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教程2:いじめの暴力から身を守るための「構え」を学ぶ

カンフー映画などを見ると、登場人物たちは敵と対峙する時に「構え」の姿勢をする。敵からの攻撃を防御し、もしくはスキあらば攻撃するために。

しかし、実際の戦いにおいては、構えの姿勢から攻撃を繰り出すことはあまり行われない。リングの上では、明確なルールのもとに、ジャッジの合図によって戦いが始まり、反則等で両者が大事に至らないように管理されているため、己の意図を実現し得る姿勢、つまり各人が気に入った「構え」を安心してとることができる。

いじめの中で行われる暴力では、相手が多人数であったり、圧倒的に体格差があったりする。また、合図で戦いが始まるとは限らない。突然起こることのほうが多い。そのような状況で、「構え」ることによって、以後の行動に制限を加えることは望ましくない。多人数戦において、眼前の敵をさばきつつ移動していく最中に、顔や急所をガードするために手を前に挙げている状態を、「構え」ていると言ってもいいであろう。

いじめ集団によるいじめ、そして己より体格差などで優位な者による暴力に対して、君はどのような「構え」をとったらいいのか?その疑問について、私の経験をもとに詳しく説明したい。

実際に暴力を行使してくるまでは構えなくてよい。相手と距離を置くことを意識する。

人との格闘において、「まず構えてから」という考えを捨てる

 「構え」は、試合や組手(空手)・散打(中国拳法)で行われるものであり、路上における実際のトラブル(ケンカ・行きずりの暴力・通り魔事件)では、ほとんどとられることがない(1対1のケンカでは、結構とられる)。

 私が路上において経験した4回のトラブルでも、構えた状態から実闘が始まることはなかった。突然横や後ろから、また話し合いから、相手は手を出してくるのである。

 トラブルが発生した場合、武術的な「構え」をして相手を見すえる行為は、相手を刺激し、殴り合いに発展させる可能性を高める。いじめのシチュエーションにおいて、いじめ側の威嚇行為に構えることで対すると、相手は実際に暴力を行使してくる確率が高くなる。

 「構え」は、こちらの戦う決意・意思を相手に示し威嚇する利点もあるが、それがかえってあだになることもあるのだ。また、構えからの防御・攻撃方法に習熟していないと、相手からの攻撃に身体が固まり、打撃を喰らってしまう可能性がある。

 よって、いじめの中で行わる集団からの暴力行為に臨む場合は、暴力が実際に行われるまで「構える」ことにこだわらないようにする。

とにかく「距離」を置け!

 ではどうすればいいのか?実体験から説明しよう。とにかく相手との「距離」を置くことである。

 実際に暴力を行使される前は、自分から最も近い距離の相手との間を2メートル(できれば3メートル)とっておく。これで相手のどのような攻撃(行動)に対しても、少しの身法で対処できる可能性が高くなる。パンチやキックを喰らったとしても、深刻なダメージを受けることは回避できる。

『距離をとること』の説明画像

 接近戦を主眼とした中国拳法の門派はたくさんあるが、基本、相手との距離を置く。対武器・対多人数を想定とした昔ながらの武術であれば当然である。不用意に距離を詰めれば、突然武器を出されるかもしれない。集団に近寄ったら、取り囲まれて抑え込まれてしまうかもしれない。対いじめ武術においても、昔日の武術の危機管理意識は見習いたい。

 接近戦を主眼とする中国拳法の門派では、「相手の吐息が届くくらいの距離に潜り込め」の趣旨の拳訣があるが、そのような近距離で戦うためには、近距離格闘術に長けていなければならない。練習期間の浅い君には荷が重い。近接格闘術は、長年の練習によって積み重ねられた高度な技術と経験に裏打ちされた度胸・自信が必要となるからだ。

 「距離をとる」ことは、護身における重要基本行動である(護身の最重要基本は、「危険を避けること」であるが、それはいじめの場ではなかなか難しい)。もし君に危害を加えようとしてくる輩がいるならば、迷わず距離をとろう。距離をとることも練習が必要である。例えば、人の多い駅などで、すれ違う人と均一に距離をとる練習をするのもよい。気配を感じ取り、動きを予測してみよう。近づきたくても近づけない君の動きを見たら、いじめ側の連中は、今までの君とは違った雰囲気を、「君」から感じ取るだろう。

相手が暴力を仕掛けて来たら、構えをしつつ、歩をすすめ動き回る

『構えている写真』の説明画像

 実際に相手が手を出して来たら(多人数戦のような乱戦になったら)、こちらは構えをとって顔を防御しつつ、相手をかわしていく(写真右)。遊撃戦であるため、同じ構えの姿勢をとり続けることにこだわらず臨機応変に臨む。

 多人数戦の状況では、迫りくる敵をかわして次の場所に移動する、というほんのわずかな間の時間がある。相手の手が伸びてきた場合に素早く弾いたりつかんだりすることができるように、両手は完全に下げきることはせず(無造作にブラブラの状態にはしない、ということ)、意識だけでも相手の攻撃をさばくことに備えておく。

 前にも後ろにも、そして横からも、複数の人間が様々な角度から攻撃をしてくる。それらの攻撃に対処する基本的な対応は「振り払う」ことである。相手の攻撃によって己の身体が絡みつかれないように、「振り払う」感じであしらっていく。

 振り払うためには、戦闘の最中、特定の構えに固執しないことである。写真右の構えは、応用性の高い、割と自由な構えであり、上・右・左・下にも対応しやすい。しかし、多人数戦であったり、眼前の相手との戦いが激しい応酬になった場合、特定の姿勢にこだわることは、チャンスを逃し、構えているがゆえの機動性の低下などのデメリットを産むため、こだわらなくてもよい。

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