7つの移動遊撃戦練習とは?
- 練習(1):敵を後ろにおいて間合いを保った状態を維持する練習
- 練習(2):迫ってきた敵に対し、その場から一気に離脱する練習
- 練習(3):敵に接近して攻撃しつつ離脱スライドする練習
- 練習(4):敵に極めて接近した状態で離脱スライドしつつ、自由に変化しながら攻防する練習
- 練習(5):敵の側面を離脱した後、後方スライドで後ろ敵に対抗する練習
- 練習(6):後ろ敵に対抗した後、振り向きざまの前敵に対処する練習
- 練習(7):旋回に際し、身法を利用して身体をきりもみ旋回しながら移動する練習
これらの段階の練習をするために、それぞれ欠かすことのできない練習が、水式門の練習過程では用意されている。これらのパターンごとの練習を無意識レベルでできるまで繰り返すと、対多人数移動遊撃戦の渦中でも、身体が勝手に動いてくれるようになる。その段階になって、初めて生存の可能性が生じる。
練習(1)~練習(2)は、単換掌理対敵身法の対人基本練習となる。対敵イメージ走圏と、単換掌理対敵身法の基本練習で技術を高める。
練習(3)は、順勢掌理対敵身法の基本の練習と直結する。単換掌理対敵身法による離脱スライドの護身理を前敵攻撃時にもしっかりと応用する練習となる。
練習(4)は、単換掌理対敵身法の応用練習となる。これは、緩急をつけた練習となる。不意に接近された際の急速緊急離脱の練習は、必ず事前に経験しておく必要があるからである。
練習(5)は、順勢掌理対敵身法→単換掌理対敵身法へとつなげるパターンを身体に覚えさせる練習。練習(6)は、(5)の逆である単換掌理対敵身法→順勢掌理対敵身法へとつなげるパターンを体得する練習となる。
練習(7)は、対多人数移動遊撃戦渦中で頻繁に出てくる、敵を処した後、円を旋回しながら移動する際の対敵身法を練習するものである。この「円の旋回」による移動は、時間と体力を奪われるが渦中に頻繁に出てくる動作である。よって事前に、体力消耗が少なく、旋回速度も上がる身法を練習して、有事に備えるのである。
各段階ごとの練習を、詳しい意義解説を交えて説明していこう。
練習(1):敵を後ろにおいて間合いを保った状態を維持する練習
対多人数移動遊撃戦の第一歩は、敵との距離のとり方を習得することである。敵との距離をとることを、武術の世界では、一般的に「間合いどり」と呼ぶ。
清王朝末期頃の中国は、治安が大いに乱れ、庶民にとっても反乱軍残党・賊徒らによって操られる武器(刀・槍)に傷つく脅威があった。よって、庶民が身を守るために考えられた民間武術は、間合いどりついて大変シビアな設定をしている。
敵と対する際、武器の攻撃可能圏内に決して立たないのは絶対最低条件である。それどころか我が身を守るために、攻撃可能圏内を大きく外れた場所に立つのが当たり前であった。
そして、遠い間合いだけに我が命を預けるのではなく、不意を突かれた時、後方へ逃げやすいように構える方法も考えられていた。
敵を斜め後方へ置いた状態で、敵と一定の距離と保ちながら歩く。実はこの「敵と一定の距離と保ちながら歩く」技術を養うのが「走圏」なのである。
八卦掌水式門は、昔日スタイル八卦掌に徹しているため、走圏における敵のは位置は、とにかく「斜め後方」である。そして慣れてくると、ほぼ真後ろに想定することもある。対多人数移動遊撃戦渦中では、斜め後方ではなく、後ろから襲ってくる敵も多いからである。
打撃系格闘技を経験した者は、何度指導・指摘しても、後方へ敵を設置することができない。長年の癖になっているからだ。前に敵を置いて、見据え、攻撃の機会を伺う。それは打撃系格闘技経験者には、考えのみならず、身体にも無意識レベルで染み込んでいる。
その点、武術未経験者・女性・高齢者には、常識がない。すんなりと後敵想定の走圏に入っていける。
屈強な男性の斜め後方スライドは、いつまでたってもぎこちない。女性のスライド離脱は、流れるようで実に流麗であり、習熟した門下生の動きを見ると、捕まえられる気がしないくらいである。
練習(2):迫ってきた敵に対し、その場から一気に離脱する練習
