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単換刀で学ぶ清朝末式八卦掌原点術理|翻身旋理と刀裏背走理

(このページは、2024年3月26日に更新しました。)

単換刀のイメージ画像

単換刀は、単換掌の原型であり、清朝末期成立当時のままの八卦掌(以下「清朝末式八卦掌」と呼ぶ)の原点となった技法である。

戦時ではない、平時における宮中文官の護衛武術として通用すること目指し、藤牌兵の戦場刀術と創始者の従来修めていた武術などから単換刀が生まれた。

そこから単換掌となり、転掌(成立当時の八卦掌の名前)として技術体系が組まれ、洗練されていったと考えられる。

単換刀は極めてシンプルな型なれど、清朝末式八卦掌の最重要中核技法「斜め後方スライド撤退戦対敵身法(単換掌の術理・単換掌理)」の土台をなす根幹術理「翻身旋理(ほんしんせんり)」と「刀裏背走理(とうりはいそうり)」に初めて触れる、極めて重要な型なのである。

このぺージでは、両理の意義と練習時における注意点について説明し、初学者や独習者の道しるべを示したい。

「単換刀」で学ぶ術理とは~清朝末式八卦掌の原点術理

「単換刀」は、動画を見て分かる通り大変シンプルなれど、「翻身旋」理と「刀裏背走」理を学ぶ型として大変重要である。

この両理は、八卦掌の移動遊撃戦の機動力を確保し、勢(せい)を維持するための中核技法「斜め後方スライド対敵身法(単換掌の術理・単換掌理)」を生み出した。

八卦掌は成立当時「転掌(てんしょう)」という名称であった。その名の通り、転じる際に掌打をくらわして敵を退け、打ち、身を守る武術であった。このページは、「転掌=清朝末式八卦掌」として読んでもらいたい。

単換刀術理

向き合って戦わないのは、転掌が「対多人数想定・対武器想定・対強者想定」の護衛武術だったからである。

対多人数想定・対武器想定・対強者想定である以上、その者は、複数人いる敵の、そのうちの一人にのみ対応していてはいけない。次から次へと来る複数人の攻撃に対し、我が動かぬ的となっては、たちどころに攻撃を喰らってしまう。敵の目の前に居たら、刃物の刃先が当たってしまう。強者の目の前で戦っていたら、強者の力任せの攻撃をまともに受けてしまう。

転掌創始者・董海川先生は、清朝王宮の宦官(かんがん)であった。宦官とは、皇帝居住の宮中(主に後宮)において、王族や寵姫の身の周りの世話・雑事を担う男性官吏であり、寵姫や王族らと通じ、子供が出来て継承にトラブルが起きることを防ぐため、去勢されていた。去勢されていたため、筋力は通常男性より低く、女性より少しある程度であった。また、宦官は武官ではないため、甲冑を着用できず、かつ、攻撃力の高い武器を携帯することは許されなかった。

攻撃力の高い武器を携帯できない力の弱い者が、「対多人数想定・対武器想定・対強者想定」を戦う以上、既存の「敵と向き合って様子を見つつスキを攻撃して倒す」の戦い方はできない。そこで考えられたのが、徹底した移動遊撃戦であった。

常に高速で移動し続けていれば、敵の的となりにくい。常に移動し続けて敵と距離を保ち続ければ、刃物が当たる確立を下げることができる。常に強者の前出攻撃に対し下がって移動し続ければ、強者の力をまともに受けるリスクが下がる。そして・・・常に勢を保って猛然と動き続ければ、敵は我に気を取られ、油断できず、王族・要人に手を出すことができない。

一定時間、高速移動で護身し生存し続ければ、要人らの身代わりとなることができる。時間稼ぎである。護衛武術であるが、実質は囮(おとり)による護衛武術という、悲壮な一面があったのだ。

「一定時間、高速移動で護身し生存し続け」るための最も大きな土台となるのが、推磨式基本功と単換刀で学ぶ「翻身旋」理である。「翻身旋」理が出来ていれば、手に何も持っていなくとも、身体移動だけで一定時間の護身を果たすことができる。

自分が何か道具を持っていたり、敵が素手の場合は、我の末端部(手)を身体に近付け、身体に沿わせて体軸から末端部を極力はみ出させずに移動させる。「刀裏背走」理が出来ていれば、手を出しても素早く体幹にそわせることによって、キレのある後退スライドを実現できる。

