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「八卦掌四十八法・二十二:半圏手法」

(このページは2022年5月17日に更新しました。)

「八卦掌四十八法・二十三:半圏手法」の和訳

「他人手法多直线,跨上半步等如闲。」

他(tā) 人(rén) 手(shǒu) 法(fǎ) 多(duō) 直(zhí) 线(xiàn) ,跨(kuà) 上(shàng) 半(bàn) 步(bù) 等(děng) 如(rú) 闲(xián) 。

 「他人の攻撃手法はその多くが直線的なものであるから、半歩踏み出せば防いだも同じである。」

「即或指直打斜法,再跨半步不相干。」

即(jí) 或(huò) 指(zhǐ) 直(zhí) 打(dǎ) 斜(xié) 法(fǎ) ,再(zài) 跨(kuà) 半(bàn) 步(bù) 不(bù) 相(xiāng) 干(gàn) 。

「あるいはその直線攻撃を(こちらの)斜め攻撃に向けてきたとしても、再度半歩踏み出せば、互いに触れることはない。」

※各文字のピンインを示しました。皆さんなりの解釈をする際にご利用ください。

「八卦掌四十八法・二十二:半圏手法」の解説

二十二は、多人数相手における遊撃戦の典型身法である「半斜」の効力を説明しています(※「半斜」は当門独自の言い方)。

半歩踏み出すことの重要性を、「半歩踏み出せば防いだも同然」と言及することで、その効果の大きさを説明しています。

半歩踏み出すことで敵の攻撃プランに狂いを生じさせる「半斜(はんしゃ)」の技法

半歩の図

敵の攻撃は、直線的なものが多くなります。組手や散手を経験した人は分かると思いますが、何の疑いもなく、両者が眼の前の敵のみに集中して練習することになります(そういう目的の練習であるため、問題はありません)。

その練習シチュエーションの中で繰り出される技は、当然直線的なものとなります。自身の今いる場所から、攻撃照準に向けてまっすぐに拳なり足を繰り出すことが合理的な攻撃となります。一対一で向き合う練習が多くなればなるほど、それが戦いの「通常の形」だと思いこむ傾向が強くなります。

「組手をすることなどない一般人には効かないのではないか?」という疑問がありますが、皆、潜在的に一対一の攻防をテレビや漫画などで見て、そういうものだと思い込んでいます。実際に、素人同士の一対一のケンカ動画などでは、まず最初に試合のように向き合って様子をうかがうパターンばかりです。

それらの、戦いの中において「通常の形」と化した攻防スタイルに、八卦掌は活路を見いだしました。半歩踏み出して、敵が心の中で思い描いていた攻撃プランに狂いを生じさせるのです。その狂いは、突然であればあるほど効果的です。私は「半圏手法」で紹介されたこの踏み出しを「半斜」と呼び、典型身法として「半斜翻身」として採りあげ、何度も練習をしています。

その突然の転換は、意識して日頃から練習しておかないと実に難しいものです。敵の攻撃射程距離に入った瞬間に、前動作なくスッと敵の斜め前に移動します。

半歩踏み出すことで敵の攻撃プランに狂いを生じさせる「半斜(はんしゃ)」の技法

その突然の転換は、意識して日頃から練習しておかないと実に難しいものです。敵の攻撃射程距離に入った瞬間に、前動作なくスッと敵の斜め前に移動します。

射程距離に入ってから敵の攻撃に対応する、のではなく、入った瞬間に半斜します。その時相手の手がこちらに向かってくるならば「按」や「老僧托鉢」で防ぎます。蹴り技をしてきたならば、蹴りをしてくる足を我の足を出すことで防ぎつつ、半斜します。

よって、半斜時における手での防御は、半歩踏み出す際の補助動作となるのですね。「半圏手法」で「半歩踏み出せば防いだも同じ」という指摘は、目を取られがちな手技での防御よりも、身体を敵の攻撃照準からずらす半斜動作の方が重要であることを言いたかったのでしょう。

こちらの半歩に相手が反応してきたら

敵がこちらの半斜に反応し、踏み出してきたらどうするか?機動力を活かした攻撃スタイルを採ると、思うようにならないいらだちからか、力任せの突撃攻撃をされる場合があります。

「半圏手法」では、再度の半歩で対応すれば、触れられることもないとします。

そもそも八卦掌では遊撃戦を採るため、つねに歩は刻み続けているものです。よってここでは、動き続けて対応することの重要性、もっと深読みをすれば、眼前の敵にこだわらないでさっさと次に行こう、を説いたものだと解釈することもできるのです。

弱者生存の護衛護身武術を極めたい方へ~清王朝末期頃のままの八卦掌「清朝末式八卦掌」を国内で唯一伝える水野先生の道場「八卦掌水式門」入門方法

1.八卦掌水式門~清朝末期成立当時の原初スタイル八卦掌「清朝末式八卦掌」を国内で唯一指導する稀代の八卦掌家・水野先生の道場

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門で八卦掌第7世を掌継させていただいた、掌継人のsと申します(先生の指示で仮称とさせていただきます)。掌継門人の一人として、八卦掌水式門の紹介をしたいと思います。

石川県・遠隔地門下生

八卦掌水式門は、清朝末期成立当時のままの原初スタイルの八卦掌「清朝末式八卦掌」を国内で唯一伝える八卦掌専門道場です。「単換掌の術理(単換掌理)」による「弱者使用前提」・「生存第一」の技術体系からぶれず、成立当時の目的を一心に貫く伝統門です。

