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楊家連身藤牌|藤牌兵刀術の影響を受けた清朝末式八卦掌武器盾術

藤牌兵刀術と清朝末式八卦掌の機動力が合わさった、移動遊撃戦盾術

(このページは、2024年4月15日に更新しました。)

楊家連身藤牌を修める筆頭門弟

八卦掌の修行をして4年目、当時の師より指導を受けた「連身藤牌(れんしんとうはい)」術である。ここに、藤牌基本功(換牌)と基本型(連身牌・サイ牌・按牌)を示す。

当盾術であるが、師家名より弊門では「楊家連身藤牌(ようかれんしんはい)」と呼び、練習をしてきた。私が習った武器術中、唯一他の文献でその存在を確認できない武器術である。

師の楊家では、その祖父の代以前より、虎衣藤牌兵舞踏をたしなんできた。そして藤牌兵刀術も練習してきたため、師家に伝えられていた昔日の八卦掌と融合して、連身藤牌になった可能性もある。

よって、八卦掌水式門では、この武器術のみ、正式な指導内容から外している。

しかし師が多くの時間をとって10代の自分に伝えたことから鑑み、連身藤牌術の失伝を望んでいなかったと考えられるため、私は定期的に練習をし、弊門筆頭門弟と一番門弟に、その技法を伝えた。

以後も、多くの門弟から希望がない限り、正式な履修課程に加えない方針である。

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楊家連身藤牌とは

連身藤牌の技術体系は、その基本を「換牌(かんぱい)」とする。※中心技法は、「連身牌」。

この換牌をもって、盾の操法を磨く。連身藤牌は清朝末式八卦掌の術理の影響を受けるため、基本の出発点も、単換刀の「翻身旋理」と「刀裏背走理」から出発する。

連身藤牌法で使う藤牌はアームシールドであるため、戦闘中、盾の持ち手を変えることはできない。よって練習する際は、左持ち、右持ち、両方を同程度練習し、どちらの手で盾を持っても攻防できるようにする。

藤牌兵の刀は、いたずらに大きな物ではなかった、と考えられる。虎衣藤牌兵の演武でも、昔日の虎衣藤牌兵の絵でも、太く大きな物は使われていない。長さが90センチ程度、そして細身の物が使われていたと考えられる。

藤牌は、直径が90センチ近くにもなる大きな盾である。しかしローマ帝国の重装歩兵が持っていたような、鉄製の重たい盾ではない。藤牌兵軍団には、機動力を活かした戦法が役割として与えられたため、盾は歩兵の機動力を損ねない軽い物でなければならない。

しかし、藤で編んだだけでは強度に不安が残ることから、野生の樹の樹液などから抽出した油を盾表側に塗って強度を上げていたので、軽いと言っても、ある程度の重さを持っていた。

八卦掌の盾術である以上移動遊撃戦となるため、両手にある程度重量のある物(藤牌と刀)を身体で操って機動力を保つ必要がある。よって、身体移動で刃先と藤牌を動かして、敵の攻撃をワイパーが動いて弾くかのように防ぎ、時に攻撃したりする。手首の返しで藤牌と刀を動かすことはできないと考えた方がいい。

よって連身藤牌でも、換牌によって身体で盾・刀を引っ張るようにして使用するのが基本功となる。

藤牌兵の説明画像

練習で使っている自作の即席「牌」
練習で使っている自作の即席「牌」

中国の盾術は、機動力を活かし、その場にとどまらない技術体系を持つものが多いため、盾を頻繁に動かす。つまり、盾内に常に身体を隠すことにこだわらない。

特に連身藤牌では、移動で防御し、その補助として敵とぶつかる際、盾や刀で弾く、という考え方を採用している。

西洋盾術を修める者が、中国盾術を見て、「身体が盾の外から飛び出している」と批判するが、そもそも西洋の盾術と東洋藤牌兵盾術の戦法の違いを考慮してない批判である。盾内に身を隠して移動するのは、戦場において前方敵陣に突撃する時だけである。