弊門中核技術にして、生涯をかけて練習し続ける、単換掌理対敵身法の練習段階である。
この身法を無意識レベルで行うことができるようになると、対一人では、まるで「闘牛士」の如く、対多人数移動遊撃戦渦中では、離れた位置から斬り込み旋回をして敵機を振り払い避け、そのついでに急降下接近で海水面上にいる軍艦船体内部に4トン爆弾を落とし込み離脱する、急降下爆撃機の如くとなる。
まずは動画のように、上半身はリラックスして、後方スライド動作を繰り返す。動画のように、速さではなく大きく、流れるように行うこと。慣れてくると自然と、速さは出てくる。
動画の動きは等速であるが、実際に敵に対する場合は、敵の最接近時少し敵を近づけ、その流れの中で身体の向きを変えつつ離脱速度を速め、敵の追撃の思惑をずらし、タイミングを外された時点にて一気に引き離し離脱する。
多くの敵は、その時点で引き離されるが、時に反応速度にモノを言わせて追随してくる敵もいる。その敵には、身体を転換させるタイミングで斜め側面から、ボクシングのフックのように、急所にけん制虚打を放ち、追随のトーンを下げて離脱する。
よって、後方スライド離脱身法に慣れた後は、この段階で手わざを入れて練習することになる。しかし初学のうちは、運足に慣れるため、足の運びだけで練習すること。
練習(3):敵に接近して攻撃しつつ離脱スライドする練習
練習(2)において、単換掌理対敵身法を練習し込んだ後、その理を参考に、師から「順勢掌理対敵身法」を学ぶこと。そのうえで、目標物を設置し、スライド離脱しながら打ち去る練習をしていく。
ここで初めて、前敵に対する攻撃と防御の方法を本格的に学ぶことになる。
この練習段階では、単純で最もシンプルな技(例えば、半斜平穿など)を使って、「接近→攻撃しつつのスライド離脱」を学ぶ。必ず指導者のもとで最初は学び、自分が技をかけられること。指導者レベルの人間によるスライド離脱を目の当たりして初めて、攻撃時の安全への配慮が実感できる。
順勢掌理対敵身法の技は、昔日八卦掌の術理に慣れていない人間同士が行うと、スライド離脱の要素が抜け、単なる突撃攻撃と化す危険があるからだ。
練習(4):敵に極めて接近した状態で離脱スライドしつつ、自由に変化しながら攻防する練習
ここでの練習方法は、近代スタイルを修行する八卦掌修行者にも役立つものだ。
特に、体格が小さい・筋力が少ない・年齢を重ねている、などの、戦闘において一般的に不利ととらえられている要素に悩む人には、大いに役立つであろう。
敵横変化攻撃では、ステップ速度をいくら上げたとしても、敵と力がぶつかる場面において、力任せ・体格任せの攻撃に押し切られる可能性が残る。それを補うための螺旋力であろうが、それを体得するには膨大な対人練習が必要となるため、道は険しい。
そこで、敵横変化攻撃の際は、横スライドに加え、敵の横を通り過ぎるくらいの前後スライド要素を加える。つまり、順勢掌理対敵身法をもって、対一人敵横変化攻撃をするのである。
この練習段階での要点は、前後スライドすることによって敵から大きく離れてしまうことへの対処法だ。この問題点を克服するために、3大発力の一つ「翻身発力」を活用する。
動画を見ていただくとお分かだろうが、スライド離脱打ちをして敵から離れた瞬間、間髪を入れす身を翻し、敵側面にとどまっている。
前方向へ遊歩発力を用い、斜進翻身法で通り抜けた身体には、前に進む大きな慣性が働いている。その状態から翻身発力で身体を急速転身させ、すかさず次の攻撃に移る。
まとめよう。連続攻撃を成功させる目安は「5連発」打ちだと言われる。5連発攻撃を終えるまで、敵側面にとどまり続けるためには、その間中、敵の攻撃による痛撃を避ける必要がある。順勢掌理対敵身法で打つことが、これを実現させる。しかし順勢掌理対敵身法で打ち続ければ、敵から離れてしまう可能性が生じる。ここで翻身発力を用いる。
慣性が働く中での翻身発力は、大変難しい。しかし繰り返し行えば、特別な才能がなくても体現できる技術である。この練習段階を機に繰り返し、またひとつ遊撃戦身体能力を備えてほしい。
練習(5):敵の側面を離脱した後、後方スライドで後ろ敵に対抗する練習