以下、両理につき説明して行きたいと思う。

「翻身旋」理~八卦掌防御と攻撃の9割方を占める最重要術理

翻身旋理は、清朝末式八卦掌の定歩基本功(足を固定して練習する基礎練習)における最大の要・推磨式基本功の最重要学習項目である。

清朝末式八卦掌は、敵の接近・攻撃に対し、後退スライドして敵の力のベクトルと並走して防御する。この「後退スライド」にて、9割方敵の攻撃を避けるのである。

「後退スライド」は、移動遊撃戦において、命の要となる「勢(せい)※速く勢いのある移動速度のこと」を、敵に攻撃されても移動速度を落とさず「勢」を保つための中核技法である。

移動遊撃戦渦中は、たいがい敵に追走されているのもである。その際に後退スライドをキレよく行う必要がある。切れよく行う術理こそが、「翻身旋理」なのである。

まず推磨式基本功において、両足を固定した状態で、股関節を畳んで後方を向く要領を身体に覚えさせる。

股関節を畳むと、太ももから膝までの部分が近付き、擦れるまで近付くことになる。この状態にならないなら、たいがい、両足が離れすぎているため、股径を小さくすること。これを「磨脛(まけい)」状態と呼ぶ。後退スライド時は、翻身旋法によって磨脛の状態の中、キレよく斜め後方転身を行う。

腰を回転させて後方を向くと、転身半径が大きくなり、転身に要する時間が長くなる。加えて、差し出す手の軌道が大円軌道となり、手の軌道を見切られやすくなる。

腰を回転させて転身すると、腰の回転分敵に近づき、敵の力のベクトルに向かう形となり、敵と接触しやすくなり、力で押し込まれる可能性を高める。

翻身旋法を守ると、後退スライド動作中、常に敵から離れる方向へ移動できるため、敵の力にぶつかることなく、撤退戦を行うことができるようになる。

翻身旋法は、上記の基本姿勢を採り、身体の重心がリラックスした状態で下腹部上に乗っている状態で、かつ足が少し曲がっている状態、を意識すると行いやすい。

写真3~6に際しては、「推磨式基本功」で触れる「翻身旋(ほんしんせん)」法の要領を守ること。

「翻身旋法」とは、具体的にくだいて言うならば、股関節部分を畳んで、身体を後方へと「ずらし向け」する方法となる。

後退スライドによる身体の転身を、身体回転軸から極力はみ出さずに、キレよく後方を向くための秘訣となる。これは昔日であれば決して公開されることもない、本門弟子にのみ伝えられる秘伝であった。

ずらし向けすることによって、後方展開時に身体の横振れを最小限にし、後退スライド速度が鈍くなることを防ぐ。

「刀裏背走」理~武器持ち時は操りやすさを生み出し、徒手の時は翻身旋を意識で支える術理

「刀裏背走」理について説明したい。

具体的に言えば、片刃の刀における刃の付いてない部分(刀背・刀裏)を、自身の背中に向けて移動防御・移動攻撃することである。

自分の背中に刀裏を向けて移動し続ければ、刃のついている方向が、常に敵に向けられることになる。

昔日の転掌(八卦掌の昔の名前)刀術は、このように前を見ながら自身の背中越しに刀を振って、勢いを落とさないで敵集団の外面を駆け抜けて生存をはかっていたのだ。

このように書くと、刀の背を自身の背に向け続けること、が最重要だと思うかもしれないが、そうではない。

確かに、移動遊撃戦渦中における「防御」と「攻撃」の面から見たら、刀を自分の背に向けながら振り続ける技術は重要である。ここでは、八卦掌における身体操作の観点から考えてみる。

伸ばしている手の下を実際に「くぐる」ことで、身体軸に添わせる(からめる)感覚を味わう

刀裏を自身の背中に向け続けて移動するには、刀を操る手の軌道を、身体軸から極力離さずに、身体にからめるように添わせ、頻繁に刀下をくぐりながら操らなければならない。その点が「刀裏背走」理のポイントなのである。

手を身体から伸ばしている時末節部分たる手を、「翻身旋」による転身時に身体軸に添わせることで、効率よく身体転身と移動を可能とする。「添わせる」と書いたが、実質は「伸ばした手の下を(自分自身が)くぐる」のである。

この「くぐる」動作は、単換刀の型を見た時、少し注意して見ればすぐに分かる顕著な動作である。中国武術の一般的刀術の基礎練習にもこのような動きがあるが、単換刀では、「くぐる」動きを明確に採用して、翻身旋によるキレの良い後退スライドを後押ししている。

つまり、伸びている部分から、身体の転身といっしょに回転させるようなことをしないのである。転身に伴ってメリーゴーランドのように手を回すと、意外と重たい手の遠心力によって身体が必要以上に振られ、軸がぶれ、身体を安定させるための力を使うため、体力が奪われてしまう。

