トップページ年金生活になった時の医療保険>健康保険の「埋葬料・埋葬費」を知って、弔事の出費に備える

健康保険の「埋葬料・埋葬費」を知って、弔事の出費に備える

 健康保険には「埋葬料」「埋葬費」という名の一時金の制度があります。国民健康保険にも「葬祭費」という名の制度がありましたね(「葬祭費」については、葬式を行うと支払われる「葬祭費」とは? 参照)。

 「埋葬料」は、健康保険の被保険者が死亡した時に被保険者の家族に支払われる制度です。「埋葬費」とは、死亡した被保険者に家族がいない場合、埋葬を行った人に支払われる制度です。

 埋葬料と埋葬費はもらう人と名前が違うだけ?手続きはどうなの?どのような書類が必要か?の疑問について、以下で詳しく説明していきたいと思います。

「埋葬料」とは?もらえる人・もらえる額・もらえる条件・もらうための手続きを知ろう!

 被保険者が死亡した場合に、埋葬を行った家族に5万円が支給される制度です。

 以下で各条件を細かく見ていきましょう。

 ※仕事中や通勤途中の災害による病気やケガで亡くなった場合、労災保険から埋葬にかかった費用の支給を受けることができるケースがあります。その場合は、健康保険からの埋葬料・埋葬費の支給はありません。

もらうことができる人

 健康保険の被保険者が亡くなった場合は、亡くなった被保険者により生計を維持されていた家族に支払われます。被扶養者が亡くなった場合は、被保険者に支給されます。

 「家族」といっても、漠然としてますね。健康保険法は、「家族とは被保険者に生計を維持されていればよく、被扶養者でなくてもかまわない」と言っています。つまり埋葬料は、「被扶養者に該当する家族」と、「被扶養者の条件を満たさなくとも生計を維持されていた家族」のいずれかであれば支払われる、ということです。

 健康保険法において被扶養者として認められるための要件とはどのような状態でしょうか?「生計を維持されている」とはどのような内容か?よく質問される内容です。この場では、埋葬料をもらう可能性のある家族の例として少し説明しましょう。参考にしてみてください。

「被扶養者」として認められる要件

【もらう可能性のある家族が、被保険者と同一世帯(同一の住民票)に属している場合】

◎ もうら可能性のある家族の年間収入が130万円未満(もらう可能性のある家族が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合。

◎ 上記に該当しない場合であっても、もらう可能性のある家族の年間収入が130万円未満(もらう可能性のある家族が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合、なおかつ世帯の生計の状況を果たしていると認められる場合。

【もらう可能性のある家族が、被保険者と同一世帯(同一の住民票)に属していない場合】

◎ もらう可能性のある家族の年間収入が130万円未満(もらう可能性のある家族が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合。

「生計を維持されている」として認められるためには

 「生計を維持されていた人」とは、どのような人でしょうか?この点については、「生計を維持されていた人」とは、被扶養者の範囲よりも条件が緩い、とされています。

 わかりやすく言いますと、上で挙げた被扶養者の要件を厳密に満たさなくとも、被保険者によって生計の一部を援助されていたような人も含まれる、と解釈されています。

 自分のケースが当てはまるかどうか疑問な場合は、全国健康保険協会に電話で尋ねてみるとよいでしょう。

支払われる額

 一律で50,000円が支払われます。

もらうことができる条件

 以下に挙げる4つの条件のうち、いずれかひとつが当てはまる場合に埋葬料が支給されます。

 

◎ 被保険者または被扶養者が亡くなった場合

◎ 被保険者であった方が、被保険者でなくなってから3か月以内に死亡した場合

◎ 被保険者であった方が、被保険者でなくなった後に傷病手当金または出産手当金を継続して受けている期間中に亡くなった場合もしくは、受けなくなってから3か月以内に死亡した場合