練習(6):後ろ敵に対抗した後、振り向きざまの前敵に対処する練習
練習(7):旋回に際し、身法を利用して身体をきりもみ旋回しながら移動する練習
弱者生存の護衛護身武術を極めたい方へ~清王朝末期頃の昔日の八卦掌を国内で唯一伝える水野先生の道場「八卦掌水式門」入門方法
1.弱者生存第一の「単換掌の術理」に貫かれた成立当初(清王朝末期頃)のままの八卦掌を国内で唯一追求し指導する、稀代の八卦掌家
八卦掌水式門で八卦掌第7代を掌継させていただいた遠隔地門下生のsと申します(先生の指示で仮称とさせていただきます)。代継弟子の一人として、八卦掌水式門の紹介をしたいと思います。
八卦掌水式門は、成立当初(清王朝末期頃)の「単換掌の術理(単換掌理)」に貫かれた「生存第一スタイル」の八卦掌を指導する、国内で極めて数の少ない八卦掌伝統門です。
八卦掌第6代の水野先生の伝える八卦掌は、敵前変化攻防の近代スタイル八卦掌が主流となっている現代において、対多人数移動遊撃戦による弱者使用前提撤退戦を貫いた異色の存在となっています。
先生の伝える八卦掌の最大の特徴は、やっぱり、「単換掌の術理(水式門で先生は、「単換掌理」と呼んで指導しています)」に徹している点。
「単換掌理」とは、敵と接触を極力さけ、敵の力とぶつからない方向へ移動しながら対敵対応をする術理です。間合いを取り、逃げることを正当な戦法とし、力がぶつからないため、女性やお子さん・お年を召した方にとって最も現実的な護身術となっています(※よって水式門では、私を含め、女性の修了者さんが多いです)。
単換掌理を理解するには、修行の初期段階に、掌理に熟練した指導者による対面での練習を通して対敵イメージをしっかりと構築することが必要不可欠、だと先生は言います。
「単換掌理系の技は、対人走圏で養った移動による間合い取りと、敵の引きつけ引き込み技術、転身技術とで実行する技。現実的で明確な敵のイメージを持って練習しないと、実戦でとまどうことになる」は先生の口癖ですね。
相手の侵入してくる角度や強度、そして敵動作に対する自分の身体の使い方を、先生の技を受け、または先生に試し打ち(!)をしながら自ら身体を動かして学んでいく必要があります。それは初心者には果たせない役割。水式門では、先生がいつも相手をしてくれるし、新しい技を始動するとき、使い方もしっかりと見せてくれるから、一人の練習の時でも、イメージが残るんです。
よって最初から全く一人で行うことは、リアルな敵のイメージが分からない点から、大変難しいものとなります。この問題は、私がこの場で、先生の指導を受けたほうがといいと強くすすめる理由となっています。
私も遠隔地門下生。先生が富山に来たときは、集中的に相手になってもらいました。石川県という遠くであっても、先生の教え方のおかげで、ブレずにここまで来ることができました。
単換掌理に基づいた弱者生存第一の八卦掌を指導する八卦掌の教室は、全国にほとんどありません(それか、公にしていません)。弱者使用前提がゆえの現実的方法で自分を守る武術に興味がある方。力任せの攻撃にも負けない八卦掌を極めたいと思う方は、水式門の扉を叩いてください。水式門なら確実に、弱気が生き残るための技術を学ぶことができます。
2.八卦掌水式門は、入門審査を通った者が門下生となることができる純然たる「伝統門」道場
八卦掌水式門は、代表である水野先生が、八卦掌第5代(梁派八卦掌第4代伝人)である師より指導許可を受けて門を開いた、純然たる「伝統門」です。それゆえ、入門資格を満たしているかを判断する入門審査(問いあわせ~体験までの態度を見ての総合判断)を、入門希望者すべての方に例外なく行っております。もちろん私も受けたうえで入りました。
水野先生が指導する八卦掌は、護身術であれど、一部に当然殺傷技法が伝えられ、昔の中国拳法と同じく実戦色が強い八卦掌。誰それ構わず指導することはいたしません。
特に先生は、拳法を始めた動機も真剣。自分を律することができない人間に伝えてしまい、それで人が傷つけられてしまう事態を招くことを、心から心配しています。
