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八卦四十八法:十二・決胜法

対多人数遊撃戦における対処法の一つである、四十八法12の決胜法(決勝法)。

四十八法では、対多人数遊撃戦に言及した歌訣が多いです。三十六歌訣が身体操作や基本について述べているのが多いのに比べ、四十八法は、戦闘理論の傾向が強いですね。

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「八卦四十八法:十二・決胜法」の和訳

彼力千钧快如梭、避强用顺快不挪。

bǐ lì qiān jūn kuài rú suō 、bì qiáng yòng shùn kuài bù nuó 。

敵の力が強大で速くとも、こちらはそれにつられて力強く速くで対抗せず、敵の力や速さに従う。

千人只有三五近、稍伸手脚不难遮。

qiān rén zhī yǒu sān wǔ jìn 、shaō shēn shǒu jiǎo bù nán zhē 。

敵が1,000人居ようとも、我に近づくことができるのは、せいぜい3~5人程度。手足を休まず出し続けて対処すれば、この局面に対処するのは難しくない。

「八卦四十八法:十二・決胜法」の解説

「彼力千钧快如梭、避强用顺快不挪。千人只有三五近、稍伸手脚不难遮。」

敵の力が強大で速くとも、こちらはそれにつられて力強く速くで対抗せず、敵の力や速さに従う。敵が1,000人居ようとも、我に近づくことができるのは、せいぜい3~5人程度。手足を休まず出し続けて対処すれば、この局面に対処するのは難しくない。

◆「彼力千钧快如梭、避强用顺快不挪。」について

前半部分は、敵のフィジカルが我のフィジカルよりも勝っている場合のアドバイスです。

護身において、我に理不尽な暴力を強いてくる人間というのは、体格が大きかったり、状況が有利な場合が多いため、参考になります。

フィジカルの優位な敵には、我に無いもの(敵を上回る速さや力など)で対抗しようとしない。よく言われることですが、これにはコツがいります。

まず、遠い間合いによって相手の眼前にとどまっていては、敵の勢に従うことはできません。先ずは敵の間合い近くまで入り込むことです。間合いの目安は、我が敵の今立っている場所に割り込んでいくくらい近く。

そこまでいくことで、敵の力の勢いや向きをかんじることができます。遠い間合いからでは、感じるどころが、敵のベスト攻撃を受け続けるのみです。

もつれていく中で、進むだけで相手を崩すことができるような状況が訪れます。そこが狙い所ですね。柔道や太極推手に長いこと取り組んでいる方には、分かっていただける感覚かと思います。

◆「千人只有三五近、稍伸手脚不难遮。」について

敵が1,000人いようとも、我に近づくことができるのは、たった3~5人。手足を出し続ければ、対処可能・・・。すごいアドバイスですが、言わんとすることは伝わってきます。

古代ギリシャ時代、アケメネス朝ペルシアとスパルタが戦った、テルモピュライの戦いを思い出します(映画「300」にもなりました)。

ペルシャの大軍相手に、両軍接地面積が極小となる狭い隘路にて布陣。そうなると、300人足らずのスパルタといえども、包囲殲滅作戦を採ることはできません。結局、前面のわずかな部隊しか、交戦できません。まさに、敵1,000人といえども3~5人程度・・・の状態です。

スパルタの重装歩兵は、百戦練磨の超精鋭であり、ベストの戦場立地で行われる「待ちかまえ防御攻撃」であるため、寄せ集めのペルシャ兵では、簡単に陣を崩すことはできません。隘路では、ペルシャの軽騎兵による蹂躙攻撃ができません。スパルタは、敵軍のフィジカルで大きく劣っていたため、隘路に誘い込んで敵軽騎兵部隊の機動力を殺し、そこで精鋭による万全の迎撃態勢で迎え撃ったのです。

数で勝っているため攻撃手段が雑になり、無理に力で押そうとしてしまい、ゆえにペルシャ側に甚大な被害が出つづける。これは創作でしょうが、陣形が崩れ、押し戻したスパルタ軍のレオニダス王の投げ槍が、クセルクセスの頬をかすめます。勝利の可能性が生まれたのですね。

八卦掌において、12:必勝法を元にした具体的説明をしていきましょう。一例ですが、参考にしてください。

八卦掌の戦闘では、ベスト立地に陣を構え・・・とはいきませんが、練り続けた歩法による遊撃戦で、我に近づく敵の数を減らすことができます。走圏を練習したことがなくふだんから移動攻撃を練習していない人間にとって、移動する敵を攻撃するのは至難の業です。これは柔道で、ある少年との乱取りにより実感しています(また詳しく話します)。

