一の「単換掌の術理」に貫かれた成立当初(清王朝末期頃)のままの八卦掌を国内で唯一追求し指導する、稀代の八卦掌家

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門で八卦掌第7代を掌継させていただいた遠隔地門下生のsと申します(先生の指示で仮称とさせていただきます)。代継弟子の一人として、八卦掌水式門の紹介をしたいと思います。

石川県・遠隔地門下生

八卦掌水式門は、成立当初(清王朝末期頃)の「単換掌の術理(単換掌理)」に貫かれた「生存第一スタイル」の八卦掌を指導する、国内で極めて数の少ない八卦掌伝統門です。

八卦掌第6代の水野先生の伝える八卦掌は、敵前変化攻防の近代スタイル八卦掌が主流となっている現代において、対多人数移動遊撃戦による弱者使用前提撤退戦を貫いた異色の存在となっています。

先生の伝える八卦掌の最大の特徴は、やっぱり、「単換掌の術理(水式門で先生は、「単換掌理」と呼んで指導しています)」に徹している点。

「単換掌理」とは、敵と接触を極力さけ、敵の力とぶつからない方向へ移動しながら対敵対応をする術理です。間合いを取り、逃げることを正当な戦法とし、力がぶつからないため、女性やお子さん・お年を召した方にとって最も現実的な護身術となっています(※よって水式門では、私を含め、女性の修了者さんが多いです)。

単換掌理を理解するには、修行の初期段階に、掌理に熟練した指導者による対面での練習を通して対敵イメージをしっかりと構築することが必要不可欠、だと先生は言います。

「単換掌理系の技は、対人走圏で養った移動による間合い取りと、敵の引きつけ引き込み技術、転身技術とで実行する技。現実的で明確な敵のイメージを持って練習しないと、実戦でとまどうことになる」は先生の口癖ですね。

相手の侵入してくる角度や強度、そして敵動作に対する自分の身体の使い方を、先生の技を受け、または先生に試し打ち(!)をしながら自ら身体を動かして学んでいく必要があります。それは初心者には果たせない役割。水式門では、先生がいつも相手をしてくれるし、新しい技を始動するとき、使い方もしっかりと見せてくれるから、一人の練習の時でも、イメージが残るんです。

よって最初から全く一人で行うことは、リアルな敵のイメージが分からない点から、大変難しいものとなります。この問題は、私がこの場で、先生の指導を受けたほうがといいと強くすすめる理由となっています。

私も遠隔地門下生。先生が富山に来たときは、集中的に相手になってもらいました。石川県という遠くであっても、先生の教え方のおかげで、ブレずにここまで来ることができました。

単換掌理に基づいた弱者生存第一の八卦掌を指導する八卦掌の教室は、全国にほとんどありません(それか、公にしていません)。弱者使用前提がゆえの現実的方法で自分を守る武術に興味がある方。力任せの攻撃にも負けない八卦掌を極めたいと思う方は、水式門の扉を叩いてください。水式門なら確実に、弱気が生き残るための技術を学ぶことができます

2.八卦掌水式門は、入門審査を通った者が門下生となることができる純然たる「伝統門」道場

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門は、代表である水野先生が、八卦掌第5代(梁派八卦掌第4代伝人)である師より指導許可を受けて門を開いた、純然たる「伝統門」です。それゆえ、入門資格を満たしているかを判断する入門審査(問いあわせ~体験までの態度を見ての総合判断)を、入門希望者すべての方に例外なく行っております。もちろん私も受けたうえで入りました。

水野先生が指導する八卦掌は、護身術であれど、一部に当然殺傷技法が伝えられ、昔の中国拳法と同じく実戦色が強い八卦掌。誰それ構わず指導することはいたしません。

特に先生は、拳法を始めた動機も真剣。自分を律することができない人間に伝えてしまい、それで人が傷つけられてしまう事態を招くことを、心から心配しています。

よって、以下で掲げてある「入門資格」を満たした人間だと判断した場合にのみ、先生は受け継いだ技法をお伝えしています。「八卦掌の伝統門として、門が負うべき当然の義務と配慮」。これも先生が常に話す口癖ですね。

