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老八掌・双換掌:中距離対多人数遊撃戦下での身法を学ぶ基本型

(このページは、2021年9月26日に更新しました。)

八卦掌の代表的型である老八掌。その中で代表的な型とも言える「双換掌」を説明します。

双換掌は、中距離多人数戦における身のこなし方を学ぶことができる型です。順勢掌が、敵に接近した状態での変化攻撃を学ぶ型であるのに対し、双換掌は、蓋手掌・撩陰掌・進歩穿掌 と、中距離技が多い傾向にあります。

実際の対多人数遊撃戦では、多くの時間で中距離でのやり取りが多いため、双換掌を通してしっかりと中距離多人数遊撃戦の基礎を身体にしみこませよう。

老八掌「双換掌」を動画で動作解説

大きく分けて3つのパートに分かれる

単換掌の方向転換は1回であるのに対し、双換掌は3回も転換します。よって最初は難しそうに見えるのですが、各動作に難しい動作はないため、初心向け技であると言えます。

双換掌は、3つのパートに分かれています。

そのうち、一回目が敵に接近する際の方法を示し、2回目と3回目が、複数人を相手にさばく際の身法を示しています。つまり、老八掌で学ぶ、最初の本格的な対多人数遊撃戦套路(型)となるのです。

中距離多人数戦の身法を学ぶ基本型

双換掌は、重要単繰手の重ね技的な型であります。柔球掌→トウ脚付き蓋手掌→撩陰掌→進歩穿掌→蓋手掌→撩陰掌→進歩穿掌→推磨掌

これらは、敵との距離が1~3mくらいで囲まれている場合を想定しているため、対多人数遊撃戦の基本身法を学ぶうえでも大変参考になります。

もちろん敵に囲まれた状況で対応し続けるのは危険。双換掌を創始した人もそれはわかっていたのでしょう、攻撃しつつ敵中から抜け出す合理的変化攻撃にも対応しうるエッセンスも型中には含まれています(例:蓋手掌を使っての方向転換しつつ攻撃で去る用法)。

双換掌の用法解説

セミの音がうるさいので音量要注意

双換掌は、大きく3つのパートに分かれています。

一つ目は、左右の手を回しながら歩き、手を頭の上後ろから打ち出しつつ(蓋手・がいしゅ)トウ脚で蹴り上げる。二つ目は、トウ脚状態から反転して撩陰掌で反対側を攻撃し、進歩穿掌を打つ。三つ目は、穿掌を打った状態から進行方向反対側へ向きを変えつつ蓋手し、すかさず反転して撩陰掌し、続けて進歩穿掌を打つ、段階です。

各パートごとの用法を、実戦経験・組手経験をもとに、詳しく説明しましょう。

「両手を計3回回しながら最後に蓋手掌・・」の用法

一つ目の用法は、遊撃戦の最中、機を見て敵に接近する場合の用法です。手を敵の攻撃してくる手に絡ませながら我の身体を敵のすぐ近くに移動させる(分け入らせる)、という用法です。敵にやや直線的に入る用法です。

必ずしも双換掌の型の通りに、3回回しながらさばく必要はないのです。敵の攻撃してくる手に合わせて変化する、というよりも、敵に近づく際に敵の顔前にある敵の両手両腕を、こちらの2本の腕で、さばきつつ絡ませ「かき分けながら」敵のすぐ近くに入り込んでいく、というイメージです。

もっともイメージしやすい表現はやはり「かき分けながら相手の懐に侵入していく」でしょう。両手でかき分けながら入っていけば、相手の手わざはこちらにクリーンヒットしにくくります。両手をかき分け絡ませながら入っていくのは、痛恨の一撃を避ける意味もあるのですね。

実戦において、軽いパンチがかすったり当たったりすることは、当たり前のことなのです。痛恨の一撃さえ喰らわなければ我が戦闘不能になることもなく、戦闘不能にさえならなければ、実戦では問題ないのです。こちらもアドレナリンが全開になっているので、クリーンヒット以外のパンチなどでは大して痛みを感じません。

