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なぜ「いじめ護身部」を開いたのか|戦いはまだ続いているから

(このページは、2024年7月15日に更新しました。)

いじめ護身部を訪れてくれてありがとう。

勇気をもって立ち上がろうとしている君へ。私も、気取ったりしないで、なぜ、「いじめ護身部」を開いたのか、隠さずに話したい。

強くなかった。いじめの暴力に、負けてしまった。そんな経験の中で、なんとか気持ちを持ち直し、立ち上がり、ここまでやってきた。そしてまだ、この戦いは終わっていない。

私も、君と同じなんだ。時に下を向き、時に気持ちが高揚したかと思えば、また下を向き。自信満々だったんじゃない。しかし戦うための技術・マインドを伝えるためには形にする必要があるため、失敗を繰り返しながら、やっと形を整えることができた。

一緒に戦う仲間へ。いじめ護身部最初のメッセージとして、「いじめ護身部」を開いた理由を、話したい。

八卦掌と出逢いと、八卦掌を極める道を貫く理由

始まり。いじめを受け始めた同級生をかばうため、独学で「八卦掌」の道を歩き始めた

中学校1年生の時から、武術をやりはじめ、始まりから一年後八卦掌をやり始めた。当時は私の住んでいる街には八卦掌の道場などあるはずもなく、本を見ての独学だった。

それまでは少年野球をやっていて、親戚の伯父さんがたまにスキーに行くことを心底うらやましがっていた普通の少年だった。武術には全く興味がなく、ブルース・リーやジャッキー・チェンの映画も見た事がなかった。むしろ、武道にかかわるものは苦手だった。

中国拳法八卦掌と武林志

なぜそんな少年が、よりによって武術、そして空手とか少林寺拳法とかではなく、中国拳法の八卦掌などを始めたのか。

それは、突然いじめを受け始めた同級生を守るため、だった。いじめを加える集団には、ケンカ自慢もたくさんいた。当時の私は、本当に弱虫だったため、かばう際、何度も脅され、無力を感じてた。強くならなければ、きっと負ける。怖くてたまらなかったけど、その同級生を守ることで頭がいっぱいだった。

強くなるには、何かしらの武道を習わなければ・・・。しかし家の近くにある武道の道場はすべて、以前から他の同級生らが通っていたため、ここで入門したら、もっと標的にされる、と当時の私は考えた。

そこで思い浮かんだのが、カンフー(中国拳法)だった。以前本屋で、中国拳法の紹介本を見たことがあったので、そのような本を買って一人練習すれば・・・と実に素直に考えた。

思い切って名古屋まで行き、大きな本屋をまわったが空手関連の本しかなく、仕方なくそれを買って帰ってきた(この本は後に一人用法を研究する際、大変役立った)。その後、しばらくは、中国拳法の一般的な華麗な拳法(恐らく、弾腿)を練習していた。

しばらくしてふと思い出し、地元の小さな書店に行ったら、驚くことに「中国拳法 八卦掌」が在庫で置いてあったため、即座に買った。

数日間ひとりで練習していたら、ふと、以前映画好きの伯父さんの家で見たカンフー映画の動きに似ていることに気づき、即座に伯父さんの家に行き、ダビングによって画質の悪くなったそのVHSを借りて、動きを参考にして練習し始めた。題名は書いてなく、伯父さんも映画の名前を知らなかった(のちに梁派八卦掌の先生の何気ない紹介で『武林志』と知ることになる)。

人生を変える結末。最初がいきなり「多人数戦」となってしまった。敗北し守ることができなかった

対多人数移動遊撃戦にこだわること、そして大切な人を守ることにこだわる理由を説明するには、この出来事が原因であり避けては通ることができないため、触れていく。

かばい続ける中で、私はどんどん目立ち標的となり、ついに直接対決となった。きっかけは、眼の前で行われた同級生に対する辛辣な嫌がらせだった。激高し突撃をし、その日は取っ組み合いの最中に先生が来たため終わった。しかし次の日も再び辛辣な嫌がらせが繰り返されたため、それに憤激し再度乱闘となった。

