八卦掌四十八法・二十三:整圏手法
- 「八卦掌四十八法・二十三:整圏手法」の和訳
- 「八卦掌四十八法・二十三:整圏手法」の解説
- 「八卦掌四十八法・二十三:整圏手法」のデータ
- 弱者生存の護衛護身武術を極めたい方へ~清朝末式八卦掌を国内で唯一伝える水野先生の道場「八卦掌水式門」入門方法
「八卦掌四十八法・二十三:整圏手法」の和訳
「四面敌人我在中、穿花打柳任西东。」
sì miàn dí rén wǒ zài zhōng 、chuān huā dǎ liǔ rèn xī dōng 。
「四方を敵で囲まれ私がその中にいる時、ヤナギの葉のごとくその場・その居場所に居つかず通り過ぎ西に打ったり東に打うったりし、(通り過ぎる過程におけるその都度ごとの前面の敵は)そのままにし固執しない。」
「八方凭势风云变、不守呆势不守空。」
bā fāng píng shì fēng yún biàn 、bù shǒu dāi shì bù shǒu kōng 。
「八方の情勢は風・雲のごとくに変化するものだから、その時の情勢にそぐわない融通が利かない守りをしない、意味のない守りをしない。」
※各文字のピンインを示しました。皆さんなりの解釈をする際にご利用ください。
「八卦掌四十八法・二十三:整圏手法」の解説
二十三は、多人数相手における遊撃戦の身の処し方を実に具体的に示すアドバイスとなっています。
その場に居着かないことの重要性を、一番最初に説いています。居着かないことの重要性を感じます。
対多人数における対処法として、壁を背にして横に移動しながら戦う、という方法が説明されることがあります。この方法を採って戦うためには、二つのスキルが必要となります。
まず、高い防御技術。壁などを背にすることは、後ろの攻撃を考えなくてよくなる反面、移動が制限されその場に居着く傾向が強くなるため、常に敵の攻撃にさらされます。よってその状況を回避するための高い防御能力が必要となります。
そしてもう一つは、防御から攻撃へと移る転換力です。攻防一体の武術(形意拳など)もありますが、幾多の攻撃の最中ではやはり、防御一辺倒の時間もあり、そこから攻撃へと転換する必要があります。
その転換は、意識して日頃から練習しておかないと実に難しいものです。防御で身体が伸びきった状態、もしくは日頃攻撃をする際の姿勢とかけ離れた状態から、攻撃姿勢へと転換することは高いフィジカルを要します。高いフィジカルを得るためには、転換に特科した練習を積む必要があります。
ここまで述べてお判りでしょうが、八卦掌練習時における内容とかなり異なっています。八卦掌でも防御動作は一応あるのですが、歩きながら(移動しながら)敵の攻撃軌道をさえぎるもの(ついでに攻撃もする)が多く、他武術(特に日本武術)に比べてあまり発達していません。
防御能力には、反射する速さとか、筋力とか、身体能力や身体の若さに依存するものが多く、多くの人が持ち合わせていない要素であるため、獲得するのに大変な労力を必要とします。
遊撃戦能力の向上に向けても、当然に努力は必要です。しかし、居着かない、固執しない、とにかく手を出す、については、誰でも割と容易にできることであり、敷居が低くなっています。
後半のアドバイス、無駄な動きをしない、ですが、遊撃戦において、無駄な動きなどしている暇もなく、関係ない動作(ポーズをとる、いたずらに姿勢を低くする等)をすればたちどころに捕まってしまいます。
ですから、練習している型にこだわらず、単式練習で得た身体の動きに身を任せます。自分の今までの練習を信じ、無意識動作に身をゆだねます。
「八卦掌四十八法・二十三:整圏手法」の研究データ
【敌】(di):敵
【穿】(chuan):穴を通す・通り抜ける・つなぐ・連ねる
【花】(hua):花・(目が)かすんでいる・偽りの・使う・費やす
【柳】(liu):ヤナギ
【任】(ren):担う・引き受ける・そのままにする・放っておく
【西】(xi):西
【东】(dong):東・東側
【凭】(ping):寄りかかる・もたれる・頼る・依存する・~にもとづいて・~を根拠に・証拠・たとえ~でも
【势】(shi):勢力・勢い・自然界の現象・自然界の勢い・姿・ようす・(政治・軍事などの)情勢や形勢・雄の生殖器
【風】(feng):風・うわさの・うわさされている・気候
【雲】(yun):雲
【守】(shou):(元の状態を)保つ、維持する・遵守する・従う・守備する・守る・見守る・看護する・付き添う
【呆】(dai):愚かである・にぶい・気が利かない・茫然としている・ぼんやりしている・融通がきかない・平板である
【空】(kong):空ける・空にする・空である・空いている・空いた場所・隙間
弱者生存の護衛護身武術を極めたい方へ~清王朝末期頃のままの八卦掌「清朝末式八卦掌」を国内で唯一伝える水野先生の道場「八卦掌水式門」入門方法
1.八卦掌水式門~清朝末期成立当時の原初スタイル八卦掌「清朝末式八卦掌」を国内で唯一指導する稀代の八卦掌家・水野先生の道場
八卦掌水式門で八卦掌第7世を掌継させていただいた、掌継人のsと申します(先生の指示で仮称とさせていただきます)。掌継門人の一人として、八卦掌水式門の紹介をしたいと思います。
八卦掌水式門は、清朝末期成立当時のままの原初スタイルの八卦掌「清朝末式八卦掌」を国内で唯一伝える八卦掌専門道場です。「単換掌の術理(単換掌理)」による「弱者使用前提」・「生存第一」の技術体系からぶれず、成立当時の目的を一心に貫く伝統門です。