楊家連身藤牌のように、八卦掌の機動力で戦う盾術で、盾内に身体を収め続けることは、大変な無理を生じさせる。盾内に身体を収めて身を守るよりも、敵の攻撃射程から離れての防御に重点を置き、盾を時に武器として使う方が良いと考えたのである。

換牌(かんぱい・かんはい)

楊家連身藤牌の「基本功」的型となる。身体操作の基本を、清朝末式八卦掌刀術の「単換刀」とする。

片方の手づつで、刀・藤牌を動かす練習である。単換刀の理である「翻身旋理」「刀裏背走理」を意識して練習する。

つまり、斜め後方スライドの転身によって盾・刀を引っ張って動かす。両道具とも、取り回しのしにくい道具である。片方にもう一方の道具を持った状態で、身体に沿って動かすことに慣れるための、重要な練習となるのだ。

特に藤牌は、その面積が大きいため、慣れないと己の身体に衝突しかねない。敵の圧力にさらされた状態で、面積の大きい道具を扱うには、事前の準備にて、「身体にぶつけてしまわない技術」を習得して置く必要がある。

楊家連身藤牌では、使用する盾がアームシールド形式であるため、戦闘中持ち替えることはできない。よって、左右交互に盾の持ち手を換えて、同程度練習しておくこと。

藤牌を頭上に上げながら、身体をくぐらす。くぐる際、藤牌は、背中の後ろをクロスしながら上がり、そして下がる段階へとつながっていく。

藤牌を下に下げたら、今までの円弧移動と逆方向への移動に沿って、翻身発力をもって藤牌を翻り打ち、円弧軌道移動の速度に勢をつける。藤牌が腕に固定されているため、手のみの場合と違い、腕を大きく拍打できないが、藤牌の抵抗力があるため、力を込めて拍打しやすい。

連身牌(れんしんぱい・れんしんはい)

楊家連身藤牌の、中心技となる牌法である。

「連身」の字のごとく、刀身と牌身をすぐ近くに近づけて、連なるように回し、まわし斬り、まわし打ちをする。

動画では、斜め後方敵に差し出した牌の下から、上弦半円にて刺突攻撃をする。刺突攻撃した刀を、そのまま身体移動で上方へ刀先をひるがえすことによって、展開攻撃をする。

展開攻撃は大変予測しにくものであり、接近戦の意図で近づいた敵はたいがい、この展開攻撃でダメージを受ける。

動画では、「藤牌下からの刺突攻撃」となっているが、その他の攻撃方法も使用できる。その意味で後述する「サイ牌」は、連身牌の変化型ととらえることもできる。

藤牌上から、藤牌をまたぐようにして刺突する攻撃は、盾術では一般的な攻撃方法となるため、主要型になったと考えられる。

按牌(あんぱい・あんはい)

藤牌にて、逆袈裟斬りの要領で、去り打ち(去り叩き)をする動作を練習する。

上から逆ハの字で押さえつける感じで打ち下ろす。

連身藤牌は手返しのよさを発揮する武器術ではないため、何歩も歩きながら行うと、攻撃対象に効率的に攻撃できる。

按牌とサイ牌では、積極的に藤牌で攻撃をする。換牌と連身牌では、刀攻撃の際の防御・補助攻撃の意味合いが強かった。

按牌による、後ろ敵攻撃に対する打ち方は、手刀攻撃の要領で行う「逆袈裟斬り」となる。八卦掌は「袈裟斬り・引き込みの拳法」ではなく、「逆袈裟斬りによる去り打ち」なのである。。

サイ牌(さいぱい・さいはい)

盾術で頻繁に用いられる攻撃方法を採用した単式練習型である。

藤牌の上をまたぐように敵に刺突攻撃をする動作だが、この動きは、後退スライド時の翻身旋理によって急速に肩を入れる際の動きと連動させる意識を持つ。

そのようにしないと、刃先先行で攻撃できない。

弱者生存の護衛護身武術を極めたい方へ~清王朝末期頃の昔日の八卦掌を国内で唯一伝える水野先生の道場「八卦掌水式門」入門方法

1.弱者生存第一の「単換掌の術理」に貫かれた成立当初(清王朝末期頃)のままの八卦掌を国内で唯一追求し指導する、稀代の八卦掌家

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門で八卦掌第7代を掌継させていただいた遠隔地門下生のsと申します(先生の指示で仮称とさせていただきます)。代継弟子の一人として、八卦掌水式門の紹介をしたいと思います。