練習してきたことは、今思えば、直接は役に立たなかった(本の内容は短期速習であるはずがないため、間に合わなかった)。しかし戦う勇気は湧いてきて、殴られてもなんとか立っていた。しかし相手は体格が私より大きな複数人の男子同級生。眼の前の男子と組み合っている時、突然後方から椅子で殴打され、そこで倒れ込んだところを自在ほうきの柄でめった突きされ痛恨の敗北をしてしまった。

その瞬間以後から、同級生に対するいじめが急速にエスカレートし、陰湿な中傷が行われれるようになった。エスカレートするいじめを止めることができず、同級生は不登校となり、学校に来ることは二度となかった。

底からの決意。心を閉ざした中から生まれた「今度こそ守りぬく」という目的

この出来事は、私の信頼していた人に話したことを最後に、誰にも話すことができなくなった。辛くて打ち明けたら、激しく批判されてしまったからだ。10代少年の私にとってその批判は大変辛いもので、以後、「とんでもないことをしてしまった」という罪の意識と、批判されることに対する恐怖で、誰にも話すことが出来なくなった。親にすら、話さなかった。

数年後、同級生の親族より、かばって事態が悪化した結果を恨んでなかったことや、味方になってくれたことを感謝していた事実を知らされ、激しく落ち込み、後悔した。その時ではもう事態は最悪の結果になっており、取返しがつかなかった。

何も考えることもできないくらい苦しんだ。自信など当然失い、卑屈になり、自分を卑下して人との関係を保ち、自分の意見を言わず、人の目ばかりを気にしておどおどしていていた。大切な人を守るために拳法を、なんてことは誰にも言わず、ひっそり練習しながら世間に認められやすい路線に無理やり己の夢を変化させ人に話し、そして失敗ばかりを繰り返し。

そんな中でも、練習だけは止めなかった。拳法を取り組むこと自体を否定し、攻撃してくる外部の圧力には必死に抵抗してきた」。八卦掌だけは自分の最後の砦だったから。

滑走音あり。白馬岩岳にて。

同級生のお姉さんの「拳法もいいけど、自分の好きなこともした方がいい」との勧めで、小学生の頃からやってみたかったスキーを始めたのも、このころ。小さい頃に経験があったのだが、本格的にしてみたいと思い、取り組んだ。八卦掌が持久力の拳法だと分かった後だったので、アルペンではなく、クロスカントリースキ-を選んだ。

この決断は、周りを大いに驚かせた。私の周りの親類などは、「なぜあれなの?」「おっさんくさい」と言って笑ったが、当然本当の理由は言わなかった。ただ持久力をつけたかった。拳法ばかりの生活の気分転換になる・・・そう思って、冬の間は特に力を入れて滑っていた。

「長野オリンピックで、クロスカントリースキーがカッコよかったから」などと、適当な理由を言って流し、八卦掌の持久力向上のため、黙々と取り組んだ。

必死の抵抗をし続けながら時を重ねていると、きっかけごとにで自分の実力が自然と積みあがっていることに気づく。その気づきの複数回の繰り返しが、同級生に「守る」と宣言した記憶を思い出させ、「誰かにとって大切な人、今度こそ守り切ってみせる」という決意へと導いた。

その決意は、指導する可能性が生まれてきた時から、「『弱者のための武術・八卦掌』を少しでも多くの人に伝え、優しい人が大切な人や自分を守ることができるようになる道を拓く」という、より大きな目的へと変わっていった。

代表にとってとても大事な「八卦掌水式門」という名前の由来

人に教えられるようなった時、その時が来たら、拳法をはじめた理由と、門の名前の由来を公にしようと決めていました。とても勇気の要ることでしたが、いじめで苦しんでいるみんなに、包み隠さず話すことで、私のいじめ護身部に対する真剣さを知ってもらって励みにしてもらいたいと思ったため、公開を決断しました。

「八卦掌水式門」で指導する八卦掌は、弱者使用前提・対多人数移動遊撃戦・武器操法重視という独特の特徴があります。これは他の道場では指導していない当門独自の指導内容であるため、『だから「水野式」ゆえに「八卦掌水式門」なのだろう』と考えます。しかし独自のコンセプトであることとは何ら関係がありません。