3回目の腕回しの後に蓋手掌を行うのは、フェイントアタックを意味しています。蓋手掌の軌道は、一端頭の後ろに手を回してから、頭の上を通り越して最後に敵の顔部分めがけて手のひらを推す、というものでした。頭の後ろに手を回すのは、こちらの攻撃の軌道を相手から見えにくくする、という意図があるから行うのです。

蓋手掌は、一見するとなんとも迫力に欠ける動きですが、敵は頭の上から掌による攻撃が来るなどと考えていないため、この攻撃は意外と敵を追い詰めます。流れの中で行っているため、なおのこと、出会いがしらの直撃が起こります。

「反転して撩陰掌→進歩穿掌・・・」の用法

後ろから迫ってきた相手に、振り向きざまに撩陰掌を放ち(当たらなくても問題なし)敵の動きを一瞬止め、間髪をいれず何の迷いもなく、相手の上半身めがけて猛然と穿掌を打ち込みます。

振り向きざまの撩陰掌は、背身掌にも、八卦六十四掌にも、本当に頻繁に登場します。撩陰掌を放つ狙いは「金的を打って相手を倒す」よりも、こちらが他の敵を攻撃している最中に後ろから攻撃しようと接近してくる敵に、突然撩陰掌を放って驚かせつつ動きを止めることにあります。次に行う進歩穿掌を当てるために。

動いている敵にこちらの攻撃を当てるのは大変難しいのですが、一瞬でも止まると、その分こちらの攻撃が当たりやすくなります。もちろん、撩陰掌を放ったくらいで敵は長く止まってはくれません。止まる時間などほんの少しです。だから、当たる、とか一切考えず、撩陰掌を放ったら、敵が止まるとふんで一気に穿掌を打つのです。撩陰掌と進歩穿掌は、一つの流れで行う、と考えるくらいがいいでしょう。

「前方の敵に穿掌を打ち切った後、身を翻して180度後方へ身体ごと向けつつ蓋手掌・・・」の用法

身を翻しながらの蓋手掌は、慣れないうちは速度も出ず、やりにくいものです。しかし実際の対多人数戦の渦中では、敵も移動戦の中で素早く我に近づけない状態であるため、そこまで動作が遅いことを気にする必要はありません。

双換掌の型中では、蓋手掌を、180度後方へ向かって身体ごと向けながら攻撃しています。実際にこのように使用することもあるのですが、実際に実戦の場では、すぐ横に迫ってきている敵に向けて真横に放ったり、今穿掌を打った相手の横に回り込みながら、連続攻撃の一環として去り際に蓋手掌を打ったりします。

つまり、不用意にこちらに接近してきた敵にけん制の意味を持って突然蓋手掌を打つ、あと、対多人数遊撃戦のさなかに、移動の軌道上に存在する敵に穿掌を放ち、その場から去る際に蓋手掌をしながらまた移動する、という感じで使うのですね。

遊撃戦の流れの中で、攻撃した敵から次の敵へと移動する際に使いやすい技に、ひざ辺りを狙ったかかとを使った蹴りと、拍(手の甲で敵の顔をはたく技)、そして蓋手掌が挙げられます。是非とも対人想定練習にて「去り際蓋手掌」のやりやすさを体感してください。