八卦掌第6世の水野先生の伝える八卦掌は、強者使用前提・対一人・対試合想定の近代格闘術的八卦掌が主流となっている現代において、対多人数移動遊撃戦による弱者使用前提の撤退戦を貫いた極めて異色の存在となっています。

先生の伝える八卦掌の最大の特徴は、「単換掌の術理(水式門で先生は、「単換掌理・たんかんしょうり」と略して指導しています)」に徹している点です。

「単換掌の術理」とは、敵と接触を極力さけ、敵の力とぶつからない斜め後方へスライド移動しながら対敵対応をする、「相手次第」を排し「自分次第」にシフトした術理です。

間合いを取り、敵と力がぶつからない場所へ移動しながら「去り打ち」することを正当な戦法としているため、女性やお子さん・お年を召した方にとって極めて現実的な護身術となっています(※よって水式門では、私を含め、女性の修了者さんが多いです)。

単換掌の術理を理解するには、修行の初期段階に、術理に熟練した指導者による対面での練習を通して対敵イメージをしっかりと構築することが必要不可欠、だと先生は言います。

『八卦掌は「勢(せい)」が命の武術。前に向かってひたすら進み続けることで勢を維持せよ。後ろ敵は勢があれば追いつけない。横敵には単換掌の術理・斜め後方スライドで対応せよ。電撃奇襲をすることで、守るべき人に手を出させない、囮(おとり)護衛による中国産護衛護身武術なんだ』は先生の「口癖」化した説明ですね。

相手の侵入してくる角度や強度、そして敵動作に対する自分の身体の使い方を、先生の技を受け、または先生を試し打ちをしながら自ら身体を動かして学んでいきます。 先生は、「私の技を受けるのが最も上達する近道となる。しっかりと見てイメージを作り、独り練習の際、そのイメージを真似するんだぞ。」と語り、常に相手になってくれます。 それは初心者には果たせない役割。水式門では、先生はいつでも技を示してくれます。相手もしてくれるし、新しい技を指導するとき、使い方もしっかりと見せてくれるから、一人の練習の時でも、イメージが残るのです。

よって最初から全く一人で行うことは、リアルな敵のイメージが分からない点から、大変難しいものとなります。この問題は、私がこの場で、先生の指導を受けたほうがといいと強くすすめる理由となっています。

私も石川県在住時は遠隔地門下生でした。先生が富山に来たときは、集中的に相手になってもらいました。石川県という遠くであっても、先生の教え方のおかげで、ブレずにここまで来ることができました。

単換掌の術理に基づいた弱者生存第一の八卦掌を指導する八卦掌の教室は、日本国内では水式門だけです(それか、公にしていません)。

弱者使用前提がゆえの現実的方法で自分を守る武術に興味がある方。力任せの攻撃にも負けない護身術や八卦掌を極めたいと思う方は、水式門の扉を叩いてください。水式門なら、弱者が生き残る可能性を生じさせる八卦掌中核技術を、明快に学ぶことができます

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2.八卦掌水式門は、仮入門制の有る純然たる「伝統門」道場

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八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門は、代表である水野先生が、八卦掌第5世(梁派八卦掌第4世伝人)である師より指導許可を受けて門を開いた、純然たる「伝統門」です。それゆえ、入門資格を満たしているかを判断する仮入門制(仮入門期間中の人柄・態度を見て本入門を判断する制度)を、入門希望者すべての方に例外なく適用しています。もちろん私も仮入門期間を経て本入門しました。

水野先生が指導する八卦掌は、綺麗ごとのない護衛護身武術。一部に当然殺傷技法が伝えられ、昔の中国拳法と同じく実戦色が強い八卦掌。誰それ構わず指導することはいたしません。

特に先生は、拳法を始めた動機も真剣。他者への思いやりに欠ける人間に伝えてしまい、それで人が傷つけられてしまう事態を招くことを、心から心配しています。

よって各科に掲載された「入門資格」を満たした人間だと判断した場合にのみ、先生は本入門を認め、受け継いだ技法をお伝えしています。「八卦掌の伝統門として、門が負うべき当然の義務と配慮」。これも先生が常に話す口癖ですね。

水式門には『弱者生存の理で貫かれた護衛護身術「八卦掌」を日本全国各所に広め、誰もが、大切な人・自分を守る技術を学ぶことができる環境を創る』という揺るぎない理念があります。

先ほども触れたように、他者への思いやりに欠ける人間に伝えてしまうことは、技法が濫用され第三者が傷つく事態を招き、理念実現に真っ向から反する結果を生んでしまいます。

水野先生は、門入口を無条件に開放して指導し門を大きくすることより、たとえ仮入門制を設けて応募を敬遠されたとしても、他者への思いやりに欠ける人間に伝えてしまう事態を避けることを重視しています。

ここまで書くと、なかなか入ることのできない難しい道場だと思うかもしれませんが、そんなことはありません。仮入門制はありますが、一般的な常識と礼節、思いやりがあれば、心配する必要は全くありません

指導を受けてみれば分かるのですが、先生はいつも、門下生のことを考え、熱心に指導してくれ、怒鳴ったりもなく、笑顔です。安心してください(無礼な態度や乱暴なふるまいには、ベテラン・初心者関係なく厳しいですが)。

仮入門期間を経て本入門となった正式門下生には、「誰もが大切な人、自分を守ることができる清朝末式八卦掌」の全てを、丁寧に、熱心に、真剣に教えてくれます

迷ってるあなた。水式門には、積み重ねるならば、弱者と言われる者でも高みに達することができるシンプルで明快な技術体系があります。先生の温かく熱心な指導で、「守る」強さを手にしてみませんか。

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