「翻身旋」理によっていくら無駄なく身体を転身しても、伸びきった手の遠心力で速度と限られたスタミナを落とすのである。

「くぐる」動作なくしても添わせる意識をもつことができるようになり、翻身旋による転身が後押しされる

「刀裏背走」理に習熟すると、手を伸ばしていない状態、もしくは刀を持っていない状態であっても、つまり、手をだらんと下げている状態でも、くぐる意識を活用し、身体自身を身体軸から極力はみ出さない意識で転身できるようになる。

翻身旋を行う際、刀裏背走理も伴って、手の動きをすることもなく、自然に行うことができるようになる。この状態を目指すのである。この状態に達すれば、「翻身旋90、刀裏背走10」の例えを理解できる。

いきなり八母掌や老八掌の単換掌に取り組むより、単換刀でじっくり両理を学び、後退スライドにつなげる。両理を理解したうえで、後退スライドを単換掌で練習すれば、後退スライド撤退戦対敵身法が深いレベルで理解できる。

ここまでの作業は、やはり時間がかかる。単換刀と単換掌を、同時に並行して練習していくことだ。「翻身旋」理と「刀裏背走」理を理解せずして、他の型、たとえば六十四掌や新換掌に取り組むなど問題外である。

弱者生存の護衛護身武術を極めたい方へ~清王朝末期頃の昔日の八卦掌を国内で唯一伝える水野先生の道場「八卦掌水式門」入門方法

1.弱者生存第一の「単換掌の術理」に貫かれた成立当初(清王朝末期頃)のままの八卦掌を国内で唯一追求し指導する、稀代の八卦掌家

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門で八卦掌第7代を掌継させていただいた遠隔地門下生のsと申します(先生の指示で仮称とさせていただきます)。代継弟子の一人として、八卦掌水式門の紹介をしたいと思います。

石川県・遠隔地門下生

八卦掌水式門は、成立当初(清王朝末期頃)の「単換掌の術理(単換掌理)」に貫かれた「生存第一スタイル」の八卦掌を指導する、国内で極めて数の少ない八卦掌伝統門です。

八卦掌第6代の水野先生の伝える八卦掌は、敵前変化攻防の近代スタイル八卦掌が主流となっている現代において、対多人数移動遊撃戦による弱者使用前提撤退戦を貫いた異色の存在となっています。

先生の伝える八卦掌の最大の特徴は、やっぱり、「単換掌の術理(水式門で先生は、「単換掌理」と呼んで指導しています)」に徹している点。

「単換掌理」とは、敵と接触を極力さけ、敵の力とぶつからない方向へ移動しながら対敵対応をする術理です。間合いを取り、逃げることを正当な戦法とし、力がぶつからないため、女性やお子さん・お年を召した方にとって最も現実的な護身術となっています(※よって水式門では、私を含め、女性の修了者さんが多いです)。

単換掌理を理解するには、修行の初期段階に、掌理に熟練した指導者による対面での練習を通して対敵イメージをしっかりと構築することが必要不可欠、だと先生は言います。

「単換掌理系の技は、対人走圏で養った移動による間合い取りと、敵の引きつけ引き込み技術、転身技術とで実行する技。現実的で明確な敵のイメージを持って練習しないと、実戦でとまどうことになる」は先生の口癖ですね。

相手の侵入してくる角度や強度、そして敵動作に対する自分の身体の使い方を、先生の技を受け、または先生に試し打ち(!)をしながら自ら身体を動かして学んでいく必要があります。それは初心者には果たせない役割。水式門では、先生がいつも相手をしてくれるし、新しい技を始動するとき、使い方もしっかりと見せてくれるから、一人の練習の時でも、イメージが残るんです。

よって最初から全く一人で行うことは、リアルな敵のイメージが分からない点から、大変難しいものとなります。この問題は、私がこの場で、先生の指導を受けたほうがといいと強くすすめる理由となっています。

私も遠隔地門下生。先生が富山に来たときは、集中的に相手になってもらいました。石川県という遠くであっても、先生の教え方のおかげで、ブレずにここまで来ることができました。

単換掌理に基づいた弱者生存第一の八卦掌を指導する八卦掌の教室は、全国にほとんどありません(それか、公にしていません)。弱者使用前提がゆえの現実的方法で自分を守る武術に興味がある方。力任せの攻撃にも負けない八卦掌を極めたいと思う方は、水式門の扉を叩いてください。水式門なら確実に、弱気が生き残るための技術を学ぶことができます

2.八卦掌水式門は、入門審査を通った者が門下生となることができる純然たる「伝統門」道場

八卦掌水式門代表・水野の写真
八卦掌水式門代表・水野義人先生

八卦掌水式門は、代表である水野先生が、八卦掌第5代(梁派八卦掌第4代伝人)である師より指導許可を受けて門を開いた、純然たる「伝統門」です。それゆえ、入門資格を満たしているかを判断する入門審査(問いあわせ~体験までの態度を見ての総合判断)を、入門希望者すべての方に例外なく行っております。もちろん私も受けたうえで入りました。