水式門には『弱者生存の理で貫かれた護衛護身術「八卦掌」を日本全国各所に広め、誰もが、大切な人・自分を守る技術を学ぶことができる環境を創る』という揺るぎない理念があります。

先ほども触れたように、己を律することのできない人間に伝えてしまうことは、技法が濫用され第三者が傷つく事態を招き、理念実現に真っ向から反する結果を生んでしまいます。

水野先生は、門入口を無条件に開放して指導し門を大きくすることより、たとえ審査を設けて応募を敬遠されたとしても、少なからずいる暴力的・非常識な人間に伝わってしまう事態を避けることを重視しています。

ここまで書くと、なかなか入ることのできない難しい道場だと思うかもしれませんが、そんなことはありません。審査はありますが、一般的な常識と礼節、思いやりがあれば、心配する必要は全くありません

指導を受けてみれば分かるのですが、先生はいつも、門下生のことを考え、熱心に指導してくれ、怒鳴ったりもなく、笑顔です。安心してください(無礼な態度や乱暴なふるまいには、ベテラン・初心者関係なく厳しいですが)。

審査を通過した正式門下生には、「誰もが大切な人、自分を守ることができる八卦掌」の全てを、丁寧に、熱心に。真剣に教えてくれます

迷ってるあなた。水式門には、積み重ねるならば、弱者と言われる者でも高みに達することができる技術体系があります。先生の温かく熱心な指導で、「守る」強さを手にしてみませんか。

3.入門手続き

八卦掌水式門の正式門下生となるためには、個別指導科における近代八卦掌コースを除いたすべての科において、仮入門期間(体験入門日から一カ月経過もしくは体験入門を含めた3回の練習参加)を経る必要があります(指導内容が他人を傷つける技術を含むため)。この期間を経過した後、入門を希望する方は、以下の手続きに従い、入門申請をしてください。

手順1 申込フォーム記載申請と体験入門参加

各科とも以下の問い合わせフォームに必要事項を記載のうえ体験入門を申請する。

手順2 本入門希望者は、「本入門申請フォーム」より、本入門申請をする

体験入門を含めた仮入門期間経過後、本入門を希望する方は、各科共通の 本入門申請フォーム より、本入門申請をしてください。本入門を認めるかどうかの判断をさせていただきます。

「入門資格・入門時誓約事項・入門時特記事項」については、こちら にて必ず目を通し、理解したうえで本入門申請をすること。

「入門資格・入門時誓約事項・入門時特記事項」

本入門申請意思受領後、本入門審査を経て、結果のメールを送信します。本入門許可者には、入門案内のメ―ルを送信しますので、メール文中に記載されている弊門指定の銀行口座に初月指導料を振り込んでください。

※入門許可メール送信後、送信日を含めて14日以内に入金がない場合は、入門の意思がなくなったと判断し、申請はなかったものとさせていただきます。

※本入門が許可されなかった場合についてのクレーム・理由開示要求には、例外なく対応いたしませんのでご了承ください。

手順3 「入門誓約書」のダウンロード

下のリンクにて「入門誓約書」をダウンロードし、内容を確認。誓約書の内容に同意するならば、同書類を印刷し、必要事項を記載の上、本入門後の初回練習時に持参する。

「入門誓約書」のダウンロード

※ダウンロードができない方は、shiroikukmoajisai@gmail.com 宛にご連絡ください。

手順4 練習会に初参加

上記「入門誓約書」を持参の上、グーグルカレンダー記載の希望各科の練習会に参加する。

※「入門誓約書」を必ず持参すること。持参し忘れ2回目の者には例外なく指導しない。ダウンロードができなかった理由で持参出来なかった者は、必ずそのむねを告げること。

※カレンダーが、参加する科のカレンダーであるかどうかを、しっかりと確認すること。

※各科とも、参加希望日の前日の24時までに、に、参加メール「例文:○○です。○○日参加します」とメールを入れること(場所変更の可能性があるため)。

八卦掌水式門富山本科イメージ