遊撃八卦双短棒・五型「双按穿棒」:動作解説
刃物を持った相手と対する中距離間合いの練習型「双按穿棒」。双短棒で蹴り技はNG。
「按」の動作が初心者にも行いやすいのは、棒でも同じです。しかし、今回の敵の攻撃は、刃物を持った刺突攻撃なので、徒手の場合の按に比べ、タイミングの難しさや恐怖心が伴います。
刃物の場合、刀身が少しでも我の身体に触れればそれでダメージを喰らうため、棒によって間合いをしっかりと取ることを意識しましょう。決して不用意に近づかないこと。慎重さを心掛ける。
絶対にしてはならないことが、蹴り技による先制攻撃。これは八卦双短棒全体でも言えることです。八卦双短棒(遊撃戦八卦掌の他の武器術でも同じ)では、蹴り技は行いません。
蹴り技は、よほど熟練した蹴りの名手でないかぎり、手より動作が遅く、かつ的も大きいため、斬撃による攻撃を受けやすい。また、蹴りだした先に刃先があると、勢い余って脚に刺さる。
脚にも太い血管があるため、それを斬られたら、わずか2分足らずで動けなくなり、死に至ります。蹴り技は、刃物を持った相手に対しては決して行わないこと。
相手が素人であっても、刃物はかなり速く振り回すことができます。刃物を振りまわしている場合は、とにかく間合いを取る。強引は攻撃(特に蹴り)は絶対にしない。
払われるとバランスを崩し命とりの「穿」棒。前のめりの穿は避けること。
双按穿棒は、刃物を持った相手に、棒で間合いを取る型。攻撃も、遠い間合いから棒で突くように攻撃します。その時、決して身体ごと突かないことです。
穿による攻撃は、横に払われると、バランスを崩しやすいのです。刃物を持った敵の前で横払いより穿の軌道をずらされ身体を崩すことは、最悪の結果を生みだします。
よって、双按穿棒における2回の按の後に行う穿棒は、決して身体ごと前に出して突いてはなりません。突きながらも、いつでも身体をコントロールできる状態にしておきます。あくまで中距離~遠距離の間合いを保ちつつ穿棒するのです。
最初の穿棒攻撃をした後は、すかさず、後方から迫りくる敵に対するけん制攻撃に移っていきます。「拍」でけん制攻撃をします。この時「撩」でけん制攻撃をしてもかまいません。けん制なので、当たらなくてもいいですが、思い切って行うこと。
動画中では拍でのみ解説をしていますが、撩で反転するパターンも練習しておきましょう。反転動作にバリエーションが増えるでしょう。
けん制攻撃の後は、一歩踏み出して再び「穿」で刺突攻撃をします。先ほども言いましたが、前のめりにならないこと。八卦掌における進歩穿掌の通りに、ここは技を繰り出していきます。
遊撃八卦双短棒・五型「双按穿棒」:用法解説
動画における打つ態勢、そして攻撃箇所、そして敵の攻撃の受け方は、その時の状況に応じて変わっていきます。
動画における例は、本当にスタンダードに、正面の敵が攻撃をしてきた場合の用法となっています。しかし、どのような態勢となっても、もしくはどの箇所を突くにしても、前のめりになって全体重を預けてしまうようなことはしません。
双按穿棒の変化型では、多人数戦相手の遊撃戦がメインとなっています。ここはまだ変化型ではないため、敵の想定も、前がメイン。後ろは攻防の最中に近づいてくる・・・という設定です。
この段階で、移動をあまり行わない状態における穿の命中率をあげておきます。敵の正中線上を射抜く穿。
横に少し振れてから頸部付近を斜め前から打ち抜く穿。
大きく横にそれながら按をし、2度目の按をしながら移動をし続け、後方頭部を打つ穿。
全部死穴が点在する箇所であり、成功するか否かで生死を分かつ決死技法であるということがわかります。
しかし相手は刃物を持っているためこちらの最大の失敗(穿攻撃が失敗し、態勢を崩し相手の斬撃に対応できなこと)は最悪の結果につながります。
よって最大の失敗だけは避けるため、ここでしっかり、重心を前足と後ろ足の真ん中付近に残しながら打つ穿を、様々な防御方法・攻撃目標になっても実行できるように練習します。
一回目の按は、敵の攻撃を防ぐことがメイン。そして2回目の按は、敵の攻撃腕を押さえながら我が身を有利な場所に移動させる按。
よって用法を意識した練習では、2回目の按で、自分の行きたい場所と過程の防御動作を明確にして練習します。
遊撃八卦双短棒・五型「双按穿棒」:変化型解説
双按穿棒では、回身双棒ももちろん参考となりますが、どちらかというと老八掌の順勢掌の身法に大きな影響を受けている型と言えるでしょう。
