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八卦掌三十六歌(三十六歌訣):歌三十五

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「八卦掌三十六歌(三十六歌訣):歌三十五」の和訳

冰天雪地雨泞滑、前脚横使切莫差。

冰(bīng) 天(tiān) 雪(xuě) 地(d) 雨(yǔ) 泞(nìng) 滑(huá) 、前(qián) 脚(jiǎo) 横(héng) 使(shǐ) 切(qiè) 莫(mò) 差(ch) 。

雪が降り凍る時、雨が降り地がぬかるみ滑る時は、前足を横にだすことで、通常の天候状態の時足を進めるのと同じ状態となる。

翻身切忌螺丝转、高低紧避仍为佳。

翻(fān) 身(shēn) 切(qiè) 忌(jì) 螺(luó) 丝(sī) 转(zhuǎn) 、高(gāo) 低(dī) 紧(jǐn) 避(bì) 仍(réng) 为(wèi) 佳(jiā) 。

翻身する際は、ねじのように回転して翻身すること、身体を上下動させることは、とにかく避けることを勧める。

「八卦掌三十六歌(三十六歌訣):歌三十五」の解説

未舗装路が多い地方在住の私にとって、この三十五は、意外と重要です。

舗装路の上でばかり練習をしていると、その安定性が当たりまえのようになってしまいます。しかし舗装路に砂が少し飛んでくるだけでも、滑りやすさは格段に上がり、滑ることへの警戒感が生まれ、ふだんの技の精度や勢いは途端に失われます。

実際、戦闘はいつどこで行われるかわかりません。

私が遭遇した条件は、未明の雨上がりの芝生の上、整備されていない草だらけの堤防路、球場における長ベンチの上、障害物だらけの真っ暗の工事現場・・・・半分以上は、足場の悪い場所でした。よって、悪条件を想定した練習をするのは、危機管理におけるリスクマネジメント・ダメージコントロールの観点からも、実に有効な試みです。

悪条件の路面に向けた現実的練習方法

すべりやすい、もしくは下を確認しながら歩を進めなければならないような場所では、練習時の速度で足を進めることができません。

よって、じっくりと足を刻む練習も必要となります。これは特別に新たな練習を要しなくてもいいです。たとえば対多人数戦入り身の練習は素早い動きで練習するが、一動作一動作ごと確認しながら行うようにし、その確認しながらの動作を磨き上げてなるべく早く動くことができるようにします。

「遅く動いたら、相手に捕捉されるだろうが」という心配もそれほどしなくてよいでしょう。なぜなら、相手も動きにくさは同じであり、動きにくいにも関わらず早く動くならば、態勢を崩してしまい、それは致命的な状態へと陥るからです。

歌三十六では、滑りやすい路面状況、を挙げています。清国末期から中華民国初期にかけては、当然に舗装路などほとんどなく、悪条件の路面が多かったことでしょう。悪条件の代表格である「すべりやすい路面」を採りあげ、ここで説明したものだと思います。

参考までに、自分が滑りやすい路面における想定練習をしていた際の練習段階を示します。

第一段階:湿った芝生の上(最初はすべった路面に慣れていないから、転倒しても汚れるだけの芝生が最適)

第二段階:砂地の上での練習(舗装路に比べ転倒してもケガがすくないため)

第三段階:舗装路において砂がかぶさっている状態での練習(転倒によるケガの懸念があるため、第三段階)

第四段階:濡れた石畳、凍った路面(最も危険。動作は必ずゆっくりと行うこと。あと手袋は必ず着用すること)

歌三十六による、悪条件下の路面における身体安定のアドバイス

足もとの不安定さに対処する方法として、三十六では、ふたつのアドバイスをしてくれています。

翻身する際、ねじのように回転して翻身しないこと。そして、上下動をしないこと。

この2つは、地盤が滑りやすい状況だけに限らない、八卦掌の動作の安定と体力の温存を確保するための鉄則となっています。特の当門八卦掌の戦闘スタイルである移動遊撃戦では、身体の上下動は最大の欠点となります。