清朝末期頃成立当時の八卦掌は対多人数を想定し徹底した移動遊撃戦で戦う拳法だった。当門の八卦掌はその特徴をひたすら追い求めているだけ。

前述した、守ることができなかった同級生は私のことを昔から「水野式人(しきと)」とわざと呼んでいて、不登校となる前、私が拳法を始めたことを知ったら嬉しそうに「であるならば、将来道場開くの?開くなら名前は水式塾?水式館?・・・大きくなったら『水式門』だね」と笑顔で話してくれました。

八卦掌水式門の名前の由来

水の如くとか、水野独自の技術体系だから・・・ではないのです。弊門の八卦掌は、昔からある八卦掌であり、私の独自のコンセプトではありません。

同級生との忘れられない会話。もう40年近くも前の会話なのに、あの時の空気、笑顔、皆覚えています。門の名前の由来であり、拳法を始めて護衛者の気になっていた愚かな自分に対する一生の戒めの言葉となる会話であり、何より、これからの私を支える会話です。

同級生の言葉の通り、2019年の指導開始時は「八卦掌水式塾」として立ち上げ、2022年1月の進むべき道の決断に伴って公の場でも本格的に改称を発表し「八卦掌水式門」と名を改めました。清末のままの八卦掌が、日本全国に広まったら、必ず、最後の名前『八卦掌水式館』にします。

残された私に与えてくれた門名に恥じぬよう、生き切ってそちらに行った際同級生に胸を張って報告ができるよう、これからの指導人生では、打ち立てた志を実現するためにだけ前に進んでいきます。

スタートラインにつくまでに、35年もかかってしまいました。どうかもう少し、見ていてください。

弱者生存の護衛護身武術を極めたい方へ~清王朝末期頃のままの八卦掌「清朝末式八卦掌」を国内で唯一伝える水野先生の道場「八卦掌水式門」入門方法

1.八卦掌水式門~清朝末期成立当時の原初スタイル八卦掌「清朝末式八卦掌」を国内で唯一指導する稀代の八卦掌家・水野先生の道場

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門で八卦掌第7世を掌継させていただいた、掌継人のsと申します(先生の指示で仮称とさせていただきます)。掌継門人の一人として、八卦掌水式門の紹介をしたいと思います。

石川県・遠隔地門下生

八卦掌水式門は、清朝末期成立当時のままの原初スタイルの八卦掌「清朝末式八卦掌」を国内で唯一伝える八卦掌専門道場です。「単換掌の術理(単換掌理)」による「弱者使用前提」・「生存第一」の技術体系からぶれず、成立当時の目的を一心に貫く伝統門です。

八卦掌第6世の水野先生の伝える八卦掌は、強者使用前提・対一人・対試合想定の近代格闘術的八卦掌が主流となっている現代において、対多人数移動遊撃戦による弱者使用前提の撤退戦を貫いた極めて異色の存在となっています。

先生の伝える八卦掌の最大の特徴は、「単換掌の術理(水式門で先生は、「単換掌理・たんかんしょうり」と略して指導しています)」に徹している点です。

「単換掌の術理」とは、敵と接触を極力さけ、敵の力とぶつからない斜め後方へスライド移動しながら対敵対応をする、「相手次第」を排し「自分次第」にシフトした術理です。

間合いを取り、敵と力がぶつからない場所へ移動しながら「去り打ち」することを正当な戦法としているため、女性やお子さん・お年を召した方にとって極めて現実的な護身術となっています(※よって水式門では、私を含め、女性の修了者さんが多いです)。

単換掌の術理を理解するには、修行の初期段階に、術理に熟練した指導者による対面での練習を通して対敵イメージをしっかりと構築することが必要不可欠、だと先生は言います。

『八卦掌は「勢(せい)」が命の武術。前に向かってひたすら進み続けることで勢を維持せよ。後ろ敵は勢があれば追いつけない。横敵には単換掌の術理・斜め後方スライドで対応せよ。電撃奇襲をすることで、守るべき人に手を出させない、囮(おとり)護衛による中国産護衛護身武術なんだ』は先生の「口癖」化した説明ですね。