そもそも順勢掌が、敵の側面を通り抜ける瞬間の近い場所で、背中を一瞬見せながら高速で転身しつつ攻撃する型でした。双按穿棒の変化型では、その動きを2発目の穿棒とともに行います。
2発目穿棒は、敵に前進しながら打ち、そこで順勢掌の仆歩穿掌に至る際の身法を利用します。打ちながら身体を入れ、その動作に伴って2発目穿棒を打った手を我の頭上まで引き上げるのです。
引きあげながら我の身体は素早く転身し、すぐに敵の方向に向くことになるので、そこから再び攻撃に移ります
大劈で振り下ろしてもいいですし、小劈で敵の顔面部を瞬撃してもいいでしょう。身体の慣性を利用し、袈裟斬りで痛撃してもいいですね。
大事なことは、身体の移動を伴いながら打つことを強く意識することです。これは遊撃戦の基本となります。
双按穿棒の変化型は、他の変化型に比して最も八卦掌の動きを採り入れたものであるため、何度も繰り返すことすすめます。
弱者生存の護衛護身武術を極めたい方へ~清王朝末期頃の昔日の八卦掌を国内で唯一伝える水野先生の道場「八卦掌水式門」入門方法
1.弱者生存第一の「単換掌の術理」に貫かれた成立当初(清王朝末期頃)のままの八卦掌を国内で唯一追求し指導する、稀代の八卦掌家
八卦掌水式門で八卦掌第7代を掌継させていただいた遠隔地門下生のsと申します(先生の指示で仮称とさせていただきます)。代継弟子の一人として、八卦掌水式門の紹介をしたいと思います。
八卦掌水式門は、成立当初(清王朝末期頃)の「単換掌の術理(単換掌理)」に貫かれた「生存第一スタイル」の八卦掌を指導する、国内で極めて数の少ない八卦掌伝統門です。
八卦掌第6代の水野先生の伝える八卦掌は、敵前変化攻防の近代スタイル八卦掌が主流となっている現代において、対多人数移動遊撃戦による弱者使用前提撤退戦を貫いた異色の存在となっています。
先生の伝える八卦掌の最大の特徴は、やっぱり、「単換掌の術理(水式門で先生は、「単換掌理」と呼んで指導しています)」に徹している点。
「単換掌理」とは、敵と接触を極力さけ、敵の力とぶつからない方向へ移動しながら対敵対応をする術理です。間合いを取り、逃げることを正当な戦法とし、力がぶつからないため、女性やお子さん・お年を召した方にとって最も現実的な護身術となっています(※よって水式門では、私を含め、女性の修了者さんが多いです)。
単換掌理を理解するには、修行の初期段階に、掌理に熟練した指導者による対面での練習を通して対敵イメージをしっかりと構築することが必要不可欠、だと先生は言います。
「単換掌理系の技は、対人走圏で養った移動による間合い取りと、敵の引きつけ引き込み技術、転身技術とで実行する技。現実的で明確な敵のイメージを持って練習しないと、実戦でとまどうことになる」は先生の口癖ですね。
相手の侵入してくる角度や強度、そして敵動作に対する自分の身体の使い方を、先生の技を受け、または先生に試し打ち(!)をしながら自ら身体を動かして学んでいく必要があります。それは初心者には果たせない役割。水式門では、先生がいつも相手をしてくれるし、新しい技を始動するとき、使い方もしっかりと見せてくれるから、一人の練習の時でも、イメージが残るんです。
よって最初から全く一人で行うことは、リアルな敵のイメージが分からない点から、大変難しいものとなります。この問題は、私がこの場で、先生の指導を受けたほうがといいと強くすすめる理由となっています。
私も遠隔地門下生。先生が富山に来たときは、集中的に相手になってもらいました。石川県という遠くであっても、先生の教え方のおかげで、ブレずにここまで来ることができました。
単換掌理に基づいた弱者生存第一の八卦掌を指導する八卦掌の教室は、全国にほとんどありません(それか、公にしていません)。弱者使用前提がゆえの現実的方法で自分を守る武術に興味がある方。力任せの攻撃にも負けない八卦掌を極めたいと思う方は、水式門の扉を叩いてください。水式門なら確実に、弱気が生き残るための技術を学ぶことができます。
2.八卦掌水式門は、入門審査を通った者が門下生となることができる純然たる「伝統門」道場
八卦掌水式門は、代表である水野先生が、八卦掌第5代(梁派八卦掌第4代伝人)である師より指導許可を受けて門を開いた、純然たる「伝統門」です。それゆえ、入門資格を満たしているかを判断する入門審査(問いあわせ~体験までの態度を見ての総合判断)を、入門希望者すべての方に例外なく行っております。もちろん私も受けたうえで入りました。