石川県・遠隔地門下生

八卦掌水式門は、成立当初(清王朝末期頃)の「単換掌の術理(単換掌理)」に貫かれた「生存第一スタイル」の八卦掌を指導する、国内で極めて数の少ない八卦掌伝統門です。

八卦掌第6代の水野先生の伝える八卦掌は、敵前変化攻防の近代スタイル八卦掌が主流となっている現代において、対多人数移動遊撃戦による弱者使用前提撤退戦を貫いた異色の存在となっています。

先生の伝える八卦掌の最大の特徴は、やっぱり、「単換掌の術理(水式門で先生は、「単換掌理」と呼んで指導しています)」に徹している点。

「単換掌理」とは、敵と接触を極力さけ、敵の力とぶつからない方向へ移動しながら対敵対応をする術理です。間合いを取り、逃げることを正当な戦法とし、力がぶつからないため、女性やお子さん・お年を召した方にとって最も現実的な護身術となっています(※よって水式門では、私を含め、女性の修了者さんが多いです)。

単換掌理を理解するには、修行の初期段階に、掌理に熟練した指導者による対面での練習を通して対敵イメージをしっかりと構築することが必要不可欠、だと先生は言います。

「単換掌理系の技は、対人走圏で養った移動による間合い取りと、敵の引きつけ引き込み技術、転身技術とで実行する技。現実的で明確な敵のイメージを持って練習しないと、実戦でとまどうことになる」は先生の口癖ですね。

相手の侵入してくる角度や強度、そして敵動作に対する自分の身体の使い方を、先生の技を受け、または先生に試し打ち(!)をしながら自ら身体を動かして学んでいく必要があります。それは初心者には果たせない役割。水式門では、先生がいつも相手をしてくれるし、新しい技を始動するとき、使い方もしっかりと見せてくれるから、一人の練習の時でも、イメージが残るんです。

よって最初から全く一人で行うことは、リアルな敵のイメージが分からない点から、大変難しいものとなります。この問題は、私がこの場で、先生の指導を受けたほうがといいと強くすすめる理由となっています。

私も遠隔地門下生。先生が富山に来たときは、集中的に相手になってもらいました。石川県という遠くであっても、先生の教え方のおかげで、ブレずにここまで来ることができました。

単換掌理に基づいた弱者生存第一の八卦掌を指導する八卦掌の教室は、全国にほとんどありません(それか、公にしていません)。弱者使用前提がゆえの現実的方法で自分を守る武術に興味がある方。力任せの攻撃にも負けない八卦掌を極めたいと思う方は、水式門の扉を叩いてください。水式門なら確実に、弱気が生き残るための技術を学ぶことができます

2.八卦掌水式門は、入門審査を通った者が門下生となることができる純然たる「伝統門」道場

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門は、代表である水野先生が、八卦掌第5代(梁派八卦掌第4代伝人)である師より指導許可を受けて門を開いた、純然たる「伝統門」です。それゆえ、入門資格を満たしているかを判断する入門審査(問いあわせ~体験までの態度を見ての総合判断)を、入門希望者すべての方に例外なく行っております。もちろん私も受けたうえで入りました。

水野先生が指導する八卦掌は、護身術であれど、一部に当然殺傷技法が伝えられ、昔の中国拳法と同じく実戦色が強い八卦掌。誰それ構わず指導することはいたしません。

特に先生は、拳法を始めた動機も真剣。自分を律することができない人間に伝えてしまい、それで人が傷つけられてしまう事態を招くことを、心から心配しています。

よって、以下で掲げてある「入門資格」を満たした人間だと判断した場合にのみ、先生は受け継いだ技法をお伝えしています。「八卦掌の伝統門として、門が負うべき当然の義務と配慮」。これも先生が常に話す口癖ですね。