八卦掌第6世の水野先生の伝える八卦掌は、強者使用前提・対一人・対試合想定の近代格闘術的八卦掌が主流となっている現代において、対多人数移動遊撃戦による弱者使用前提の撤退戦を貫いた極めて異色の存在となっています。
先生の伝える八卦掌の最大の特徴は、「単換掌の術理(水式門で先生は、「単換掌理・たんかんしょうり」と略して指導しています)」に徹している点です。
「単換掌の術理」とは、敵と接触を極力さけ、敵の力とぶつからない斜め後方へスライド移動しながら対敵対応をする、「相手次第」を排し「自分次第」にシフトした術理です。
間合いを取り、敵と力がぶつからない場所へ移動しながら「去り打ち」することを正当な戦法としているため、女性やお子さん・お年を召した方にとって極めて現実的な護身術となっています(※よって水式門では、私を含め、女性の修了者さんが多いです)。
単換掌の術理を理解するには、修行の初期段階に、術理に熟練した指導者による対面での練習を通して対敵イメージをしっかりと構築することが必要不可欠、だと先生は言います。
『八卦掌は「勢(せい)」が命の武術。前に向かってひたすら進み続けることで勢を維持せよ。後ろ敵は勢があれば追いつけない。横敵には単換掌の術理・斜め後方スライドで対応せよ。電撃奇襲をすることで、守るべき人に手を出させない、囮(おとり)護衛による中国産護衛護身武術なんだ』は先生の「口癖」化した説明ですね。
相手の侵入してくる角度や強度、そして敵動作に対する自分の身体の使い方を、先生の技を受け、または先生を試し打ちをしながら自ら身体を動かして学んでいきます。 先生は、「私の技を受けるのが最も上達する近道となる。しっかりと見てイメージを作り、独り練習の際、そのイメージを真似するんだぞ。」と語り、常に相手になってくれます。 それは初心者には果たせない役割。水式門では、先生はいつでも技を示してくれます。相手もしてくれるし、新しい技を指導するとき、使い方もしっかりと見せてくれるから、一人の練習の時でも、イメージが残るのです。
よって最初から全く一人で行うことは、リアルな敵のイメージが分からない点から、大変難しいものとなります。この問題は、私がこの場で、先生の指導を受けたほうがといいと強くすすめる理由となっています。
私も石川県在住時は遠隔地門下生でした。先生が富山に来たときは、集中的に相手になってもらいました。石川県という遠くであっても、先生の教え方のおかげで、ブレずにここまで来ることができました。
単換掌の術理に基づいた弱者生存第一の八卦掌を指導する八卦掌の教室は、日本国内では水式門だけです(それか、公にしていません)。
弱者使用前提がゆえの現実的方法で自分を守る武術に興味がある方。力任せの攻撃にも負けない護身術や八卦掌を極めたいと思う方は、水式門の扉を叩いてください。水式門なら、弱者が生き残る可能性を生じさせる八卦掌中核技術を、明快に学ぶことができます。
2.八卦掌水式門は、仮入門制の有る純然たる「伝統門」道場
八卦掌水式門は、代表である水野先生が、八卦掌第5世(梁派八卦掌第4世伝人)である師より指導許可を受けて門を開いた、純然たる「伝統門」です。それゆえ、入門資格を満たしているかを判断する仮入門制(仮入門期間中の人柄・態度を見て本入門を判断する制度)を、入門希望者すべての方に例外なく適用しています。もちろん私も仮入門期間を経て本入門しました。
水野先生が指導する八卦掌は、綺麗ごとのない護衛護身武術。一部に当然殺傷技法が伝えられ、昔の中国拳法と同じく実戦色が強い八卦掌。誰それ構わず指導することはいたしません。
特に先生は、拳法を始めた動機も真剣。他者への思いやりに欠ける人間に伝えてしまい、それで人が傷つけられてしまう事態を招くことを、心から心配しています。
よって各科に掲載された「入門資格」を満たした人間だと判断した場合にのみ、先生は本入門を認め、受け継いだ技法をお伝えしています。「八卦掌の伝統門として、門が負うべき当然の義務と配慮」。これも先生が常に話す口癖ですね。
水式門には『弱者生存の理で貫かれた護衛護身術「八卦掌」を日本全国各所に広め、誰もが、大切な人・自分を守る技術を学ぶことができる環境を創る』という揺るぎない理念があります。
先ほども触れたように、他者への思いやりに欠ける人間に伝えてしまうことは、技法が濫用され第三者が傷つく事態を招き、理念実現に真っ向から反する結果を生んでしまいます。
水野先生は、門入口を無条件に開放して指導し門を大きくすることより、たとえ仮入門制を設けて応募を敬遠されたとしても、他者への思いやりに欠ける人間に伝えてしまう事態を避けることを重視しています。
ここまで書くと、なかなか入ることのできない難しい道場だと思うかもしれませんが、そんなことはありません。仮入門制はありますが、一般的な常識と礼節、思いやりがあれば、心配する必要は全くありません。
指導を受けてみれば分かるのですが、先生はいつも、門下生のことを考え、熱心に指導してくれ、怒鳴ったりもなく、笑顔です。安心してください(無礼な態度や乱暴なふるまいには、ベテラン・初心者関係なく厳しいですが)。
仮入門期間を経て本入門となった正式門下生には、「誰もが大切な人、自分を守ることができる清朝末式八卦掌」の全てを、丁寧に、熱心に、真剣に教えてくれます。
迷ってるあなた。水式門には、積み重ねるならば、弱者と言われる者でも高みに達することができるシンプルで明快な技術体系があります。先生の温かく熱心な指導で、「守る」強さを手にしてみませんか。