水野先生が指導する八卦掌は、護身術であれど、一部に当然殺傷技法が伝えられ、昔の中国拳法と同じく実戦色が強い八卦掌。誰それ構わず指導することはいたしません。
特に先生は、拳法を始めた動機も真剣。自分を律することができない人間に伝えてしまい、それで人が傷つけられてしまう事態を招くことを、心から心配しています。
よって、以下で掲げてある「入門資格」を満たした人間だと判断した場合にのみ、先生は受け継いだ技法をお伝えしています。「八卦掌の伝統門として、門が負うべき当然の義務と配慮」。これも先生が常に話す口癖ですね。
水式門には『弱者生存の理で貫かれた護衛護身術「八卦掌」を日本全国各所に広め、誰もが、大切な人・自分を守る技術を学ぶことができる環境を創る』という揺るぎない理念があります。
先ほども触れたように、己を律することのできない人間に伝えてしまうことは、技法が濫用され第三者が傷つく事態を招き、理念実現に真っ向から反する結果を生んでしまいます。
水野先生は、門入口を無条件に開放して指導し門を大きくすることより、たとえ審査を設けて応募を敬遠されたとしても、少なからずいる暴力的・非常識な人間に伝わってしまう事態を避けることを重視しています。
ここまで書くと、なかなか入ることのできない難しい道場だと思うかもしれませんが、そんなことはありません。審査はありますが、一般的な常識と礼節、思いやりがあれば、心配する必要は全くありません。
指導を受けてみれば分かるのですが、先生はいつも、門下生のことを考え、熱心に指導してくれ、怒鳴ったりもなく、笑顔です。安心してください(無礼な態度や乱暴なふるまいには、ベテラン・初心者関係なく厳しいですが)。
審査を通過した正式門下生には、「誰もが大切な人、自分を守ることができる八卦掌」の全てを、丁寧に、熱心に。真剣に教えてくれます。
迷ってるあなた。水式門には、積み重ねるならば、弱者と言われる者でも高みに達することができる技術体系があります。先生の温かく熱心な指導で、「守る」強さを手にしてみませんか。
3.入門手続き
八卦掌水式門の正式門下生となるためには、個別指導科における近代八卦掌コースを除いたすべての科において、仮入門期間(体験入門日から一カ月経過もしくは体験入門を含めた3回の練習参加)を経る必要があります(指導内容が他人を傷つける技術を含むため)。この期間を経過した後、入門を希望する方は、以下の手続きに従い、入門申請をしてください。
手順1 申込フォーム記載申請と体験入門参加
各科とも以下の問い合わせフォームに必要事項を記載のうえ体験入門を申請する。
手順2 本入門希望者は、「本入門申請フォーム」より、本入門申請をする
体験入門を含めた仮入門期間経過後、本入門を希望する方は、各科共通の 本入門申請フォーム より、本入門申請をしてください。本入門を認めるかどうかの判断をさせていただきます。
「入門資格・入門時誓約事項・入門時特記事項」については、こちら にて必ず目を通し、理解したうえで本入門申請をすること。
本入門申請意思受領後、本入門審査を経て、結果のメールを送信します。本入門許可者には、入門案内のメ―ルを送信しますので、メール文中に記載されている弊門指定の銀行口座に初月指導料を振り込んでください。
※入門許可メール送信後、送信日を含めて14日以内に入金がない場合は、入門の意思がなくなったと判断し、申請はなかったものとさせていただきます。
※本入門が許可されなかった場合についてのクレーム・理由開示要求には、例外なく対応いたしませんのでご了承ください。
手順3 「入門誓約書」のダウンロード
下のリンクにて「入門誓約書」をダウンロードし、内容を確認。誓約書の内容に同意するならば、同書類を印刷し、必要事項を記載の上、本入門後の初回練習時に持参する。
※ダウンロードができない方は、shiroikukmoajisai@gmail.com 宛にご連絡ください。
手順4 練習会に初参加
上記「入門誓約書」を持参の上、グーグルカレンダー記載の希望各科の練習会に参加する。
※「入門誓約書」を必ず持参すること。持参し忘れ2回目の者には例外なく指導しない。ダウンロードができなかった理由で持参出来なかった者は、必ずそのむねを告げること。
※カレンダーが、参加する科のカレンダーであるかどうかを、しっかりと確認すること。
※各科とも、参加希望日の前日の24時までに、に、参加メール「例文:○○です。○○日参加します」とメールを入れること(場所変更の可能性があるため)。