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これで分かる!あなたの国民健康保険の保険料額(税額)

 公的医療保険のベーシック的な存在である国民健康保険制度。身近でいて意外と分かっていなかった国民健康保険について、このページで詳しく紹介したいと思います。

国民健康保険の全体像

 国民健康保険は、健康保険やその他の公的医療保険制度に入らない人が加入する制度です。国民健康保険によって、国民皆保険の理念を実現しています。

 国民健康保険の大きな特徴は、以下の通りです。

  • 運営は、各市町村で行われている。
  • 運営は各市町村で行われているため、その市町村の懐具合(財政状況)に応じた保険料徴収が行われる。よって、保険料は市町村によって若干違いがある。
  • 会社を退職した人やその家族は、原則として加入が義務付けられている。国民皆保険!という理念のため。

 この制度は、定年で退職した人に限らず、会社を退職してすぐ次に就職しない人にも関係があります。非常に身近なこの制度について、以下で説明していきたいと思います。

国民健康保険の加入手続き

 国民健康保険に加入するには、退職した日の翌日から14日以内に、あなたの住んでいる市町村の役場に行き、届け出手続きをすることによって加入出来ます。

 その時出す書類は以下の通りです。

  • 国民健康保険の資格取得届  ※名称は各自治体によって違う。
  • 社会保険離脱の証明する書類 ※退職証明書、離職票など。名称は各自治体によって違う。

 社会保険の離脱を証明する書類、などと言うと、大げさに聞こえますね。しかしそんな仰々しいものではありません。

 退職すると、雇用保険の離職票が手元に届くと思います。職安に行く前に離職票を持ってまず役場に行き、手続出来ます。

 「離職票」は、会社がハローワークに離職証明書を提出することによって初めて、ハローワークからあなたに届けられるのです。ケンカ別れした会社が、時々離職証明書をハローワークに提出しないケースもありますが、それはルール違反です。そんな時はハローワークに頼んで、会社に離職証明書を出させるようにしてもらいましょう。

 離職票は退職後なかなか来ない場合もあるので、そんな時は会社に離脱を証明する書類(退職証明書・資格喪失証明書・資格喪失連絡票など)を出してもらいます。会社によっては、まずこの書類を郵送してくれるケースもあります。

 窓口に行く時は、念のため認印や年金手帳も持っていくといいでしょうね。

国民健康保険の保険料・税額

各区分(医療分・後期医療分・介護分)ごとに「所得割・資産割・被保険者均等割・世帯ごと平等割」の4つの合計が保険料額となる

 本ページの全体像でも書きましたが、保険料額は各市町村によって若干違います。市町村の財政状況に応じて、課税方法が異なるからです。

 各市町村は、医療分・後期支援分・介護分という3つで分けられた区分で計算された保険料を合計して年の保険料を決めます。

 各区分ごとに、所得割・資産割・被保険者均等割・世帯ごとの平等割、という4つがあり、この4つで計算された合計額が一つの区分の保険料となります。

 課税対象単位は、世帯ごとで、納税義務者は世帯主にあります。

 各市町村ごとに、資産割が無かったり、均等割が無かったりします。それはその市町村の財政状況によって違うのです。ですから、若干保険料に違いが出てくるのです。

国民健康保険の課税の仕組みの全体像の図
国民健康保険の課税の仕組みの全体像

 市町村によって保険料に若干の違いがあるため、本ページで”保険料はこの額だ!”と言い切る事が出来ません。でもそれでは不親切なので、例を取って話してみたいと思います。

具体例・Wさんの退職時の状況

☆ 退職時報酬: 残業代含めて246,000万円。7月退職。退職日からさかのぼって2年間はボーナスなし・・。

☆ 退職金は1,000,000円だった。Wさん退職時年齢58歳、奥さん57歳。

☆ Y市のアパートに暮らしているので、固定資産税ゼロ。

☆ 家族は、奥さんと2人暮らし

☆ Wさんは、しばらく悠々自適にフリーアルバイターとして生活する。よって、すぐに健康保険には入らない。

☆ 投資信託の配当収入が年に600,000万円(月に50,000円)ある。証券口座は、特別口座の源泉徴収あり。つまり投資信託の利益は分離課税。

 

医療分

◎ Y市医療分所得割税率 100分の3.28 で計算

 246,000×12= 2,952,000円  収入2,952,000円を「簡易給与所得表」によって「所得」に直す

 所得1,886,400円-控除330,000円×100分の3.28= 51,049円

◎ 資産割はなし

◎ Y市の医療分均等割 一人当たり23,600円

 Wさんと奥さんの2人なので、47,200円

◎ Y市の医療分平等割 一世帯あたり21,600円

 Wさんの世帯には21,600円

 ・・よって、医療分は51,049+47,200+21,600= 119,849円

後期支援分

◎ Y市後期支援分所得割税率 100分の0.82 で計算

 246,000×12= 2,952,000円  収入2,952,000円を「簡易給与所得表」によって「所得」に直す

 所得1,886,400円-控除330,000円×100分の0.82= 12,762円

◎ 資産割はなし

◎ Y市の後期支援分均等割 一人当たり5,900円

 Wさんと奥さんの2人なので、11,800円

◎ Y市の後期支援分平等割 一世帯あたり5,400円

 Wさんの世帯には5,400円

 ・・よって、後期支援分は12,762+11,800+5,400= 29,962円

介護分

◎ Y市介護分所得割税率 100分の1.7 で計算

 246,000×12= 2,952,000円  収入2,952,000円を「簡易給与所得表」によって「所得」に直す

 所得1,886,400円-控除330,000円×100分の1.7= 26,458円

◎ 資産割はなし

◎ Y市の均等割 一人当たり11,500円

 40歳以上が二人なので、23,000円

◎ Y市の平等割 一世帯あたり5,500円

 Wさんの世帯には5,500円

 ・・よって、医療分は26,458+23,000+5,500= 54,958円

 

 医療分・後期支援分・介護分を出したら、それらを合計します。その合計額が、国民健康保険料となります。

 医療分119,849円+後期支援分29,962円+介護分54,958円= 204,769円

 よってWさんの世帯には、年額約205,000円(月に換算すると約17,083円)の保険料が科される事になります。この額を7月から3月にかけて、8期で分割して支払うのです。

 

 ・・・この額ですが、各市町村ごとで税率・計算方法等で違いがあるので、参考としていただき、正確な額は市町村窓口で尋ねてみてくださいね。

 注意点として・・・・以下の点を挙げます。

※ 退職金は、収入等に算入されない。

※ 「特定口座で源泉徴収あり」の投資信託の配当収入は、計算過程での収入額に含まれない。

※ このページの計算では、小数点以下切り捨て。端数処理等は考慮してません。怠けてすいません・・

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