歩きながらの攻撃(ステップしながらの攻撃ではない)は、練習しないと本当に難しいのです。

移動攻撃をする敵につられ、数で押そうとすれば、味方同士でぶつかったり、移動する敵を追いかける過程で勝手に自らバランスを崩し転倒したりします。そもそも、息がすぐに上がってしまうでしょう。

我は、移動しながら、手を出し続けます。これも日頃からの移動戦の練習において養うものです。支柱でもいい、なんでもいいので、移動しながら攻撃をする練習をします。

そして、手を出し続けること。ただ出すだけでいいです。それだけで、相手はますます近づくことができなくなります。そして敵はとどまるようになりますので、動きが止まった敵に、突然連続穿掌で突進します。動きを止めていた敵はまず対処できません。

弱者生存の護衛護身武術を極めたい方へ~清王朝末期頃の昔日の八卦掌を国内で唯一伝える水野先生の道場「八卦掌水式門」入門方法

1.弱者生存第一の「単換掌の術理」に貫かれた成立当初(清王朝末期頃)のままの八卦掌を国内で唯一追求し指導する、稀代の八卦掌家

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門で八卦掌第7代を掌継させていただいた遠隔地門下生のsと申します(先生の指示で仮称とさせていただきます)。代継弟子の一人として、八卦掌水式門の紹介をしたいと思います。

石川県・遠隔地門下生

八卦掌水式門は、成立当初(清王朝末期頃)の「単換掌の術理(単換掌理)」に貫かれた「生存第一スタイル」の八卦掌を指導する、国内で極めて数の少ない八卦掌伝統門です。

八卦掌第6代の水野先生の伝える八卦掌は、敵前変化攻防の近代スタイル八卦掌が主流となっている現代において、対多人数移動遊撃戦による弱者使用前提撤退戦を貫いた異色の存在となっています。

先生の伝える八卦掌の最大の特徴は、やっぱり、「単換掌の術理(水式門で先生は、「単換掌理」と呼んで指導しています)」に徹している点。

「単換掌理」とは、敵と接触を極力さけ、敵の力とぶつからない方向へ移動しながら対敵対応をする術理です。間合いを取り、逃げることを正当な戦法とし、力がぶつからないため、女性やお子さん・お年を召した方にとって最も現実的な護身術となっています(※よって水式門では、私を含め、女性の修了者さんが多いです)。

単換掌理を理解するには、修行の初期段階に、掌理に熟練した指導者による対面での練習を通して対敵イメージをしっかりと構築することが必要不可欠、だと先生は言います。

「単換掌理系の技は、対人走圏で養った移動による間合い取りと、敵の引きつけ引き込み技術、転身技術とで実行する技。現実的で明確な敵のイメージを持って練習しないと、実戦でとまどうことになる」は先生の口癖ですね。

相手の侵入してくる角度や強度、そして敵動作に対する自分の身体の使い方を、先生の技を受け、または先生に試し打ち(!)をしながら自ら身体を動かして学んでいく必要があります。それは初心者には果たせない役割。水式門では、先生がいつも相手をしてくれるし、新しい技を始動するとき、使い方もしっかりと見せてくれるから、一人の練習の時でも、イメージが残るんです。

よって最初から全く一人で行うことは、リアルな敵のイメージが分からない点から、大変難しいものとなります。この問題は、私がこの場で、先生の指導を受けたほうがといいと強くすすめる理由となっています。

私も遠隔地門下生。先生が富山に来たときは、集中的に相手になってもらいました。石川県という遠くであっても、先生の教え方のおかげで、ブレずにここまで来ることができました。

単換掌理に基づいた弱者生存第一の八卦掌を指導する八卦掌の教室は、全国にほとんどありません(それか、公にしていません)。弱者使用前提がゆえの現実的方法で自分を守る武術に興味がある方。力任せの攻撃にも負けない八卦掌を極めたいと思う方は、水式門の扉を叩いてください。水式門なら確実に、弱気が生き残るための技術を学ぶことができます

2.八卦掌水式門は、入門審査を通った者が門下生となることができる純然たる「伝統門」道場

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門は、代表である水野先生が、八卦掌第5代(梁派八卦掌第4代伝人)である師より指導許可を受けて門を開いた、純然たる「伝統門」です。それゆえ、入門資格を満たしているかを判断する入門審査(問いあわせ~体験までの態度を見ての総合判断)を、入門希望者すべての方に例外なく行っております。もちろん私も受けたうえで入りました。