双換掌の各動作を連続写真で詳しく解説

双換掌動作解説写真

走圏で円を歩いていく。

双換掌動作解説写真

ここでは3回手を回していく。最初は、円の内側の手からまわし始める。

双換掌動作解説写真

一回目の手まわし(円の内側の手)。推磨掌の動作として円の内側に伸ばしている手を、半円を描きながら顔の前まで持ってくる。螺旋の意識忘れずに。

双換掌動作解説写真

2回目の手まわし(円外側の手)。円内側の手が顔の前に来終わる瞬間から、円の外側下方向へに半円の弧状を描きつつ回していき顔の前まで回す。

双換掌動作解説写真

3回目の手まわし(円内側の手)。2回目の手が顔の前に来る直前から回し始める。今度は直接顔の前に回してくるのではなく、顔の後ろに回して持っていき・・・・

双換掌動作解説写真

頭の後ろ⇒頭の上を通らせて、顔の斜め前の上に推し出す。

双換掌動作解説写真

推し出すと同時に、円の中心側の足をトウ脚で蹴り上げる(トウ脚蓋手・とうきゃくがいしゅ)。

双換掌動作解説写真

片足立ちをしている軸足のつま先を、歩いている円の進行方向と反対方向へ、少し飛んで向きを変え・・・

双換掌動作解説写真

頭の上ななめ前にある円内側だった手を、下方向へ半円の弧を描きながら・・・・

双換掌動作解説写真

下から上へすくいあげ打つ(撩陰掌・りょういんしょう)。

双換掌動作解説写真

前足を一歩踏み出し、すかさず後ろ足も前に出しつつ・・・

双換掌動作解説写真

進歩穿掌で突く。

双換掌動作解説写真

進歩穿掌で突いた手を戻さず、手を返し・・・

双換掌動作解説写真

頭の後ろに回し、そして前足だった足を扣歩して・・・

双換掌動作解説写真

前足だった足を進行方向と反対側へ進ませながら・・・

双換掌動作解説写真

頭の後ろに回していた手を頭上を通りながら掌(てのひら)を前に向けて進め・・・・

双換掌動作解説写真

打ち出す(蓋手掌・がいしゅしょう)。それと同時に後ろ側の手も掌(てのひら)を後ろへ向けて後方へしっかりと推し出す。打ち出しきった時、前に出した手と後ろに伸ばしている手が相互いに、引っ張られつつ張っている状態を意識する

双換掌動作解説写真

蓋手掌を決めた直後、前足を扣歩し・・・

双換掌動作解説写真

後ろの手を下から上にすくいあげ・・・

双換掌動作解説写真

反対側の敵に向かって打つ意識で、撩陰掌で打つ。

双換掌動作解説写真

前足を一歩踏み出し、すかさず後ろの足を大きく踏み出しながら・・・

双換掌動作解説写真

進歩穿掌で打つ。

双換掌動作解説写真

股間接を畳みながら前に穿掌で打ち出した手を顔前まで引いてきて・・・

双換掌動作解説写真

円の中心に向かって推し出す(推磨掌・すいましょう)。

老八掌・双換掌の滑歩練習

定歩で各動作をしっかり覚えたら、滑歩の練習も併せて行うようにする。滑歩練習で、途切れない動きの中での張り・らせん・滑らかな連動歩法ができるように繰り返す。

定歩の解説の中でも何度も触れたが、双換掌の動きは、多人数戦を得意とする八卦掌の動きを、最も如実に表している型である。実際に多人数戦の練習をしてみると分かるのだが、双換掌の動作を理解したうえで多人数戦練習をしていると、この動作もあの動作も双換掌の動作だ、と実感する。

単換掌が、敵との最初の遭遇における対応法の基本技であるならば、双換掌は多人数戦における身法の基本だと、考えている。しっかりと身体に覚えさせて欲しい。

実戦八卦掌をより深く学んでみたい方へ。代表・水野より。

代表・水野の写真

順勢掌の解説はどうでしたでしょうか?

八卦掌を学んでみたいけど、家の近くに指導者がいない・・・護身術として、実戦的な中国拳法を学んでみたい・・・。大切な人を守るために強くなりたい・・。

全国のそのような方々に向けて、最初の一歩を迷うことなく踏み出すことができるように、「独習者完全対応版。八卦掌基本技術オンライン講座」では、隠し事なし、出し惜しみなしで八卦掌の基本技法をお伝えしています。

もし学んでいく過程で「ここがよく分からない」「この部分をもっと知りたい」「実際の戦闘における実戦技法を体感したい」と思った方は、是非当門の一般参加可の練習会に参加してみてください。八卦掌水式門に入門していない方でも自由に参加できますよ。

武術未経験者の方も大歓迎!一般参加可練習会だけで、大いに前進しておられる方もいっらしゃいます。

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