水式門には『弱者生存の理で貫かれた護衛護身術「八卦掌」を日本全国各所に広め、誰もが、大切な人・自分を守る技術を学ぶことができる環境を創る』という揺るぎない理念があります。

先ほども触れたように、己を律することのできない人間に伝えてしまうことは、技法が濫用され第三者が傷つく事態を招き、理念実現に真っ向から反する結果を生んでしまいます。

水野先生は、門入口を無条件に開放して指導し門を大きくすることより、たとえ審査を設けて応募を敬遠されたとしても、少なからずいる暴力的・非常識な人間に伝わってしまう事態を避けることを重視しています。

ここまで書くと、なかなか入ることのできない難しい道場だと思うかもしれませんが、そんなことはありません。審査はありますが、一般的な常識と礼節、思いやりがあれば、心配する必要は全くありません

指導を受けてみれば分かるのですが、先生はいつも、門下生のことを考え、熱心に指導してくれ、怒鳴ったりもなく、笑顔です。安心してください(無礼な態度や乱暴なふるまいには、ベテラン・初心者関係なく厳しいですが)。

審査を通過した正式門下生には、「誰もが大切な人、自分を守ることができる八卦掌」の全てを、丁寧に、熱心に。真剣に教えてくれます

迷ってるあなた。水式門には、積み重ねるならば、弱者と言われる者でも高みに達することができる技術体系があります。先生の温かく熱心な指導で、「守る」強さを手にしてみませんか。

3.入門手続き

八卦掌水式門の正式門下生となるためには、個別指導科における近代八卦掌コースを除いたすべての科において、仮入門期間(体験入門日から一カ月経過もしくは体験入門を含めた3回の練習参加)を経る必要があります(指導内容が他人を傷つける技術を含むため)。この期間を経過した後、入門を希望する方は、以下の手続きに従い、入門申請をしてください。

手順1 申込フォーム記載申請と体験入門参加

各科とも以下の問い合わせフォームに必要事項を記載のうえ体験入門を申請する。

手順2 本入門希望者は、「本入門申請フォーム」より、本入門申請をする

体験入門を含めた仮入門期間経過後、本入門を希望する方は、各科共通の 本入門申請フォーム より、本入門申請をしてください。本入門を認めるかどうかの判断をさせていただきます。

「入門資格・入門時誓約事項・入門時特記事項」については、こちら にて必ず目を通し、理解したうえで本入門申請をすること。

「入門資格・入門時誓約事項・入門時特記事項」

本入門申請意思受領後、本入門審査を経て、結果のメールを送信します。本入門許可者には、入門案内のメ―ルを送信しますので、メール文中に記載されている弊門指定の銀行口座に初月指導料を振り込んでください。

※入門許可メール送信後、送信日を含めて14日以内に入金がない場合は、入門の意思がなくなったと判断し、申請はなかったものとさせていただきます。

※本入門が許可されなかった場合についてのクレーム・理由開示要求には、例外なく対応いたしませんのでご了承ください。

手順3 「入門誓約書」のダウンロード

下のリンクにて「入門誓約書」をダウンロードし、内容を確認。誓約書の内容に同意するならば、同書類を印刷し、必要事項を記載の上、本入門後の初回練習時に持参する。

「入門誓約書」のダウンロード

※ダウンロードができない方は、shiroikukmoajisai@gmail.com 宛にご連絡ください。

手順4 練習会に初参加

上記「入門誓約書」を持参の上、グーグルカレンダー記載の希望各科の練習会に参加する。

※「入門誓約書」を必ず持参すること。持参し忘れ2回目の者には例外なく指導しない。ダウンロードができなかった理由で持参出来なかった者は、必ずそのむねを告げること。

※カレンダーが、参加する科のカレンダーであるかどうかを、しっかりと確認すること。

※各科とも、参加希望日の前日の24時までに、に、参加メール「例文:○○です。○○日参加します」とメールを入れること(場所変更の可能性があるため)。

八卦掌水式門富山本科イメージ