水野先生が指導する八卦掌は、護身術であれど、一部に当然殺傷技法が伝えられ、昔の中国拳法と同じく実戦色が強い八卦掌。誰それ構わず指導することはいたしません。

特に先生は、拳法を始めた動機も真剣。自分を律することができない人間に伝えてしまい、それで人が傷つけられてしまう事態を招くことを、心から心配しています。

よって、以下で掲げてある「入門資格」を満たした人間だと判断した場合にのみ、先生は受け継いだ技法をお伝えしています。「八卦掌の伝統門として、門が負うべき当然の義務と配慮」。これも先生が常に話す口癖ですね。

水式門には『弱者生存の理で貫かれた護衛護身術「八卦掌」を日本全国各所に広め、誰もが、大切な人・自分を守る技術を学ぶことができる環境を創る』という揺るぎない理念があります。

先ほども触れたように、己を律することのできない人間に伝えてしまうことは、技法が濫用され第三者が傷つく事態を招き、理念実現に真っ向から反する結果を生んでしまいます。

水野先生は、門入口を無条件に開放して指導し門を大きくすることより、たとえ審査を設けて応募を敬遠されたとしても、少なからずいる暴力的・非常識な人間に伝わってしまう事態を避けることを重視しています。

ここまで書くと、なかなか入ることのできない難しい道場だと思うかもしれませんが、そんなことはありません。審査はありますが、一般的な常識と礼節、思いやりがあれば、心配する必要は全くありません

指導を受けてみれば分かるのですが、先生はいつも、門下生のことを考え、熱心に指導してくれ、怒鳴ったりもなく、笑顔です。安心してください(無礼な態度や乱暴なふるまいには、ベテラン・初心者関係なく厳しいですが)。

審査を通過した正式門下生には、「誰もが大切な人、自分を守ることができる八卦掌」の全てを、丁寧に、熱心に。真剣に教えてくれます

迷ってるあなた。水式門には、積み重ねるならば、弱者と言われる者でも高みに達することができる技術体系があります。先生の温かく熱心な指導で、「守る」強さを手にしてみませんか。

3.入門手続き

八卦掌水式門の正式門下生となるためには、個別指導科における近代八卦掌コースを除いたすべての科において、仮入門期間(体験入門日から一カ月経過もしくは体験入門を含めた3回の練習参加)を経る必要があります(指導内容が他人を傷つける技術を含むため)。この期間を経過した後、入門を希望する方は、以下の手続きに従い、入門申請をしてください。

手順1 申込フォーム記載申請と体験入門参加

各科とも以下の問い合わせフォームに必要事項を記載のうえ体験入門を申請する。

手順2 本入門希望者は、「本入門申請フォーム」より、本入門申請をする

体験入門を含めた仮入門期間経過後、本入門を希望する方は、各科共通の 本入門申請フォーム より、本入門申請をしてください。本入門を認めるかどうかの判断をさせていただきます。

「入門資格・入門時誓約事項・入門時特記事項」については、こちら にて必ず目を通し、理解したうえで本入門申請をすること。

「入門資格・入門時誓約事項・入門時特記事項」

本入門申請意思受領後、本入門審査を経て、結果のメールを送信します。本入門許可者には、入門案内のメ―ルを送信しますので、メール文中に記載されている弊門指定の銀行口座に初月指導料を振り込んでください。

※入門許可メール送信後、送信日を含めて14日以内に入金がない場合は、入門の意思がなくなったと判断し、申請はなかったものとさせていただきます。

※本入門が許可されなかった場合についてのクレーム・理由開示要求には、例外なく対応いたしませんのでご了承ください。

手順3 「入門誓約書」のダウンロード

下のリンクにて「入門誓約書」をダウンロードし、内容を確認。誓約書の内容に同意するならば、同書類を印刷し、必要事項を記載の上、本入門後の初回練習時に持参する。

「入門誓約書」のダウンロード

※ダウンロードができない方は、shiroikukmoajisai@gmail.com 宛にご連絡ください。

手順4 練習会に初参加

上記「入門誓約書」を持参の上、グーグルカレンダー記載の希望各科の練習会に参加する。

※「入門誓約書」を必ず持参すること。持参し忘れ2回目の者には例外なく指導しない。ダウンロードができなかった理由で持参出来なかった者は、必ずそのむねを告げること。

※カレンダーが、参加する科のカレンダーであるかどうかを、しっかりと確認すること。

※各科とも、参加希望日の前日の24時までに、に、参加メール「例文:○○です。○○日参加します」とメールを入れること(場所変更の可能性があるため)。

八卦掌水式門富山本科イメージ