ネジ回りは、ネジ回りをしている最中とし終わった直後、動作を意の管理下に置くことが難しくなるため行いません。「扣歩せずして転身するなかれ」は、転身の素早さの確保よりも、身体操作正確さの確保から説かれています。

上下動は、身体の上下動だけでなく、目線の上下動すらも避けた方がいいでしょう。対多人数遊撃戦応用練習をしたことがある方は分かると思いますが、目線を安定させると自然と身体上下も少なるため、呼吸の安定につながり、心肺が安定します。

上下のコンビネーション、は武術・武道における大きな有効方法ですが、水式門八卦掌では、身体の上下動を伴わない上下コンビネーションにとどめます。

徹底した移動遊撃戦では、技を打つたびに打つ場所が変わっているため、上下の変化がなくても横の変化で相手へのプレッシャーを保つことができます。横方向での変化で補って、体力を奪う身体の上下動を無くし、少しでも遊撃戦の耐久時間を伸ばしていくのです。

弱者生存の護衛護身武術を極めたい方へ~清王朝末期頃のままの八卦掌「清朝末式八卦掌」を国内で唯一伝える水野先生の道場「八卦掌水式門」入門方法

1.八卦掌水式門~清朝末期成立当時の原初スタイル八卦掌「清朝末式八卦掌」を国内で唯一指導する稀代の八卦掌家・水野先生の道場

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門で八卦掌第7世を掌継させていただいた、掌継人のsと申します(先生の指示で仮称とさせていただきます)。掌継門人の一人として、八卦掌水式門の紹介をしたいと思います。

石川県・遠隔地門下生

八卦掌水式門は、清朝末期成立当時のままの原初スタイルの八卦掌「清朝末式八卦掌」を国内で唯一伝える八卦掌専門道場です。「単換掌の術理(単換掌理)」による「弱者使用前提」・「生存第一」の技術体系からぶれず、成立当時の目的を一心に貫く伝統門です。

八卦掌第6世の水野先生の伝える八卦掌は、強者使用前提・対一人・対試合想定の近代格闘術的八卦掌が主流となっている現代において、対多人数移動遊撃戦による弱者使用前提の撤退戦を貫いた極めて異色の存在となっています。

先生の伝える八卦掌の最大の特徴は、「単換掌の術理(水式門で先生は、「単換掌理・たんかんしょうり」と略して指導しています)」に徹している点です。

「単換掌の術理」とは、敵と接触を極力さけ、敵の力とぶつからない斜め後方へスライド移動しながら対敵対応をする、「相手次第」を排し「自分次第」にシフトした術理です。

間合いを取り、敵と力がぶつからない場所へ移動しながら「去り打ち」することを正当な戦法としているため、女性やお子さん・お年を召した方にとって極めて現実的な護身術となっています(※よって水式門では、私を含め、女性の修了者さんが多いです)。

単換掌の術理を理解するには、修行の初期段階に、術理に熟練した指導者による対面での練習を通して対敵イメージをしっかりと構築することが必要不可欠、だと先生は言います。

『八卦掌は「勢(せい)」が命の武術。前に向かってひたすら進み続けることで勢を維持せよ。後ろ敵は勢があれば追いつけない。横敵には単換掌の術理・斜め後方スライドで対応せよ。電撃奇襲をすることで、守るべき人に手を出させない、囮(おとり)護衛による中国産護衛護身武術なんだ』は先生の「口癖」化した説明ですね。

相手の侵入してくる角度や強度、そして敵動作に対する自分の身体の使い方を、先生の技を受け、または先生を試し打ちをしながら自ら身体を動かして学んでいきます。 先生は、「私の技を受けるのが最も上達する近道となる。しっかりと見てイメージを作り、独り練習の際、そのイメージを真似するんだぞ。」と語り、常に相手になってくれます。 それは初心者には果たせない役割。水式門では、先生はいつでも技を示してくれます。相手もしてくれるし、新しい技を指導するとき、使い方もしっかりと見せてくれるから、一人の練習の時でも、イメージが残るのです。