◎ 被保険者であった方が、被保険者でなくなった後に傷病手当金または出産手当金を継続して受けていた場合で、傷病手当金または出産手当金を受けなくなってから3か月以内に死亡した場合

もらうための手続き

 電話等で「埋葬料(費)支給申請書」を取り寄せ、必要事項を記入の上、以下で挙げる添付書類とともに全国健康保険協会(協会けんぽ)へ郵送します。

被保険者が死亡した場合で、被扶養者が申請する場合

◎ 死亡が確認できる書類

 死亡が確認できる書類としては、以下のものが挙げられます。

☆ 埋葬許可証

☆ 火葬許可証

☆ 死亡診断書

☆ 死体検案書

☆ 亡くなられた方の戸籍謄本・除籍謄本

☆ 住民票の除票

被保険者が死亡した場合で、被扶養者ではないが生計を維持されていた人が申請する場合

◎ 死亡が確認できる書類(前記参照)

◎ 同居していた場合は、生計が維持されていたことを確認するための住民票

◎ 別居していた場合は、生計が維持されていたことを確認するための書類(「定期的な仕送りの事実のわかる預貯金通帳など」のコピーなど、生計維持を確認できるもの)

☆ 被扶養者が死亡した場合で、被保険者が申請する場合

◎ 死亡が確認できる書類(前記参照)

「埋葬費」とは?もらえる人・もらえる額・もらえる条件・もらうための手続きを知ろう!

 死亡した被保険者に家族がいない場合に、埋葬を行った人に埋葬料の額の範囲内(5万円以内)で埋葬にかかった費用が支給される制度です。

 「埋葬費」についても、各条件を細かく見ていきましょう。

もらうことができる人

 死亡した被保険者に家族がいない場合、「実際に埋葬を行った人」に支払われます。埋葬を行った人は個人でなくてもよく、例えば会社でもよいのです。

支払われる額

 実際に埋葬に要した費用(上限5万円)が支払われます。

 例を挙げてみましょう。実際に埋葬に要した費用が38,000円ならば38,000円が、実際に埋葬に要した費用が65,000円ならば50,000円が支払われる、ということです。

 どのようなものが埋葬にかかった費用として認められるでしょうか?一般的に「葬壇設置料」・「棺代金」・「霊柩車のチャーター料」・「火葬代金」・「お坊さんへの謝礼金」などが認められます。

 葬式の日に、皆で飲み食いした代金などは、埋葬にかかった費用に含まれません。もっとも、上で述べた費用を全部足して5万円以下になることなどほとんどありません。多くの場合、上限金額たる5万円が支払われることが多いようです。

もらうことができる条件

 被保険者が亡くなり、亡くなった被保険者により生計を維持された家族等がいない場合で、かつ実際に埋葬を行った人がいる場合に、埋葬を行った人に支給されます。

もらうための手続き

 電話等で「埋葬料(費)支給申請書」を取り寄せ、必要事項を記入の上、以下の3点の書類とともに全国健康保険協会(協会けんぽ)へ郵送します。

死亡が確認できる書類(前記参照)

埋葬に要した費用の領収書と明細書

 領収書には、埋葬に要した費用を支払った人のフルネームが記載されている必要があります。

このカテゴリーの記事一覧

■トップページへ

◆年金生活になった時の医療保険・インデックスページ

◇住んでいる市町村で国民健康保険に加入する

◇健康保険に加入している家族の被扶養者になる、という選択肢

任意継続被保険者制度について

◇健康保険制度の任意継続被保険者になる

◇任意継続被保険者制度の手続はどうすればいいのか?

◇任意継続被保険者制度の保険料額

◇任意継続被保険者制度と国民健康保険のどちらに加入するのがお得か?

高額療養費制度について

◇健康保険の高額療養費(1)~もらえる額と用語の意味

◇健康保険の高額療養費(2)~合算高額療養費・多数該当の高額療養費

◇健康保険の高額療養費(3)~高額医療費の貸付制度