よって、以下で掲げてある「入門資格」を満たした人間だと判断した場合にのみ、先生は受け継いだ技法をお伝えしています。「八卦掌の伝統門として、門が負うべき当然の義務と配慮」。これも先生が常に話す口癖ですね。
水式門には『弱者生存の理で貫かれた護衛護身術「八卦掌」を日本全国各所に広め、誰もが、大切な人・自分を守る技術を学ぶことができる環境を創る』という揺るぎない理念があります。
先ほども触れたように、己を律することのできない人間に伝えてしまうことは、技法が濫用され第三者が傷つく事態を招き、理念実現に真っ向から反する結果を生んでしまいます。
水野先生は、門入口を無条件に開放して指導し門を大きくすることより、たとえ審査を設けて応募を敬遠されたとしても、少なからずいる暴力的・非常識な人間に伝わってしまう事態を避けることを重視しています。
ここまで書くと、なかなか入ることのできない難しい道場だと思うかもしれませんが、そんなことはありません。審査はありますが、一般的な常識と礼節、思いやりがあれば、心配する必要は全くありません。
指導を受けてみれば分かるのですが、先生はいつも、門下生のことを考え、熱心に指導してくれ、怒鳴ったりもなく、笑顔です。安心してください(無礼な態度や乱暴なふるまいには、ベテラン・初心者関係なく厳しいですが)。
審査を通過した正式門下生には、「誰もが大切な人、自分を守ることができる八卦掌」の全てを、丁寧に、熱心に。真剣に教えてくれます。
迷ってるあなた。水式門には、積み重ねるならば、弱者と言われる者でも高みに達することができる技術体系があります。先生の温かく熱心な指導で、「守る」強さを手にしてみませんか。
3.入門手続き
八卦掌水式門の正式門下生となるためには、個別指導科における近代八卦掌コースを除いたすべての科において、仮入門期間(体験入門日から一カ月経過もしくは体験入門を含めた3回の練習参加)を経る必要があります(指導内容が他人を傷つける技術を含むため)。この期間を経過した後、入門を希望する方は、以下の手続きに従い、入門申請をしてください。
手順1 申込フォーム記載申請と体験入門参加
各科とも以下の問い合わせフォームに必要事項を記載のうえ体験入門を申請する。
手順2 本入門希望者は、「本入門申請フォーム」より、本入門申請をする
体験入門を含めた仮入門期間経過後、本入門を希望する方は、各科共通の 本入門申請フォーム より、本入門申請をしてください。本入門を認めるかどうかの判断をさせていただきます。
「入門資格・入門時誓約事項・入門時特記事項」については、こちら にて必ず目を通し、理解したうえで本入門申請をすること。
本入門申請意思受領後、本入門審査を経て、結果のメールを送信します。本入門許可者には、入門案内のメ―ルを送信しますので、メール文中に記載されている弊門指定の銀行口座に初月指導料を振り込んでください。
※入門許可メール送信後、送信日を含めて14日以内に入金がない場合は、入門の意思がなくなったと判断し、申請はなかったものとさせていただきます。
※本入門が許可されなかった場合についてのクレーム・理由開示要求には、例外なく対応いたしませんのでご了承ください。
手順3 「入門誓約書」のダウンロード
下のリンクにて「入門誓約書」をダウンロードし、内容を確認。誓約書の内容に同意するならば、同書類を印刷し、必要事項を記載の上、本入門後の初回練習時に持参する。
※ダウンロードができない方は、shiroikukmoajisai@gmail.com 宛にご連絡ください。
手順4 練習会に初参加
上記「入門誓約書」を持参の上、グーグルカレンダー記載の希望各科の練習会に参加する。
※「入門誓約書」を必ず持参すること。持参し忘れ2回目の者には例外なく指導しない。ダウンロードができなかった理由で持参出来なかった者は、必ずそのむねを告げること。
※カレンダーが、参加する科のカレンダーであるかどうかを、しっかりと確認すること。
※各科とも、参加希望日の前日の24時までに、に、参加メール「例文:○○です。○○日参加します」とメールを入れること(場所変更の可能性があるため)。