よって最初から全く一人で行うことは、リアルな敵のイメージが分からない点から、大変難しいものとなります。この問題は、私がこの場で、先生の指導を受けたほうがといいと強くすすめる理由となっています。

私も石川県在住時は遠隔地門下生でした。先生が富山に来たときは、集中的に相手になってもらいました。石川県という遠くであっても、先生の教え方のおかげで、ブレずにここまで来ることができました。

単換掌の術理に基づいた弱者生存第一の八卦掌を指導する八卦掌の教室は、日本国内では水式門だけです(それか、公にしていません)。

弱者使用前提がゆえの現実的方法で自分を守る武術に興味がある方。力任せの攻撃にも負けない護身術や八卦掌を極めたいと思う方は、水式門の扉を叩いてください。水式門なら、弱者が生き残る可能性を生じさせる八卦掌中核技術を、明快に学ぶことができます

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2.八卦掌水式門は、仮入門制の有る純然たる「伝統門」道場

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門は、代表である水野先生が、八卦掌第5世(梁派八卦掌第4世伝人)である師より指導許可を受けて門を開いた、純然たる「伝統門」です。それゆえ、入門資格を満たしているかを判断する仮入門制(仮入門期間中の人柄・態度を見て本入門を判断する制度)を、入門希望者すべての方に例外なく適用しています。もちろん私も仮入門期間を経て本入門しました。

水野先生が指導する八卦掌は、綺麗ごとのない護衛護身武術。一部に当然殺傷技法が伝えられ、昔の中国拳法と同じく実戦色が強い八卦掌。誰それ構わず指導することはいたしません。

特に先生は、拳法を始めた動機も真剣。他者への思いやりに欠ける人間に伝えてしまい、それで人が傷つけられてしまう事態を招くことを、心から心配しています。

よって各科に掲載された「入門資格」を満たした人間だと判断した場合にのみ、先生は本入門を認め、受け継いだ技法をお伝えしています。「八卦掌の伝統門として、門が負うべき当然の義務と配慮」。これも先生が常に話す口癖ですね。

水式門には『弱者生存の理で貫かれた護衛護身術「八卦掌」を日本全国各所に広め、誰もが、大切な人・自分を守る技術を学ぶことができる環境を創る』という揺るぎない理念があります。

先ほども触れたように、他者への思いやりに欠ける人間に伝えてしまうことは、技法が濫用され第三者が傷つく事態を招き、理念実現に真っ向から反する結果を生んでしまいます。

水野先生は、門入口を無条件に開放して指導し門を大きくすることより、たとえ仮入門制を設けて応募を敬遠されたとしても、他者への思いやりに欠ける人間に伝えてしまう事態を避けることを重視しています。

ここまで書くと、なかなか入ることのできない難しい道場だと思うかもしれませんが、そんなことはありません。仮入門制はありますが、一般的な常識と礼節、思いやりがあれば、心配する必要は全くありません

指導を受けてみれば分かるのですが、先生はいつも、門下生のことを考え、熱心に指導してくれ、怒鳴ったりもなく、笑顔です。安心してください(無礼な態度や乱暴なふるまいには、ベテラン・初心者関係なく厳しいですが)。

仮入門期間を経て本入門となった正式門下生には、「誰もが大切な人、自分を守ることができる清朝末式八卦掌」の全てを、丁寧に、熱心に、真剣に教えてくれます

迷ってるあなた。水式門には、積み重ねるならば、弱者と言われる者でも高みに達することができるシンプルで明快な技術体系があります。先生の温かく熱心な指導で、「守る」強さを手にしてみませんか。

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