相手の侵入してくる角度や強度、そして敵動作に対する自分の身体の使い方を、先生の技を受け、または先生を試し打ちをしながら自ら身体を動かして学んでいきます。 先生は、「私の技を受けるのが最も上達する近道となる。しっかりと見てイメージを作り、独り練習の際、そのイメージを真似するんだぞ。」と語り、常に相手になってくれます。 それは初心者には果たせない役割。水式門では、先生はいつでも技を示してくれます。相手もしてくれるし、新しい技を指導するとき、使い方もしっかりと見せてくれるから、一人の練習の時でも、イメージが残るのです。

よって最初から全く一人で行うことは、リアルな敵のイメージが分からない点から、大変難しいものとなります。この問題は、私がこの場で、先生の指導を受けたほうがといいと強くすすめる理由となっています。

私も石川県在住時は遠隔地門下生でした。先生が富山に来たときは、集中的に相手になってもらいました。石川県という遠くであっても、先生の教え方のおかげで、ブレずにここまで来ることができました。

単換掌の術理に基づいた弱者生存第一の八卦掌を指導する八卦掌の教室は、日本国内では水式門だけです(それか、公にしていません)。

弱者使用前提がゆえの現実的方法で自分を守る武術に興味がある方。力任せの攻撃にも負けない護身術や八卦掌を極めたいと思う方は、水式門の扉を叩いてください。水式門なら、弱者が生き残る可能性を生じさせる八卦掌中核技術を、明快に学ぶことができます

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2.八卦掌水式門は、仮入門制の有る純然たる「伝統門」道場

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門は、代表である水野先生が、八卦掌第5世(梁派八卦掌第4世伝人)である師より指導許可を受けて門を開いた、純然たる「伝統門」です。それゆえ、入門資格を満たしているかを判断する仮入門制(仮入門期間中の人柄・態度を見て本入門を判断する制度)を、入門希望者すべての方に例外なく適用しています。もちろん私も仮入門期間を経て本入門しました。

水野先生が指導する八卦掌は、綺麗ごとのない護衛護身武術。一部に当然殺傷技法が伝えられ、昔の中国拳法と同じく実戦色が強い八卦掌。誰それ構わず指導することはいたしません。

特に先生は、拳法を始めた動機も真剣。他者への思いやりに欠ける人間に伝えてしまい、それで人が傷つけられてしまう事態を招くことを、心から心配しています。

よって各科に掲載された「入門資格」を満たした人間だと判断した場合にのみ、先生は本入門を認め、受け継いだ技法をお伝えしています。「八卦掌の伝統門として、門が負うべき当然の義務と配慮」。これも先生が常に話す口癖ですね。

水式門には『弱者生存の理で貫かれた護衛護身術「八卦掌」を日本全国各所に広め、誰もが、大切な人・自分を守る技術を学ぶことができる環境を創る』という揺るぎない理念があります。

先ほども触れたように、他者への思いやりに欠ける人間に伝えてしまうことは、技法が濫用され第三者が傷つく事態を招き、理念実現に真っ向から反する結果を生んでしまいます。

水野先生は、門入口を無条件に開放して指導し門を大きくすることより、たとえ仮入門制を設けて応募を敬遠されたとしても、他者への思いやりに欠ける人間に伝えてしまう事態を避けることを重視しています。

ここまで書くと、なかなか入ることのできない難しい道場だと思うかもしれませんが、そんなことはありません。仮入門制はありますが、一般的な常識と礼節、思いやりがあれば、心配する必要は全くありません

指導を受けてみれば分かるのですが、先生はいつも、門下生のことを考え、熱心に指導してくれ、怒鳴ったりもなく、笑顔です。安心してください(無礼な態度や乱暴なふるまいには、ベテラン・初心者関係なく厳しいですが)。

仮入門期間を経て本入門となった正式門下生には、「誰もが大切な人、自分を守ることができる清朝末式八卦掌」の全てを、丁寧に、熱心に、真剣に教えてくれます

迷ってるあなた。水式門には、積み重ねるならば、弱者と言われる者でも高みに達することができるシンプルで明快な技術体系があります。先生の温かく熱心な指導で、「守る」強さを手にしてみませんか。

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八卦掌水式門富山本科イメージ