水野先生が指導する八卦掌は、護身術であれど、一部に当然殺傷技法が伝えられ、昔の中国拳法と同じく実戦色が強い八卦掌。誰それ構わず指導することはいたしません。

特に先生は、拳法を始めた動機も真剣。自分を律することができない人間に伝えてしまい、それで人が傷つけられてしまう事態を招くことを、心から心配しています。

よって、以下で掲げてある「入門資格」を満たした人間だと判断した場合にのみ、先生は受け継いだ技法をお伝えしています。「八卦掌の伝統門として、門が負うべき当然の義務と配慮」。これも先生が常に話す口癖ですね。

水式門には『弱者生存の理で貫かれた護衛護身術「八卦掌」を日本全国各所に広め、誰もが、大切な人・自分を守る技術を学ぶことができる環境を創る』という揺るぎない理念があります。

先ほども触れたように、己を律することのできない人間に伝えてしまうことは、技法が濫用され第三者が傷つく事態を招き、理念実現に真っ向から反する結果を生んでしまいます。

水野先生は、門入口を無条件に開放して指導し門を大きくすることより、たとえ審査を設けて応募を敬遠されたとしても、少なからずいる暴力的・非常識な人間に伝わってしまう事態を避けることを重視しています。

ここまで書くと、なかなか入ることのできない難しい道場だと思うかもしれませんが、そんなことはありません。審査はありますが、一般的な常識と礼節、思いやりがあれば、心配する必要は全くありません

指導を受けてみれば分かるのですが、先生はいつも、門下生のことを考え、熱心に指導してくれ、怒鳴ったりもなく、笑顔です。安心してください(無礼な態度や乱暴なふるまいには、ベテラン・初心者関係なく厳しいですが)。

審査を通過した正式門下生には、「誰もが大切な人、自分を守ることができる八卦掌」の全てを、丁寧に、熱心に。真剣に教えてくれます

迷ってるあなた。水式門には、積み重ねるならば、弱者と言われる者でも高みに達することができる技術体系があります。先生の温かく熱心な指導で、「守る」強さを手にしてみませんか。

3.入門手続き

八卦掌水式門の正式門下生となるためには、個別指導科における近代八卦掌コースを除いたすべての科において、仮入門期間(体験入門日から一カ月経過もしくは体験入門を含めた3回の練習参加)を経る必要があります(指導内容が他人を傷つける技術を含むため)。この期間を経過した後、入門を希望する方は、以下の手続きに従い、入門申請をしてください。

手順1 申込フォーム記載申請と体験入門参加

各科とも以下の問い合わせフォームに必要事項を記載のうえ体験入門を申請する。

手順2 本入門希望者は、「本入門申請フォーム」より、本入門申請をする

体験入門を含めた仮入門期間経過後、本入門を希望する方は、各科共通の 本入門申請フォーム より、本入門申請をしてください。本入門を認めるかどうかの判断をさせていただきます。

「入門資格・入門時誓約事項・入門時特記事項」については、こちら にて必ず目を通し、理解したうえで本入門申請をすること。

「入門資格・入門時誓約事項・入門時特記事項」

本入門申請意思受領後、本入門審査を経て、結果のメールを送信します。本入門許可者には、入門案内のメ―ルを送信しますので、メール文中に記載されている弊門指定の銀行口座に初月指導料を振り込んでください。

※入門許可メール送信後、送信日を含めて14日以内に入金がない場合は、入門の意思がなくなったと判断し、申請はなかったものとさせていただきます。

※本入門が許可されなかった場合についてのクレーム・理由開示要求には、例外なく対応いたしませんのでご了承ください。

手順3 「入門誓約書」のダウンロード

下のリンクにて「入門誓約書」をダウンロードし、内容を確認。誓約書の内容に同意するならば、同書類を印刷し、必要事項を記載の上、本入門後の初回練習時に持参する。

「入門誓約書」のダウンロード

※ダウンロードができない方は、shiroikukmoajisai@gmail.com 宛にご連絡ください。

手順4 練習会に初参加

上記「入門誓約書」を持参の上、グーグルカレンダー記載の希望各科の練習会に参加する。

※「入門誓約書」を必ず持参すること。持参し忘れ2回目の者には例外なく指導しない。ダウンロードができなかった理由で持参出来なかった者は、必ずそのむねを告げること。

※カレンダーが、参加する科のカレンダーであるかどうかを、しっかりと確認すること。

※各科とも、参加希望日の前日の24時までに、に、参加メール「例文:○○です。○○日参加します」とメールを入れること(場所変更の可能性があるため)。

八卦掌水式門富山本科イメージ